国語言葉の意味

「八紘一宇」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「八紘一宇」について解説する。

端的に言えば八紘一宇の意味は「世界を一つの家のようにすること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語検定一級を持ち、文学部に所属する現役大学生ライターである文学少女を呼んだ。一緒に「八紘一宇」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/文学少女

文学部で学んでいる読書好きの現役大学生。大学のみならず、日々の読書や日本語検定・漢字検定などで学んだ知識を活かして、種々の言葉を丁寧に解説する。

「八紘一宇」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

日本史の教科書上で重要単語として目にしたことがある人も少なくないのではないかと思います。もしくは、度々政治家の発言に登場し議論を呼んでいるためそちらの印象が強い人もいるかもしれません。この語の重要性やそうした議論の意味を知るには、まずこの語の様々な(特に歴史的な)側面についてよく知る必要があります。それでは早速「八紘一宇」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「八紘一宇」の意味は?

「八紘一宇」は「はっこういちう」と読み、次のような意味があります。

地の果てまでを一つの家のように統一して支配すること。「日本書紀‐神武即位前己未年三月」の「兼六合以開都、掩八紘而為宇」に基づくもので、元来は国の内を一つにする意であったが、太平洋戦争期、海外進出の口実ともなった。

出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「八紘一宇」

辞書の「全世界を一つの家に」というのは「一つ屋根の下の家族のように手を取り合う」といったイメージで捉えると良いでしょう。本来は天の下での平等や協調を示す意でしたが、天皇を世界の中心とする世界観と合体することで、太平洋戦争以降の戦時下においては侵略戦争を正当化するスローガンとして機能していました。そのため、第二次世界大戦後にはGHQによりこの語は使用を禁じられています。

現在における評価としては、「この語自体は侵略思想ではなく人道の普遍的思想を示すに過ぎない」というものから「『平和のためにつくった』ことにすることで、日本が侵略戦争に積極的だったという事実から逃げている」というものまで様々です。

「八紘一宇」の語源は?

次に「八紘一宇」の語源を確認しておきましょう。日本書紀の中に登場する神武天皇の神勅に「六合を兼ねてもって都を開き、八紘(あめのした)をおおいて宇(いえ)と為(せ)んこと、またよからずや」というものがあります。この「八紘為宇」を基に、大正期に日蓮主義者の田中智學が道徳指針として造ったのが「八紘一宇」です。これが、第二次近衛内閣の基本国策要綱という公式文書で「皇国の国是は八紘を一宇とする肇国の大精神に基づく」と引かれたことにより、爆発的に広まりました。「八紘」は本来「天地を結ぶ八本の綱(八方位)」を表すところから転じ、「世界」を表しています。一方「一宇」は「一つの家の屋根」のことです。

\次のページで「「八紘一宇」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: