この記事では「果断」について解説する。
端的に言えば、果断の意味は「決断力があること」です。なぜ「果」と「断」で「決断力がある」という意味になるのか知っているか?「果断」を使った四字熟語もあるから一緒に見ていこう。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「果断」の意味をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「果断」の意味・使い方

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さっそく「果断」の意味をチェックし、例文で使い方を見ていきましょう。

「果断」の意味

まず、国語辞典で「果断」の意味をチェックしましょう。

物事を思いきって行うこと。決断力のあること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「果断」

「果断」「物事を思い切って行うこと」「決断力のあること」という意味です。果実の「果」と断面の「断」で、なぜこのような意味になるかは、漢字の意味を調べてみればわかりますよ。

か【果】
[音]カ(クヮ)(呉)(漢) [訓]はたす はてる はて
1 木の実。
2 原因があって生じるもの。
3 仏教の悟りの境地。
4 思い切ってする。
5 予想どおり。はたして。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「果」

だん【断】
[音]ダン(呉) [訓]たつ ことわる
1 たち切る。切り分ける。
2 とぎれる。物事をやめる。
3 きっぱりと決める。
4 思いきって。
5 ことわる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「断」

「果」の4番目を見ると「思い切ってする」とあります。また「断」の3番目を見ると「きっぱりと決める」とありますね。「果断」は「思い切ってきっぱりと決めること」なので「物事を思いきって行うこと」「決断力のあること」という意味になるのです。

\次のページで「「果断」の使い方」を解説!/

「果断」の使い方

例文で「果断」の使い方を見ていきましょう。

1.社員たちの果断に富んだ仕事のやり方が功を奏し、そのベンチャー企業の業績は順調に伸びていた。
2.市長の果断な対応によって、多くの市民の命が救われた。

最初の例文は、社員たちが失敗を恐れず仕事の決断をしたことで、会社の業績が良くなっていったという意味です。「果断」はよく「果断に富む」「果断に富んだ」のように「富む」という言葉と一緒に使うことが多いですね。

2番目の例文は、市長が思い切った対応をしたことで、多くの市民が助かったという意味ですよ。対応が後手にまわると被害が大きくなりがちです。速やかに果断な行動をとりたいものですね。

「果断」を使った四字熟語

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「果断」という言葉を使った四字熟語がありますので、見てみましょう。

「剛毅果断(ごうきかだん)」:意志が強く、思い切って物事を行う

「剛毅」は「意志が強く、くじけない」「気力にあふれて容易に屈しない」という意味です。「剛毅な性格」などといいますね。「剛毅果断」「意志が強く、思い切って物事を行う」という意味です。

「迅速果断(じんそくかだん)」:すばやく決断し実行する

「迅速」の「迅」も「速」も「速度が速い」という意味で、「迅速」は「物事の進み具合や行動が極めて速い」という意味です。「迅速」と「果断」が結びついて、「迅速果断」「物事を速やかに決めて行う」「すばやく決断し実行する」という意味ですよ。

\次のページで「「果断」の類義語」を解説!/

「果断」の類義語

「果断」と同じような意味あいの言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。「果」や「断」を使った言葉が出てきますよ。

「英断(えいだん)」:すぐれた決断

「英」には「すぐれる」「ひいでる」という意味があります。すぐれた才能の持ち主を「英才」、すぐれている大人物のことを「英傑」といいますね。「断」は「果断」と同じように「きっぱりと決めること」です。「英断」「すぐれた決断」「思い切ってきっぱり事を決める」という意味ですよ。

「敢然(かんぜん)」:思い切って行動する

「敢」という字には「思い切って」「困難や障害を押し切って行動を起こす」という意味があります。「勇敢」は「勇気があり、困難や危険を恐れないこと」、「敢闘(かんとう)」は「勇敢に戦うこと」ですね。「敢然」「困難や危険が伴うことは承知のうえで、思い切って行動する」という意味です。よく「敢然として難局に立ち向かう」というフレーズで使われていますよ。

「果敢(かかん)」:決断力に富んでいる

「果敢」「決断力に富んでいる」「思い切って物事を行うこと」という意味です。「果敢に挑戦する」という言葉を聞いたことがあるでしょう。「果敢」を使った四字熟語に「勇猛果敢」があります。「勇猛」は「勇気があって何物も恐れないこと」なので、「勇猛果敢」は「何物も恐れずに思い切って物事を行うこと」という意味ですよ。

「果断」の反対語

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「果断」と反対の意味あいの言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。

「優柔不断」:決断力が乏しい

「優柔」は「物事が煮え切らない」という意味があります。「不断」は「決断力に欠ける」という意味です。「優柔不断」「ぐずぐずして決断力が乏しい」という意味ですよ。「彼は慎重な性格だという人もいるが、ただ単に優柔不断なだけだ」という使い方をします。

\次のページで「「躊躇(ちゅうちょ)」:ためらう」を解説!/

「躊躇(ちゅうちょ)」:ためらう

「躊」も「躇」も「ためらう」「ぐずぐずする」という意味を持っています。「躊躇」「ためらうこと」「あれこれ迷って決心できないこと」という意味です。「出掛けようとしたが、空模様があやしいので躊躇している」といった使い方をします。

「果断」の英訳

次は英語で「果断」をどのように表現するか見ていきましょう。

「decisive」:決断力のある

「decisive」は「決断力のある」「果断な」という意味です。

He is a decisive leader.
彼は決断力のある指導者だ。

「decisive action」は「果断な行動」、「a decisive character」は「果断な性格」、「a decisive manner」は「断固とした態度」ですね。否定を意味する接頭辞の「in」をつけると「indecisive」で「decisive」の反対語になります。意味は「優柔不断の」「煮え切らない」です。

「果断」を使いこなそう!

この記事では、「果断」の意味を調べ、使い方や類義語などを解説しました。

「果」には「思い切ってする」「断」には「きっぱりと決める」という意味があります。「果断」は「思い切ってきっぱりと決めること」なので「物事を思い切って行うこと」「決断力のあること」という意味ですね。

「果断に富んだ」性格になりたいものですが、どちらかというと優柔不断という人のほうが多いのではないでしょうか。まずは文章の中で「果断」を使いこなせるようになってくださいね。

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国語言葉の意味

なぜ「果」と「断」?「果断」の意味・使い方・類義語などを日本放送作家協会会員が簡単にわかりやすく解説

この記事では「果断」について解説する。
端的に言えば、果断の意味は「決断力があること」です。なぜ「果」と「断」で「決断力がある」という意味になるのか知っているか?「果断」を使った四字熟語もあるから一緒に見ていこう。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「果断」の意味をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「果断」の意味・使い方

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さっそく「果断」の意味をチェックし、例文で使い方を見ていきましょう。

「果断」の意味

まず、国語辞典で「果断」の意味をチェックしましょう。

物事を思いきって行うこと。決断力のあること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「果断」

「果断」「物事を思い切って行うこと」「決断力のあること」という意味です。果実の「果」と断面の「断」で、なぜこのような意味になるかは、漢字の意味を調べてみればわかりますよ。

か【果】
[音]カ(クヮ)(呉)(漢) [訓]はたす はてる はて
1 木の実。
2 原因があって生じるもの。
3 仏教の悟りの境地。
4 思い切ってする。
5 予想どおり。はたして。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「果」

だん【断】
[音]ダン(呉) [訓]たつ ことわる
1 たち切る。切り分ける。
2 とぎれる。物事をやめる。
3 きっぱりと決める。
4 思いきって。
5 ことわる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「断」

「果」の4番目を見ると「思い切ってする」とあります。また「断」の3番目を見ると「きっぱりと決める」とありますね。「果断」は「思い切ってきっぱりと決めること」なので「物事を思いきって行うこと」「決断力のあること」という意味になるのです。

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