1.「わざわざこのような贈り物をしていただきまして、痛み入る思いです」
2.「お心遣い痛み入ります」
3.「ご厚情痛み入ります」
例文1は、相手からの贈り物に対し、自分にはもったいないくらい、ありがたいという気持ちを表しています。「痛み入る」には謙遜の意味合いが含まれているので、礼儀正しい、丁寧な印象です。
例文2は、相手からの心遣いに対し、自分にはもったいないくらい、ありがたいという気持ちを表しています。例文1.と同じ意味です。ビジネスシーンでは「痛み入る」は「痛み入ります」と、丁寧語の「ます」が付いた形で使う場合が、ほとんどでしょう。
例文3.で使われている「厚情(こうじょう)」とは「手厚い情け」という意味になります。こちらも例文2.と同様、相手からの心遣いに対し、自分にはもったいないくらい、ありがたいという気持ちを示す表現です。「ご厚情」には、感謝しながらも相手の気遣いが申し訳なく、恐縮してしまうような意味合いが含まれています。
「痛み入る」を使う際の注意点
「痛み入る」は上司や取引先など、目上の人に対し、使われる言葉です。友人など、親しい仲の人には使わない言葉なので、注意しましょう。
また「痛み入る」は、相手にとって負担になっているのではないかと、思うほどの気遣いを、受けた時に使います。頻繁に用いる表現ではないことに留意しましょう。
加えて「痛み入る」は少し古い表現です。若い世代には、馴染みがない言葉なので、伝わらない場合もあります。使用する際は、相手の年代にも気を使いましょう。
「痛み入ります」と言われたら?
自分が「痛み入ります」などと言われた場合は、どう返すのが良いでしょうか?
自分も謙遜する気持ちを伝えたいときは「滅相もありません」、普段から相手にお世話になっているときは「こちらこそ、ありがとうございます」が良いでしょう。
また、自分のしたことが役に立った場合は「お役に立ててよかったです」などが適切です。
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