この記事では「彷徨」について解説する。

端的に言えば、彷徨の意味は「目当てもなく、さまよい歩くこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライターとして20年もの経験を持つトラコを呼んです。一緒に「彷徨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「彷徨」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「彷徨」の意味、語源・使い方を見ていきます。辞書・国語辞典・事典などを使って、調べてみましょう。

「彷徨」の意味は?

まず、「彷徨」には、次のような意味があります。

[名](スル)当てもなく歩き回ること。さまようこと。「晩秋の野を―する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ほう-こう【彷徨】」

彷徨は「ほうこう」と読みます。意味は、当てもなくさまよい歩くことです。

小説家の梶井基次郎をはじめ、「彷徨」がタイトルの文学作品がいくつかあります。

「彷」「徨」のいずれの漢字も、漢検1級レベルです。「彷徨(さまよ)う」という言葉があるのも、覚えておきましょう。

「彷徨」の語源は?

次に、「彷徨」の語源を確認しておきます。

彷徨の語源は、はっきりしていません。ただ、「彷」は、さまよう、あてもなく歩くといった意味のほか、にかよう、はっきりしないという意味もあります。「徨」はというと、同じようにさまよう、あてもなく歩く意味です。

つまり、「当てもなく、さまよい歩く」ことの同じ意味が組み合わさった言葉なので、その意味や気持ちがより強調された言葉の意味となっています。

\次のページで「「彷徨」の使い方・例文」を解説!/

「彷徨」の使い方・例文

彷徨」の主な使い方を、例文を使って見ていきましょう。

1.最近、得体の知れない砂漠の中を彷徨し始めた。
2.若かりし頃、なんの当てもなく、日本の都会をひたすら彷徨していた。
3.海外へ視察に行き、今日は限りなく広い遺跡の間を彷徨している。
4.長い間ずっと、領海内にある地下海底の中を彷徨う生物を探査していた。

例文1は、目的地がはっきりしない、目に見えるものもはっきりしない中で、さまよって歩いている様子が目に浮かびます。例文2も、なんの当てもなくさまよい歩いているという、まさに彷徨が持つ意味として使われているのがわかるでしょう。

例文3は、目的はあるものの、その目的を凌駕するほど広大な遺跡に立ち、歩き始めたもののさまよってしまったというニュアンスが読み取れます。そして、例文4も、当てもなくさまようという意味であり、「彷徨う」として使われる典型的な文章です。

「彷徨」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

次に、「彷徨」の類義語やその違いについて、調べてみましょう。彷徨の類義語として、「転々」「流浪」「漂泊」「徘徊」などがあります。

それぞれの意味について、見ていきましょう。

その1「転々」

転々は、彷徨と同じく「あてもなく、さまよい歩く」という意味があります。それに加えて、「頻繁に移り変わるさま」「ころころ変わる」「安定しない」という意味があるのも、覚えておきましょう。

例えば、「海外旅行で、滞在先のホテルを転々とする」などとして使われます。

\次のページで「その2「流浪」」を解説!/

その2「流浪」

流浪も、彷徨の類義語です。特に明確な目的もなく、複数の場所の間を移動するという意味があります。

特に、住むところを定めず、さまよい歩く、という意味があり、その「住むところを定めず」という意味が、彷徨と微妙に異なる点です。「流浪の民」「諸国を流浪する」といった使い方をします。

その3「漂泊」

漂泊には2つの意味があります。1つが、彷徨と同じ、ところを定めずさまよい歩く、さすらうことです。

そして、漂泊のもう1つの意味が、流れ漂うこと。「小舟が漂泊する」といった使い方をします。2つの意味があるのを、覚えておきましょう。

ひょうはくで漢字変換した時、漂白という誤字にも注意が必要です。

その4「徘徊」

徘徊も、彷徨の類義語の1つです。意味は、当てもなく、うろうろと歩き回ること。うろうろ、という部分が、彷徨とやや意味が異なる部分と言えます。

例を挙げると、「街中を徘徊する」といった使い方です。深夜徘徊、徘徊老人といった言葉もあります。

「彷徨」の対義語は?

「彷徨」の対義語も、調べておきましょう。

彷徨に、はっきりとした対義語はありませんが、「土着」「定住」などが、彷徨が持つ意味に対する言葉と言えます。

「土着」

土着とは、その土地に固有のもの、その土地に古くから住みついていることなどの意味があります。

当てもなく、さまよい歩くという意味の彷徨というより、定職や決まった宿などがない浮浪に対する言葉です。定住も、同様と言えます。ただ、じっとして動かないという意味で、彷徨とは対照的と言えるでしょう。

「彷徨」の英訳は?

image by iStockphoto

さらに、「彷徨」の英訳を見てみましょう。彷徨を英語に訳した単語は、wanderingroamingなどです。

\次のページで「その1「wandering」」を解説!/

その1「wandering」

「wandering」は、彷徨という意味です。動詞の彷徨するは「wander」となります。複数形は「wanderings」です。

例文を見てみましょう。熟語として覚えるのがおすすめです。

・wander around the city

都市を彷徨する

・a wandering nature

放浪癖

・a wandering priest

虚無僧

・wandering tribes

流浪の民

その2「roaming」

「roaming」も、彷徨をはじめ、当てもなく歩き回る、放浪するといった意味を持ちます。動詞は「roam」で、英検準1級レベルのやや難しい英単語です。

カタカナで「ローミング」と言うと、海外旅行での通信で知られます。ネットワークの情報接続サービスで、契約区域外からの利用が、コンピューター用語でローミングです。国際ローミングという言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。

それでは、例文を見てみましょう。

・He was roaming in the dark forests all through the night.

彼は一晩中、暗い森林を彷徨った(彷徨した)

・international (global) roaming

国際ローミング

・Where have you been roaming?

いったいどこを彷徨っていたんだ?

「彷徨」を使いこなそう

この記事では、「彷徨」の意味・使い方・類語などを説明しました。

彷徨の意味は、ずはり「当てもなく、さまよい歩く」ということに尽きます。類語も、英訳も同様です。

彷徨う、という言葉と読み方も、一緒にぜひ覚えておきましょう。

" /> 「彷徨」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「彷徨」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「彷徨」について解説する。

端的に言えば、彷徨の意味は「目当てもなく、さまよい歩くこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライターとして20年もの経験を持つトラコを呼んです。一緒に「彷徨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「彷徨」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速、「彷徨」の意味、語源・使い方を見ていきます。辞書・国語辞典・事典などを使って、調べてみましょう。

「彷徨」の意味は?

まず、「彷徨」には、次のような意味があります。

[名](スル)当てもなく歩き回ること。さまようこと。「晩秋の野を―する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ほう-こう【彷徨】」

彷徨は「ほうこう」と読みます。意味は、当てもなくさまよい歩くことです。

小説家の梶井基次郎をはじめ、「彷徨」がタイトルの文学作品がいくつかあります。

「彷」「徨」のいずれの漢字も、漢検1級レベルです。「彷徨(さまよ)う」という言葉があるのも、覚えておきましょう。

「彷徨」の語源は?

次に、「彷徨」の語源を確認しておきます。

彷徨の語源は、はっきりしていません。ただ、「彷」は、さまよう、あてもなく歩くといった意味のほか、にかよう、はっきりしないという意味もあります。「徨」はというと、同じようにさまよう、あてもなく歩く意味です。

つまり、「当てもなく、さまよい歩く」ことの同じ意味が組み合わさった言葉なので、その意味や気持ちがより強調された言葉の意味となっています。

\次のページで「「彷徨」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: