その2「必然」
「必ずそうなること」という意味を持つ、「必然」には、どちらかと言えばポジティブな状況になることが避けられないことを指す際に使います。「必至」のようなネガティブさは薄い言葉です。とはいえ、ネガティブな状況に対して使えないわけではありません。「運命」や「必要不可欠」といった意味合いでも使える言葉です。
また、対義語として「偶然」となります。「必至」との違いで言えば、どちらの表現も「そうなることが避けられない状況」に対して、予め想定があるわけではないケースにも使えることです。
幼馴染の二人が結婚した。5歳での出会いは必然だったのだ。
会社内で異動があり、先輩がグループから離れたことで、私は必然的にリーダーになった。
その3「不可避」
こちらも「避けることができないこと」を意味する、「不可避」どちらかと言えば、「必至」と同様に「避けられない状況」に対して、ネガティブな意味合いにとらえている時に使われる表現だと覚えておきましょう。時々、SNS上で使われることもあり「草不可避」「ニヤニヤ不可避」のように、本来の意味から離れて、前の言葉を強調するような意味でも使われています。
採決は時期尚早だと野党が反発したものの、与党がそれを退けたことで国内の分断は不可避となった。
普段仕事してない部長が、テンパりまくる姿は草不可避だわ。
「必至」の対義語は?
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「必至」という言葉の意味からすれば、「必ずそうならないこと、またはそのさま」という意味や「将棋のおいて、どう受けようが負けることのない一手」という意味を持つ言葉が、対義語として挙げることができます。「偶然」や「詰めろ」はそれに近い言葉ではありますが、対義語として挙げるまでには至らないのです。
なぜなら「偶然」には、「必ずそうなること」が想定された中で別の事象が起こること以外の事象に対しても使えますし、「詰めろ」についても、どう受けてもいいわけではなく、適切に受けることが求められます。よって、対義語として挙げられる言葉はないのです。
類義語として紹介した「必然」については、「偶然」が対義語になります。必然には「避けられない状況」が起こった後に、それに対して、「避けられなかった」ことを裏打ちする意味が強いので、同様に「避けられない状況」を特定していない偶然が対義語となるのです。
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