「あるまじき」の意味や使い方は？例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説！

ライター／AYA

長年接客業で培った｢正しい敬語｣を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが｢あるまじき｣について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「あるまじき｣の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 32622387

｢あるまじき｣という言葉を使う事はあるでしょうか？否定的なニュアンスが含まれていることは分かりますが、どういう時に使うのかと聞かれるとハッキリ答えるのが難しいですよね。今回はそんな｢あるまじき｣という言葉について、詳しく調べてみました。

それでは早速「あるまじき」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「あるまじき」の意味は？

「あるまじき」には、次のような意味があります。

1．あってはならない。
2．不都合である。
3．とんでもない

出典：デジタル大辞泉（小学館）「あるまじき」

｢あるまじき｣とは、｢あってはならない・不都合・とんでもない｣の意。やはり強い否定の意味ですね。｢～すべきではない・～してはならない｣のように、前に付く名詞を批判・避難する言葉で、後ろには行動・態度などを表す名詞が付きます。つまり名詞+あるまじき＋名詞のような文法として用いられますよ。後ほど例文を挙げるので、この文法を頭に入れておきましょう。

「あるまじき」の語源は？

次に「あるまじき」の語源を確認しておきましょう。この｢あるまじき｣という言葉は、2つの単語が連結して1つの単語になった｢連語｣ですよ。品詞分解すると分かりやすいので、｢ある｣と｢まじき｣に分けてみましょう。｢ある｣は物事が存在する意味の｢ある｣で動詞・ラ変｢あり｣の連体形ですよ。｢まじき｣は助動詞で古典文法の打消推量｢まじ｣の連体形で、｢まじき｣自体は言葉の意味は持ちません。この｢ある｣と｢まじき｣の2つの意味を組み合わせて｢あってはならない｣｢あるはずがない｣といった否定の言葉に成りますよ。

「あるまじき」の使い方・例文

「あるまじき」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1．違反するなど警察官にとってあるまじき行為だ。
2．上司としてあるまじき軽々しい発言。
3．彼は教師としてあるまじき言動をした。

3つの例文を挙げてみました。｢あるまじき｣の意味の説明のところで解説したように、名詞+あるまじき+名詞になっているのがおわかりでしょうか？｢警察官・上司・教師｣という名詞に接続して｢あるまじき｣、その後に｢行為・発言・言動｣といった動作を表す名詞が接続されていますね。

つまりその人の地位や職業にふさわしくない言動を否定・避難する言葉が｢あるまじき｣ですよ。

「あるまじき」の類義語は？違いは？

image by PIXTA / 71983503

｢あるまじき｣と同じ意味を持つ言葉はあるでしょうか？

「言語道断」

｢言語道断｣は｢ごんごどうだん｣と読み、｢もっての外・言葉では表せないほどのひどいこと｣の意。仏教語で元は｢仏教の奥深い真理や究極の境地は言葉では言い表せない｣が語源になっていますよ。仏教で｢言語｣は｢言葉に出して表現する事｣の意味があり、｢道断｣は｢方法が絶たれること｣の意。転じて現在では否定的な意味で用いられています。

どちらも否定の意味が強く、類義語としてふさわしいでしょう。

「あるまじき」の対義語は？

｢あるまじき｣にはどんな対義語はあるでしょうか？

「ありがち」

｢あるまじき｣が否定を表す言葉なので、その否定形を取った｢ありがち｣が対義語となります。｢ありがち｣とは｢世間によくあること・よく似た例がたくさんあるさま｣の意。｢あってはならない・あるはずがない｣の意味の｢あるまじき｣とは真逆の意味なので、対義語としてふさわしいでしょう。

「あるまじき」の英訳は？

image by iStockphoto

｢あるまじき｣を英語で表現するとどうなるでしょうか？

「should not」

否定形なのでいくつか表現方法はありますが、この場合｢あってはならない｣の意味を持つ「should not」が適切でしょう。｢（絶対に）してはならない｣、つまり禁止という事ですね。ですので｢あるまじき｣の英語表現として1番近いニュアンスになりますよ。同じ意味で｢don’t have to｣もありますが、こちらは｢する必要がない・不必要｣の意味で、「should not」ほどの強制力はありません。

せっかくなので否定形もいくつか紹介しておきますね。「must not」も否定形ですが、これはどちらかと言うと｢～してはいけません｣と注意する際に使われますよ。｢can not｣は｢することができない・できません｣と言いたい時に用います。ルールがあってできないような時に使われますよ。

「should not」を使った例文を挙げるので参考にしてみてください。

｢You must not talk to your parents like that.｣

（親に向かってそんな口の利き方をしてはいけないよ。）

｢He did what he should not do as a president.｣

（彼は社長としてあるまじき言動をした。）

「あるまじき」を使いこなそう

この記事では「あるまじき」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。｢あるまじき｣とは｢あってはならない・とんでもない｣といった意味で、強い否定・非難を表す言葉でしたね。名詞（立場・役職）+あるまじき+（動作を表す）名詞の文法で用いられる事が多いので覚えておきましょう。今回は中学レベルの英語で表現できたのでいくつか紹介しています。復習を兼ねて合わせて知識を深めていただけたら幸いです。