この記事では「貫禄」について解説する。

端的に言えば貫禄の意味は「人格や体格が堂々としていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「貫禄」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「貫禄」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「貫禄」の意味や語源・使い方まとめ

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貫禄」は「かんろく」と読みます。日常会話でも使われる言葉ですから、聞いたことがある人が多いでしょう。「貫禄」は使い方によって良い意味にも、ネガティブな印象の言葉になったりもするので、これを機会にしっかりと使い方を覚えましょう。それでは早速「貫禄」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「貫禄」の意味は?

まず初めに「貫禄」の正しい意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「貫禄」には、次のような意味があります。

1.その地位に在る人にふさわしいと感じられる、かっぷくのよさや堂々とした態度など。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「貫禄」

2.からだつきや態度などから感じる人間的重みや風格。身に備わった威厳。時に、「見かけは貫禄たっぷりだけどね」のように肥っていることをからかって、また、ばかにして使うことがある。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「貫禄」

「貫禄」は、地位にふさわしい堂々とした風格の事を言います。風格を感じさせるのは、体格であったり、態度表情雰囲気など、色々でしょう。一般的には、重々しい骨太なイメージがあり、女性に対してよりも男性に用いる事が多い言葉です。

また、ネガティブな用いられ方として、大きめな体格をかうような意味で「貫禄がある」などと使ったりもしますので、使い方や使う相手には注意してくださいね。

また、「貫禄」は「貫録」と漢字表記する場合もあります。一般的には「貫禄」が使われることが多いでしょう。

「貫禄」の語源は?

次に「貫禄」の語源を確認しておきましょう。「貫禄」は、武士が持っている財産の多さを表す言葉でした。

「貫」とは、日本の中世時代の田畑に用いた単位です。また、「禄」とは、簡単に言えば武士の給料のことを指しました。つまり「貫禄」とは、武士が所有している土地の大きさや収穫高に給与を合わせた物…、総財産というわけです。したがって「貫禄がある」と言うのは、持っている財産が多く、武士としての地位が高い人である、と言うことですね。そして、この意味が転じて、堂々としていて威厳のある、と言う意味で使われるようになったのです。

\次のページで「「貫禄」の使い方・例文」を解説!/

「貫禄」の使い方・例文

それでは「貫禄」の使い方を、実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私の上司は冷静沈着な仕事ぶりで、人間的にも落ち着いた貫禄のある人だ。
2.あなたのお父さんは人生経験を経た大人の貫禄に溢れていて、存在感があるね。
3.見た目だけならば、体も大きく成長して貫禄があるから、自信満々なように見えただろうが、実は緊張しきりだったそうだ。

例文1、2の「貫禄」は、地位にふさわしい堂々とした風格を持っていることを表現するのに使われています。このように、「貫禄」は大人の男性に対しての、誉め言葉として使うことが多いでしょう。

例文3は、「貫禄」を、体格が優れて大きいと言う意味合いで使っています。上記のように、風格や態度は関係なく体格だけを指して言う場合もありますが、使い方、相手に寄っては失礼になってしまう場合もありますから気をつけましょう。

「貫禄」の類義語は?違いは?

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「貫禄」の類義語には「威厳」や「品格」がふさわしいでしょう。

「威厳」

威厳」は「いげん」と読みます。「威」は、おごそか、堂々たる様子、重々しいと言う意味の漢字で、「厳」は、きびしい、おごそか、いかめしい、と言う意味合いの漢字です。おごそか、いかめしい、と言う似た意味の漢字が組み合わされた熟語ですね。「威厳」の意味は、言動や表情に風格があり、近寄りがたいほどおごそかである、と言うことです。

「貫禄」との相違点は、「貫禄」が体格が良いことも表すのに対し、「威厳」には、体格が良いと言う意味合いが含まれないことでしょう。

それでは、「威厳」の使い方を実際の例文で確かめてみましょう。

\次のページで「「品格」」を解説!/

今日見た映画の中では、反抗する部下に対して余裕たっぷりで制した威厳あるボスが一番好きだ。

「品格」

品格」は「ひんかく」と読みます。意味は、その人やその物に感じられる気高さや上品さ、と言うことです。つまり、雰囲気や言動から、その人の立派さがにじみ出ていると言う意味で、「品格が備わる」や「品格を持つ」という言いまわしなどで使用されることが多いでしょう。

「貫禄」と同じく、その人の態度や雰囲気が立派であると言う意味ですが、「貫禄」が重厚感を感じる立派さであるのに対して、「品格」は上品さや品の良さを表現している点で異なります。

では、「品格」の使い方も例文で確かめてみましょう。

ご紹介いただいたお嬢さんは、立ち居振る舞いに品格が備わっていて、オーラに圧倒されてしまった。

「貫禄」の対義語は?

「貫禄」の対義語には「貧相」がふさわしいでしょう。

「貧相」

貧相」は「ひんそう」と読みます。漢字の通り、貧しい相、つまりいかにも貧乏そうなありさま、と言うことですね。また、みすぼらしい、と言う意味や、体つきが貧乏に見えるほどに痩せている、と言う表現でも用いることが出来ます。

「貫禄」が、地位があり、堂々とした風格があることや、体格がいいと言う意味でも使える事からも、「貧相」は対義語としてふさわしいと言えるでしょう。

それでは、「貧相」の使い方も、例文で確かめてみましょう。

お見合い写真を撮ったが、姿勢が悪く、貧相に写ってしまっていた。

\次のページで「「貫禄」を使った表現」を解説!/

「貫禄」を使った表現

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「貫禄」を使った表現で良く使われるものに「貫禄負け」と言う言葉がありますので、併せて覚えておきましょう。

「貫禄負け」

貫禄負け(かんろくまけ)」と言う表現は、良く使われますので覚えておきましょう。「貫禄負け」とは、相手の実績や名声などに圧倒されて、実際に戦いを挑む前からひるんでしまうことを言います。使い方の注意点は、実際に戦って負けるのではなく、相手の貫禄を感じて、戦う前に戦意喪失していると言う点です。

「貫禄」を使いこなそう

この記事では「貫禄」の意味・使い方・類語などを説明しました。「貫禄」は、日常会話でもしばしば使われる言葉ですね。文中でも説明しましたが、「貫禄」は、あくまでも褒め言葉ですが、体格が大きいと言う意味だけで使ってしまうと、からかいの意味でとらえられてしまうこともありますから、気をつけましょう。

また、「貫禄」は「貫禄がつく」や「貫禄が出る」という言いまわしを良くするので、それも併せて覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「貫禄」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「貫禄」について解説する。

端的に言えば貫禄の意味は「人格や体格が堂々としていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「貫禄」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「貫禄」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「貫禄」の意味や語源・使い方まとめ

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貫禄」は「かんろく」と読みます。日常会話でも使われる言葉ですから、聞いたことがある人が多いでしょう。「貫禄」は使い方によって良い意味にも、ネガティブな印象の言葉になったりもするので、これを機会にしっかりと使い方を覚えましょう。それでは早速「貫禄」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「貫禄」の意味は?

まず初めに「貫禄」の正しい意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「貫禄」には、次のような意味があります。

1.その地位に在る人にふさわしいと感じられる、かっぷくのよさや堂々とした態度など。

出典:新明解国語辞典(三省堂)「貫禄」

2.からだつきや態度などから感じる人間的重みや風格。身に備わった威厳。時に、「見かけは貫禄たっぷりだけどね」のように肥っていることをからかって、また、ばかにして使うことがある。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「貫禄」

「貫禄」は、地位にふさわしい堂々とした風格の事を言います。風格を感じさせるのは、体格であったり、態度表情雰囲気など、色々でしょう。一般的には、重々しい骨太なイメージがあり、女性に対してよりも男性に用いる事が多い言葉です。

また、ネガティブな用いられ方として、大きめな体格をかうような意味で「貫禄がある」などと使ったりもしますので、使い方や使う相手には注意してくださいね。

また、「貫禄」は「貫録」と漢字表記する場合もあります。一般的には「貫禄」が使われることが多いでしょう。

「貫禄」の語源は?

次に「貫禄」の語源を確認しておきましょう。「貫禄」は、武士が持っている財産の多さを表す言葉でした。

「貫」とは、日本の中世時代の田畑に用いた単位です。また、「禄」とは、簡単に言えば武士の給料のことを指しました。つまり「貫禄」とは、武士が所有している土地の大きさや収穫高に給与を合わせた物…、総財産というわけです。したがって「貫禄がある」と言うのは、持っている財産が多く、武士としての地位が高い人である、と言うことですね。そして、この意味が転じて、堂々としていて威厳のある、と言う意味で使われるようになったのです。

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