

「まざまざと」とは目の前で見せつける、また見せつけられた様をいうのだが感覚的でいまいち良く理解できない言葉じゃないだろうか。辞書での意味、使い方・類語などを確認して使いこなせるようになると国語力がレベルアップするぞ。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んだ。一緒に「まざまざと」を説明していく。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/小島 ヨウ
言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。
「まざまざと」の意味や使い方

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「まざまざと見せつける」「まざまざと感じる」など、「まざまざと」は明らかなことを再確認するように目の前で見る・実感するといった時に使われる表現です。ほかにも意味や使い方があるのでチェックしていきましょう。
「まざまざと」の意味
まず、辞書で意味を調べてみます。
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
1.目の前に見るようなさま、まがう方なく明瞭であるさまを表わす語。まさしく。現実に。ありあり。
2.それとはっきりしていること、わかりきっていることを、まことしやかにするさまを表わす語。ぬけぬけ。
3.よくない事や意に反する事がまさしく現実になるさま。どうにもできないうちに、また、何もしないままに事が実現する場合にいう。みすみす。いたずらに。
出典:精選版 日本国語大辞典 「まざーまざ」より
1.まるで目の前にあるかのようにはっきりとしているさま。ありあり。
2.ある事を確かな事実として、身にしみて感じるさま。はっきり。つくづく。
3.まことしやかに。巧みに。うまうまと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「まざーまざ」より
辞書によって意味が少し違ったので双方引用しました。それにしてもオノマトペのような類語が満載ですね! ピックアップしてのちほど詳しく説明します。
総括しますと、目の前にあるかのようにはっきりとしている様、それを心身で感じること・また見せつけることの意味です。美しい思い出ばかりではなく、「まざまざと」は残念な気持ち・羨望・あきらめや恐怖など、負の感情がその光景に際して現れる時によく使われます。
「まざまざと」の語源
「まざまざと」は「まざまざ」に「と」が付いた副詞で、形容詞は「まざまざしい」。意味は目に見えるよう・いかにも本当のよう・しらじらしいなどで「まさまさしい」とも使われます。これに「正々しい」の漢字を当て正しいことの意、また「歴々しい」で目に見えるような・まことらしいふりから、などの説がありますが、由来ははっきりしていません。よって「まざまざと」はひらがなで使われます。
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