この記事では「恒常」について解説する。

端的に言えば恒常の意味は「常に変わらないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「恒常」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしている。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。冬はコタツ、夏はクーラーの効いた部屋が大好きなインドア派。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「恒常」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「恒常」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。難しい言葉ですが、使えるようになると表現の幅が広がる言葉です。

「恒常」の意味は?

「恒常」には、次のような意味があります。

1.[名・形動]一定していて変わらないこと。また、そのさま。「温度を恒常に保つ」「恒常的」「恒常心」

出典:goo辞書「恒常」

「恒常」は「こうじょう」と読み、「一定して変わらないこと」という意味を持ちます。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。「恒常」は「その状態が変化することなく、ずっと続く」という意味ですが、日常では「変わらずに」などの言葉が使われることが一般的で、私たちにも馴染みが深いです。「恒常」はビジネスシーンでは使われることのある言葉となります。


恒常は「恒常性(ホメオスタシス)」という使われ方もあり、「恒常性」とは生物の体内環境(内部環境)を一定に保とうとする性質のことです。

「恒常」の語源は?

次に「恒常」の語源を確認しておきましょう。「恒常」は「恒」と「常」の2つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「恒」には「いつも変わらない」という意味があり、「常」には「いつも同じで変わりがない」「ひごろ」「いつも」「つね」「つねに」という意味があります。2つの「変わりがない」という似ている意味を持つ漢字が並び、意味を強調するような言葉になってることが分かりますね。

\次のページで「「恒常」の使い方・例文」を解説!/

「恒常」の使い方・例文

「恒常」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.この通りは渋滞が恒常的に発生している

2.食糧問題という恒常的な課題に対して、頻繁に話し合う必要がある

3.生体には体内環境を一定に保とうとする性質、恒常性が存在する

「恒常」を利用する際のポイントは「恒常的な〇〇」や「恒常的に〇〇している」と利用されることが一般的である点です。「恒常的な〇〇」とは、「恒常的」と具体的な状態を表す言葉を組み合わせて利用します。例えば「恒常的な人手不足」や「恒常的な交通渋滞」などと利用できますね。「恒常的に〇〇している」は「恒常的」と具体的な動作を組み合わせて、「一定の期間変わらず〇〇である」という表現ができる言い回しです。例えば「恒常的に不正が行われた」「恒常的に良い成績を納めている」などと利用できます。

「恒常」の類義語は?違いは?

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「恒常」の類義語には「持続」「恒久」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

その1「持続」

「持続」は「じぞく」と読み、「長く続くこと」「もち続けること」という意味を持ちます。「手に握ってもつ」「もちこたえる身につける」という意味を持つ「持」という漢字と、「糸が切れないようにつなぐ」「つぐ」「つづける」「つづく」という意味を持つ「続」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。「恒常」との違いは、「恒常」は「人手不足などネガティブな文脈でも利用できる」ことに対し、「持続」は「成長などポジティブな場合に利用される」言葉です。混同しないよう、気をつけて利用しましょう。

\次のページで「その2「恒久」」を解説!/

その2「恒久」

「恒久」は「こうきゅう」と読み、「永く変わらないこと」という意味を持ちます。「いつも変わらない」という意味を持つ「恒」という漢字と、「時間的に長い・長い間そのままにしてある」という意味を持つ「久」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。


「恒久」は「恒久的」「恒久化」「恒久対応」などが言い回してとしてよく使われます。下記の例文で確認しておきましょう。

1.商品やサービスの改善を持続的に行い、ここまでの人気商品に押し上げた

2.システムトラブルでは、まず暫定対応で復旧させてから、トラブル発生の原因究明と対策を講じる恒久対応をとる

3.暫定的に行われていたリモートワークを恒久的に導入する企業が増えている

「恒常」の対義語は?

「恒常」の対義語には「一時的」「暫定」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

その1「一時的」

「一時的」は「いちじてき」と読み、「わずかの間」「しばらくの間」という意味を持ちます。長くは続かないことを表し、また一時的の長さには定義がなく、たった一秒のこともあれば、一年のこともあるでしょう。「恒常」が「常に変わらないこと」であることに対し、「一時的」は「しばらくの間の状態」を意味するので、対義語として数えられることが分かりますね。

その2「暫定」

「暫定」は「ざんてい」と読み、「現状での仮の決定」という意味を持ちます。わずかの間」「暫く」という意味を持つ「暫」という漢字と、「定める」「物事を決めて変えない」という意味を持つ「定」という漢字から成り立っており、そこから「しばらくの間、物事を変えない」つまり「現状での仮の決定」という意味に転じました。「恒常」が「一定して変わらないこと」であることにに対し、「暫定」は「未来に変わる可能性がある物事」を意味するので、対義語として数えられます。

「恒常」の英訳は?

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次に「恒常」の英訳を見てきましょう。

\次のページで「「Permanent」」を解説!/

「Permanent」

「恒常」の英訳は「Permanent」という英語で「パーマネント」と読みます。「Permanent」は「永久の」を意味する英単語の形容詞です。「永久の」という英語には「forever」が有名ですが、「permanent」とはニュアンスが少し異なります。foreverは「時間」に関わり、どれだけ時間が経っても変わらない、ずっと続くというニュアンスで、一方、permanentは「状態」に関わるニュアンスです。

1.I believe that true love lasts forever
(私は、本物の愛が永久だと信じている)

2.I have permanent resident status in Canada
(私はカナダの永住権を持っている)

「恒常」を使いこなそう

この記事では「恒常」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「恒常」は、「一定して変わらないこと」という意味であることが分かりましたね。類義語である「持続」との使い方やニュアンスの違いをしっかりと理解して利用しましょう。

努力というのは、少ししただけでは何も変わりません。恒常的に努力することで、道が開けてくるのですね。

" /> 「恒常」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「恒常」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「恒常」について解説する。

端的に言えば恒常の意味は「常に変わらないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「恒常」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしている。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。冬はコタツ、夏はクーラーの効いた部屋が大好きなインドア派。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「恒常」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「恒常」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。難しい言葉ですが、使えるようになると表現の幅が広がる言葉です。

「恒常」の意味は?

「恒常」には、次のような意味があります。

1.[名・形動]一定していて変わらないこと。また、そのさま。「温度を恒常に保つ」「恒常的」「恒常心」

出典:goo辞書「恒常」

「恒常」は「こうじょう」と読み、「一定して変わらないこと」という意味を持ちます。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。「恒常」は「その状態が変化することなく、ずっと続く」という意味ですが、日常では「変わらずに」などの言葉が使われることが一般的で、私たちにも馴染みが深いです。「恒常」はビジネスシーンでは使われることのある言葉となります。


恒常は「恒常性(ホメオスタシス)」という使われ方もあり、「恒常性」とは生物の体内環境(内部環境)を一定に保とうとする性質のことです。

「恒常」の語源は?

次に「恒常」の語源を確認しておきましょう。「恒常」は「恒」と「常」の2つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「恒」には「いつも変わらない」という意味があり、「常」には「いつも同じで変わりがない」「ひごろ」「いつも」「つね」「つねに」という意味があります。2つの「変わりがない」という似ている意味を持つ漢字が並び、意味を強調するような言葉になってることが分かりますね。

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