この記事では「文盲」について解説する。

端的に言えばモン「文盲」の意味は「文字の読み書きができないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

東京の大手企業に25年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「文盲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「文盲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「文盲」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「文盲」の意味は?

「文盲」には、次のような意味があります。

文字の読み書きができないこと。非識字。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「文盲」

「文盲」(もんんもう)とは、「読み書きができないこと」「読み書きのできない人のこと」です。現在の日本では「文盲」の人はほとんどいなくなりました。

最近では「文章の読解力がない人」のことを「文盲」と言ったりします。特にインターネット上で皮肉をこめて使われることが多いようです。

「盲」とは目が見えないことであり、差別的な印象を与えることから、表立って使わることはなくなりました。差別語や不快用語であるとマスコミがよく参照する記者ハンドブックなどには規定されています。

「文盲」の語源は?

次に「文盲」の語源を確認しておきましょう。

「文」という漢字は「文字や文章」の意味の他に「学問、教養、文化」といった意味もあります。「盲」とは「盲目」という意味です。従って、「文盲」とは「読み書きができないこと」や「読み書きができない人」のことを言うようになりました。

\次のページで「「文盲」の使い方・例文」を解説!/

「文盲」の使い方・例文

「文盲」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私はあの国で文盲を教育している。
2.あなたは文盲といえでも職人としての技術は素晴らしい。
3.我々は文盲のいない社会を目指している。

「文盲」とは「教育を受けていないために読み書きができない状態や人のこと」を言います。教育をうけていないことがその条件となるのです。1と3の例文は「文字を読んだり書いたりすることができない」の意味で、2の例文は「文字を読んだり書いたりすることができないこと」の意味になります。

従って教育は受けているけれども、特定の文字が読めない「学習障害」とは違うのです。「学習障害」のなかには字が読めないディスレクシアと呼ばれる「読字障害」と、字を書けないディスグラフィアと呼ばれる「書字表出障害」とがあります。これらは「文盲」とは区別されるのです。

「文盲」の類義語は?違いは?

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「文盲」の類義語について見てみましょう。

その1「非識字」

「識字」とは「文字を読んだり書いたりすることができること」で、「非識字」はその逆の意味になるのですなわち「文盲」と同じ意味になります。従って類義語と言えましょう。「文盲」が差別的な印象があるため差別語・不快用語と記者ハンドブックなどに記載されているので、マスコミで報道される時は「非識字」などといった使われ方になるのです。また、そういった人の割合のことを「非識字率」と言います。従って、反対に読み書きができる人の割合のことは「識字率」と言うのです。

\次のページで「その2「無筆」」を解説!/

その2「無筆」

「筆」という字は「文字を書くこと」「書かれた文章」という意味があります。これに否定の「無」がついて「文字が書けないこと」となり「文盲」の類義語となりますね。「無筆なので写経しろといわれても困る」などと使われます。

「無筆」は最近ではほとんど使われることはない古典的な言葉であり、古典芸能に限って聞くことができるのです。「手紙無筆」という落語があります。これは、文字の読み書きができない人が文字の読み書きができない人に手紙の朗読を依頼するという笑い話です

その3「不文」

「文」という字は「文字や文章」の意味の他に「学問、教養、文化」といった意味もあるのです。これに打消しの「不」がついて、「文章に書かれていないことや文章が下手なこと」「知的でなく教養のないこと」などを意味します。読み書きだけができない「文盲」に対して、もっと広い意味で使われていますね。たとえば「不文な生徒がいなくなるようにしっかり教育したい」などと使われます。

「文盲」の対義語は?

では、次に「文盲」の対義語を見てみましょう。

「識字」

「識字」とは、「文字の読み書きができる」ことになります。従って「文盲」の対義語です。「文盲」という言葉が差別的な印象があるため差別語・不快用語とされているため、マスコミで報道される時は「識字」や「識字者」といった言葉の方が使用されます。「この国は識字率が世界一高い」などと使われるのです。「識字」の対義語は「識字」に否定の接頭辞の「非」をつけて「非識字」となります。

「文盲」の英訳は?

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「文盲」の英訳は何と言うのででしょうか。

「illiteracy」

英語で「文盲」は「illiteracy」です。「literacy」「読み書きができること」の意味で、反意語を意味する接頭辞の「il」がついて「読み書きができないこと」すなわち「文盲」となります。形容詞は「iliterate」です。「He is illiterate adult.」(彼は文盲な成人だ)などと英会話で使われます。なお、「illiteracy」の類義となる単語は「ignorance」(無知)です。

ちなみに「illiteracy」を使った言い回しには以下のものがあります。

\次のページで「「文盲」を使いこなそう」を解説!/

computer illiteracy   コンピューター音痴

finanncially illiteracy  金融音痴

technologically illiteracy  テクノロジー音痴

「文盲」を使いこなそう

今回は「文盲」について勉強してきたました。

「文盲」は差別用語と感じる人もたくさんいるため、国際的な問題に関して使うような場合以外は、読み書きの能力のない人のことを言う場合は「文盲」を使わずに「非識字」とか「非識字者」という言葉を使った方が問題ないようですね。

また、たとえ「非識字」という言葉を使えば差別がなくなるという訳ではありません。差別意識があれば言葉はどうであれ、相手にとっては差別されたと感じる事でしょう。言葉は伝える人の気持ち次第でいつでも差別用語になり得るものです。常に偏見のない広い心を持って言葉を発するようにしたいものですね。

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国語言葉の意味

「文盲」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章に携わってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「文盲」について解説する。

端的に言えばモン「文盲」の意味は「文字の読み書きができないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

東京の大手企業に25年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「文盲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「文盲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「文盲」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「文盲」の意味は?

「文盲」には、次のような意味があります。

文字の読み書きができないこと。非識字。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「文盲」

「文盲」(もんんもう)とは、「読み書きができないこと」「読み書きのできない人のこと」です。現在の日本では「文盲」の人はほとんどいなくなりました。

最近では「文章の読解力がない人」のことを「文盲」と言ったりします。特にインターネット上で皮肉をこめて使われることが多いようです。

「盲」とは目が見えないことであり、差別的な印象を与えることから、表立って使わることはなくなりました。差別語や不快用語であるとマスコミがよく参照する記者ハンドブックなどには規定されています。

「文盲」の語源は?

次に「文盲」の語源を確認しておきましょう。

「文」という漢字は「文字や文章」の意味の他に「学問、教養、文化」といった意味もあります。「盲」とは「盲目」という意味です。従って、「文盲」とは「読み書きができないこと」や「読み書きができない人」のことを言うようになりました。

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