

端的に言えばいかんせんの意味は「どうしようもない」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広報担当者としての経験を持つライター「井上 樹」を呼んだ。一緒に「いかんせん」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/井上 樹
“広報担当者”としての顔を併せ持つライター。「単語の意味レベルでも、誤った情報は発信しない」をモットーにしている。今回は「いかんせん」について分かりやすく解説していく。
「いかんせん」の意味は?
「いかんせん」には、次のような意味があります。
1.どうしたらよかろうか。どうしようか。
2.いい方法が見いだせないことを表す。残念にも。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「如何せん(いかんせん)」
「いかんせん」は冒頭で桜木さんが説明したように、「どうしようもない」という意味を持つ言葉です。また、「いかんせん」には「いや、どうすることもできない」という反語のような意味合いがあり、諦めの気持ちを表すニュアンスがあります。「残念ながら」と言い換えると、意味がわかりやすくなりますよ。
ちなみに漢字では「如何せん」と書きますが、ほとんどの場合はひらがなで表記されます。日常会話、ビジネスシーン問わず、さまざまな場面でよく使われる言葉です。「いかんせん」の具体的な使い方は、後で例文を紹介しますね。
「いかんせん」の語源は?
次に「いかんせん」の語源を確認しておきましょう。
「いかんせん」は、古代中国における項羽と劉邦の間で行われた「楚漢戦争」を描いた物語に語源があります。戦いの結果、劉邦に追い詰められた項羽は負けを覚悟するのと同時に、絶世の美女と言われた自分の妻である虞美人が劉邦の妻にさせられてしまうことを嘆きました。その時に「虞や、汝を如何せん(虞よ、お前をどうしたらいいのだろうか)」と言った項羽の言葉から「いかんせん」という言葉が生まれたと考えられています。
「いかんせん」の使い方・例文
「いかんせん」は、実際にはどんな使われ方をするのでしょうか。以下の例文を見ながら、使い方を理解していきましょう。
\次のページで「「いかんせん」の類義語は?違いは?」を解説!/