
その2「無筆」
「筆」という字は「文字を書くこと」や「書かれた文章」という意味があります。これに否定の「無」がついて「文字が書けないこと」となり「文盲」の類義語となりますね。「無筆なので写経しろといわれても困る」などと使われます。
「無筆」は最近ではほとんど使われることはない古典的な言葉であり、古典芸能に限って聞くことができるのです。「手紙無筆」という落語があります。これは、文字の読み書きができない人が文字の読み書きができない人に手紙の朗読を依頼するという笑い話です
その3「不文」
「文」という字は「文字や文章」の意味の他に「学問、教養、文化」といった意味もあるのです。これに打消しの「不」がついて、「文章に書かれていないことや文章が下手なこと」や「知的でなく教養のないこと」などを意味します。読み書きだけができない「文盲」に対して、もっと広い意味で使われていますね。たとえば「不文な生徒がいなくなるようにしっかり教育したい」などと使われます。
「文盲」の対義語は?
では、次に「文盲」の対義語を見てみましょう。
「識字」
「識字」とは、「文字の読み書きができる」ことになります。従って「文盲」の対義語です。「文盲」という言葉が差別的な印象があるため差別語・不快用語とされているため、マスコミで報道される時は「識字」や「識字者」といった言葉の方が使用されます。「この国は識字率が世界一高い」などと使われるのです。「識字」の対義語は「識字」に否定の接頭辞の「非」をつけて「非識字」となります。
「illiteracy」
英語で「文盲」は「illiteracy」です。「literacy」は「読み書きができること」の意味で、反意語を意味する接頭辞の「il」がついて「読み書きができないこと」すなわち「文盲」となります。形容詞は「iliterate」です。「He is illiterate adult.」(彼は文盲な成人だ)などと英会話で使われます。なお、「illiteracy」の類義となる単語は「ignorance」(無知)です。
ちなみに「illiteracy」を使った言い回しには以下のものがあります。
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