この記事では「鋭意」について解説する。

端的に言えば鋭意の意味は「一生懸命」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広報担当者としての経験を持つライター「井上 樹」を呼んです。一緒に「鋭意」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/井上 樹

“広報担当者”としての顔を併せ持つライター。「単語の意味レベルでも、誤った情報は発信しない」をモットーにしている。今回は「鋭意」について分かりやすく解説していく。

「鋭意」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鋭意」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鋭意」の意味は?

「鋭意」には、次のような意味があります。

気持ちを集中して励むこと。専心。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鋭意」

「鋭意」は「えいい」と読み、ビジネスシーンなどでよく使われる言葉です。冒頭で桜木さんが説明したように、「一生懸命」という意味を持ち、かつポジティブな気持ちで一生懸命取り組むというニュアンスがあります。

例えば「努力します」だけだと、ネガティブな気持ちを持ったまま発言している可能性を捨てきれません。しかし「鋭意努力します」と言うことで前向きな気持ちを伝えることができるので、相手に安心してもらえるという効果があるわけですね。

「鋭意」の具体的な使い方は、後で例文を紹介します。

「鋭意」の語源は?

次に「鋭意」の語源を確認しておきましょう。

使われている漢字を見てみると、「するどい・先がとがっている」または「強い・勢いがある」という意味を持つ「鋭」、そして「こころ・気持ち」などの意味を持つ「意」で出来た形になっています。

この2つの言葉が合わさったことで「鋭意」は物事に集中して取り組むという前向きな気持ちを表す言葉になりました。

「鋭意」の使い方・例文

先ほど「ビジネスシーンなどでよく使われる」と紹介しましたが、実際にはどんな使われ方をするのでしょうか。以下の例文を見ながら、「鋭意」の使い方を理解していきましょう。

\次のページで「「鋭意」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.新しいプロジェクトの成功に向けて、鋭意努力する所存です。

2.ご期待に添えられるよう、鋭意邁進いたします。

3.ご指示いただいた資料については、現在鋭意作成中のため今しばらくお待ちくださいませ。

例文1の「鋭意努力します」は、「一生懸命努力します」という意味です。先ほども説明したように、鋭意にはポジティブなニュアンスがあるので、相手に安心感を持ってもらうことができます。

例文2の「邁進」は、「まっしぐらに突き進む」という意味を持つ言葉です。上司から「期待しているよ」などの言葉を掛けられたときに「鋭意邁進いたします」と答えることで、「期待に応えられるように成長します」という前向きな想いを伝えることができます。

例文3の「鋭意作成中」は、「まさに現在作成中である」という意味を表す表現です。企画書の進捗を聞かれたときなどに「今一生懸命作っているところです」と伝える場合に「現在、鋭意作成中でございます」などのように用いると良いでしょう。

「鋭意」の類義語は?違いは?

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さきほどの例文のように、前向きな気持ちを表す際によく使われる鋭意。類義語にはどんな言葉があるのでしょうか。一緒に確認していきましょう。

その1「熱心」

「熱心」の意味は「ある物事に深く心を打ち込むこと」です。物事に真剣に取り組む姿勢に対して使われます。鋭意に比べると少しくだけた表現になるので、上司や目上の人に対して使うのは好ましくありません。場面に応じて使い分けましょう。

彼はどんな時でも、熱心に練習に打ち込んでいた。

その2「専心」

「専心」の意味は、「心を一つのことにだけ集中すること」です。「専念する」に置き換えると、意味がわかりやすくなりますよ。

\次のページで「その3「懸命」」を解説!/

試験日が決まったので、それまでは学問に専心しよう。

その3「懸命」

「懸命」は「力のかぎり努めるさま」という意味です。全力を尽くすということを表現している言葉で、「精一杯」と言い換えると意味がわかりやすくなりますね。

どんなときでも懸命に働く先輩の姿を見て、大きな影響を受けた。

その4「真摯」

「真摯」の意味は「まじめで熱心なこと」です。「ひたむきな」「一生懸命に」という意味合いがあり、鋭意と同じように物事に前向きに取り組むというニュアンスがあります。

頂いたご意見を真摯に受け止め、今後の改善に活かしてまいります。

「鋭意」の対義語は?

結論から言うと、鋭意には決まった対義語がありません。

しいて言うなら「気持ちが散漫している」という意味を表すような「ぼーっとする」、「だらしない」などで表現することができます。

「鋭意」の英訳は?

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最後に、鋭意を英訳するとどんな表現になるのかをご紹介しますね。

\次のページで「その1「earnestly」」を解説!/

その1「earnestly」

英単語の「earnestly」には「まじめに、真剣に」という意味があり、今回の鋭意と同じような「一生懸命」というニュアンスを表現することができます。

その2「do my best」

「do my best」も鋭意を表現できる英訳です。「I'll do my best for~」という形で「~に対して鋭意努力する」という意味になります。

最後に、それぞれの英語の例文を一つずつご紹介して、今回の鋭意についての解説を終わりますね。

I am earnestly creating documents for the meeting today.
(今日の会議用の資料は、鋭意作成中です。)

I’ll do my best for succeeding the project.
(その計画が成功するよう、鋭意努力します。)

「鋭意」を使いこなそう

この記事では「鋭意」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ビジネスシーンにおいては、「頑張ります」という言葉だけでは、相手に不安が残ってしまう場合があります。そんな時は「鋭意」を使うと“一生懸命取り組む”という熱意を伝えることができますよ。取引や商談などで相手に安心してもらいたいときなど、場面に応じて「鋭意」を使いこなしましょう。

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国語言葉の意味

「鋭意」の意味や使い方は?例文や類語を広報担当者ライターがわかりやすく解説!

この記事では「鋭意」について解説する。

端的に言えば鋭意の意味は「一生懸命」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広報担当者としての経験を持つライター「井上 樹」を呼んです。一緒に「鋭意」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/井上 樹

“広報担当者”としての顔を併せ持つライター。「単語の意味レベルでも、誤った情報は発信しない」をモットーにしている。今回は「鋭意」について分かりやすく解説していく。

「鋭意」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鋭意」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鋭意」の意味は?

「鋭意」には、次のような意味があります。

気持ちを集中して励むこと。専心。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鋭意」

「鋭意」は「えいい」と読み、ビジネスシーンなどでよく使われる言葉です。冒頭で桜木さんが説明したように、「一生懸命」という意味を持ち、かつポジティブな気持ちで一生懸命取り組むというニュアンスがあります。

例えば「努力します」だけだと、ネガティブな気持ちを持ったまま発言している可能性を捨てきれません。しかし「鋭意努力します」と言うことで前向きな気持ちを伝えることができるので、相手に安心してもらえるという効果があるわけですね。

「鋭意」の具体的な使い方は、後で例文を紹介します。

「鋭意」の語源は?

次に「鋭意」の語源を確認しておきましょう。

使われている漢字を見てみると、「するどい・先がとがっている」または「強い・勢いがある」という意味を持つ「鋭」、そして「こころ・気持ち」などの意味を持つ「意」で出来た形になっています。

この2つの言葉が合わさったことで「鋭意」は物事に集中して取り組むという前向きな気持ちを表す言葉になりました。

「鋭意」の使い方・例文

先ほど「ビジネスシーンなどでよく使われる」と紹介しましたが、実際にはどんな使われ方をするのでしょうか。以下の例文を見ながら、「鋭意」の使い方を理解していきましょう。

\次のページで「「鋭意」の類義語は?違いは?」を解説!/

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