この記事では「お心遣い」について解説する。

端的にお心遣いと言えばの意味は「心配り」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「お心遣い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「お心遣い」の意味や使い方まとめ

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「お心遣い」という言葉を耳にしたことがありますか?相手の好意に対しての、返答として使われることが多い言葉です。単に「ありがとうございます」だけではなく、「お心遣い」を入れることであなたの品を上げることができます。早速「お心遣い」の意味や使い方を見ていきましょう。

「お心遣い」の意味は?

「お心遣い」には、次のような意味があります。

こころ‐づかい〔‐づかひ〕【心遣い】
1 あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい―」

2 祝儀。心付け。

「目をかけて、―もせし人を」〈人・梅児誉美・四〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「心遣い」

「お心遣い」とは、「心遣い」に接頭辞「お」をつけた美化語です。美化語とは、上品で美しい言葉遣いをするために使う表現とさせており、表現を和らげる目的でも使うことがあります。よって、「お心遣い」と「心遣い」同じ意味を表す言葉であり、「お心遣い」の方がより丁寧な伝え方です。

「心遣い」とは、意味1のように相手が気を配ってくれることを指すこともありますが、意味2のようにお金を表すときにも使います。

「お心遣い」の使い方・例文

「お心遣い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私へのクレームに部長が一緒にお詫びに行って下さり、そのお心遣いに感謝の心がで溢れています。

2.我々夫婦の結婚のお祝いに、お心遣いいただき誠にありがとうございます。

例1は、ビジネスシーンで「お心遣い」を使う例文です。例1のように、部長という自分から見て目上の人に対して使うことが多いですが、メールなどの文面で使う場合は、相手先や対等な相手に対してもよく使われます。

例2は、祝い金を頂いたときに使う例文です。直接的にお金と表現することは、相手に対して失礼に当たることがあるので、「お心遣い」を使うようにしましょう。また、意味は同じでも「心遣い」ではなく「お心遣い」と丁寧な言い方をします。

「お心遣い」の類義語は?違いは?

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「お心遣い」の類義語には、「お気遣い」「心配り」があります。

その1「お気遣い」

「お気遣い」には、次のような意味があります。

き‐づかい〔‐づかひ〕【気遣い】
1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお―なく」

2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる―はない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気遣い」

「気遣い」の意味1と「心遣い」の意味1が類義語です。2つの言葉の意味だけを見ると全く同じように見えますが、明確に使い分けることができます。

「お気遣い」とは、相手の行動に対して、直接的な行為でサポートすることです。例えば、来客が来た時にお茶を出すことなどがあります。

「お心遣い」とは、相手の心を読み取り、サポートすることです。相手の思いやりに触れることで、「お心遣い」という言葉を使います。

\次のページで「その2「心配り」」を解説!/

その2「心配り」

「心配り」には、次のような意味があります。

こころ‐くばり【心配り】
あれこれと気をつかうこと。心づかい。配慮。「温かい―」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「心配り」

「心配り」と「心遣い」が類義語になります。この2つの言葉は、ニュアンスも使われ方も同じです。ともに相手が自分に対して、思いやりをもって行った行動に対して使います。

「お心遣い」の対義語は?

「お心遣い」の対義語は、接尾辞の「ない」をつけて「お心遣いがない」というように言うことができます。全く別の言葉で、明確に決められている対義語はありませんが、「無神経」は対義語になりえるのではないでしょうか。

「無神経」

「無神経」には、次のような意味があります。

む‐しんけい【無神経】
[名・形動]

1 感覚が鈍いこと。感じ方が弱いこと。また、そのさま。鈍感。「騒音に―な都会人」

2 恥や外聞、他人の気持ちなどを気にしないこと。また、そのさま。「―な言葉」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無神経」

「お心遣い」とは相手のことを思い行うことですが、「無神経」は、自分が行いたいことを行うというニュアンスがあります。目線が、相手に向いているのか自分に向いているのかという、反対の事を指すので対義語になりえるのではないでしょうか。

\次のページで「「お心遣い」の英訳は?」を解説!/

「お心遣い」の英訳は?

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「お心遣い」の英訳は、「solicitude」「kindness」「consideration」があります。

「solicitude」「kindness」「consideration」

「solicitude」「kindness」「consideration」が日本語の「お心遣い」の英訳になります。「心遣い」を直訳すると「solicitude」になりますが、少し堅い印象の言葉です。カジュアルな言い方だと「kindness」、「consideration」を使います。

「kindness」は、親切ややさしさという意味の言葉で、「consideration」は思いやり、考慮という意味の言葉です。「心遣い」の直訳ではありませんが、相手の事を思ってという意味で日本語の「心遣い」と同じように使います。

また、「お心遣いありがとうございます」というように感謝を伝えるときの例文は次の通りです。

・I am obliged to you for your solicitude in my behalf interesting in my welfare.(ご配慮にあずかりありがとうございます。)

・I wanto to thank them for thir kindness.(心遣いありがとうございます。)

・I am thankful for their consideration.(心遣いありがとうございます。)

 

「お心遣い」を使いこなそう

この記事では「お心遣い」の意味・使い方・類語などを説明しました。「お心遣い」とは、自分の事を思って配慮をする行為をされたときに使う言葉です。「心遣い」に「お」をつけることにより、美化語としているので、自分よりも目上の人から受けたときには、必ず「お」をつけて「お心遣い」を使いましょう。また、類義語には「お気遣い」「心配り」があります。特に「お気遣い」と「お心遣い」には、明確な使い分けがあるので、注意して使い分けましょう。また、「お心遣い」の英訳は「solicitude」「kindness」「consideration」と3つあります。この中でも、「solicitude」には堅いイメージがあるので、「kindness」「consideration」がカジュアルな使い方です。

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国語言葉の意味

「お心遣い」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「お心遣い」について解説する。

端的にお心遣いと言えばの意味は「心配り」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「お心遣い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「お心遣い」の意味や使い方まとめ

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「お心遣い」という言葉を耳にしたことがありますか?相手の好意に対しての、返答として使われることが多い言葉です。単に「ありがとうございます」だけではなく、「お心遣い」を入れることであなたの品を上げることができます。早速「お心遣い」の意味や使い方を見ていきましょう。

「お心遣い」の意味は?

「お心遣い」には、次のような意味があります。

こころ‐づかい〔‐づかひ〕【心遣い】
1 あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい―」

2 祝儀。心付け。

「目をかけて、―もせし人を」〈人・梅児誉美・四〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「心遣い」

「お心遣い」とは、「心遣い」に接頭辞「お」をつけた美化語です。美化語とは、上品で美しい言葉遣いをするために使う表現とさせており、表現を和らげる目的でも使うことがあります。よって、「お心遣い」と「心遣い」同じ意味を表す言葉であり、「お心遣い」の方がより丁寧な伝え方です。

「心遣い」とは、意味1のように相手が気を配ってくれることを指すこともありますが、意味2のようにお金を表すときにも使います。

「お心遣い」の使い方・例文

「お心遣い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私へのクレームに部長が一緒にお詫びに行って下さり、そのお心遣いに感謝の心がで溢れています。

2.我々夫婦の結婚のお祝いに、お心遣いいただき誠にありがとうございます。

例1は、ビジネスシーンで「お心遣い」を使う例文です。例1のように、部長という自分から見て目上の人に対して使うことが多いですが、メールなどの文面で使う場合は、相手先や対等な相手に対してもよく使われます。

例2は、祝い金を頂いたときに使う例文です。直接的にお金と表現することは、相手に対して失礼に当たることがあるので、「お心遣い」を使うようにしましょう。また、意味は同じでも「心遣い」ではなく「お心遣い」と丁寧な言い方をします。

「お心遣い」の類義語は?違いは?

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「お心遣い」の類義語には、「お気遣い」「心配り」があります。

その1「お気遣い」

「お気遣い」には、次のような意味があります。

き‐づかい〔‐づかひ〕【気遣い】
1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお―なく」

2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる―はない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気遣い」

「気遣い」の意味1と「心遣い」の意味1が類義語です。2つの言葉の意味だけを見ると全く同じように見えますが、明確に使い分けることができます。

「お気遣い」とは、相手の行動に対して、直接的な行為でサポートすることです。例えば、来客が来た時にお茶を出すことなどがあります。

「お心遣い」とは、相手の心を読み取り、サポートすることです。相手の思いやりに触れることで、「お心遣い」という言葉を使います。

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