この記事では「暫時」について解説する。

端的に言えば暫時の意味は「しばらくの間」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「暫時」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしている。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。冬はコタツ、夏はクーラーの効いた部屋が大好きなインドア派。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「暫時」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「暫時」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。難しい言葉ですが、使えるようになるとビジネスシーンでも表現の幅が広がる言葉です。

「暫時」の意味は?

「暫時」には、次のような意味があります。

1.少しの間。しばらく。副詞的にも用いる。「暫時の暇 (いとま) をいただきたい」「暫時休憩する」

出典:goo国語辞書「暫時」

「暫時」は「ざんじ」と読み、「暫くの間」という意味を持ちます。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。「暫時」は「少しの間・しばらく」という意味ですが、副詞的に用いることも可能です。「暫時休憩する」など、動詞を修飾するように利用可能ですので、積極的に使ってみましょう。


似ている読み方の言葉に「漸次(ぜんじ)」という言葉があります。この言葉も難しい漢字ですが、読み方や意味をおさえておきましょう。「漸次」は「徐々に」「だんだん」という意味を持つ言葉です。漸次の「漸」という漢字は、未来の目標へ一歩一歩進む様を表しており、目指す場所に到達するのは時間がかかる為、「ようやく」は「漸く」と書きます。混同しないように気をつけましょう。

「暫時」の語源は?

次に「暫時」の語源を確認しておきましょう。「暫時」は「暫」と「時」の2つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「暫」には「長くない時間」「わずかの時間」「しばらく」という意味があり、「時」には「月日のうつりゆき」「その間の区切り」「とき」という意味があります。そこから「しばらくの時」などから「少しの間」という意味に転じました。

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「暫時」の使い方・例文

「暫時」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今回の仕事が片付いたので、暫時休憩をいただきます

2.先生が怒った後、あなたは暫時教室は静かになった

3.私はランキングトップの人気のアーティストに会ってから、暫時動けなくなった

「暫時」を利用する際のポイントは「"しばらくの間"の捉え方」です。「しばらく」とは、短い時間を表すことも、少し長い時間を指すこともできます。その長さは、話者の意図によって異なり、飲食店で「しばらくお待ちください」と言われた場合は、それほど長い時間は想定しませんが、何年もあっていない親戚に「しばらく見ないうちに大きくなった」と言われた際の「しばらく」は何年かの年月を指してるので、大きな違いがあることが分かりますね。

上記のように、「しばらくの間」は状況により時間の長さには相当な揺れがありますが、何かの為の「それなりにまとまった長さの時間」と考えておきましょう。また、最もよく使われる「暫時休憩」は上司や目上の方に対しての場で使われるのが一般的です。

「暫時」の類義語は?違いは?

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「暫時」の類義語には「一寸」「鳥渡」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

「一寸」

「一寸」は「いっすん」「ちょっと」と読み、「ほんの少し」という意味を持ちます。一寸は“一尺”の十分の一、約3.03センチの長さのことを指し、その小ささから「ほんの少し」と比喩的な意味を持つようになりました。「ちょっと」は「鳥渡」と書くこともできます。同じ意味で同じ読み方ですが、こちらの漢字は読みの音から当てた当て字です。どちらも読めるようにしておくと良いでしょう。

\次のページで「「暫時」の対義語は?」を解説!/

1.ギャンブルは勝てば良いが、一寸先は闇だ

2.鳥渡の努力を頑張れないのが、私のダメなところだ

3.最新のサイトでダイエットの方法を確認したが、一寸の努力は必要なようだ

「暫時」の対義語は?

「暫時」の対義語には「悠久」「恒久」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

その1「悠久」

「悠久」は「ゆうきゅう」と読み、「久しい過去に始まって変わらず続くこと」という意味を持ちます。「遠く長くしてつきない」「気が長くてこせつかない」という意味を持つ「悠」という漢字と、「時間的に長い」「長い間そのままにしてある」という意味を持つ「久」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。「暫時」が「しばらくの間」であることにに対し、「悠久」は「変わらず長い時間続くこと」を意味するので、対義語として数えられることが分かりますね。

その2「恒久」

「恒久」は「こうきゅう」と読み、「永く変わらないこと」という意味を持ちます。「いつも変わらない」という意味を持つ「恒」という漢字と、「時間的に長い・長い間そのままにしてある」という意味を持つ「久」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。「暫時」が「しばらくの間」であることにに対し、「恒久」は「永遠に不変なこと」を意味するので、対義語として数えられることが分かりますね。


「恒久」は「恒久的」「恒久化」「恒久対応」などが言い回してとしてよく使われます。下記の例文で確認しておきましょう。

1.この森は、悠久の昔から変わらないらしい

2.暫定的に行われていたリモートワークを恒久的に導入する企業が増えているという情報を得た

3.システムトラブルでは、まず暫定対応で復旧させてから、トラブル発生の原因究明と対策を講じる恒久対応をとる

「暫時」の英訳は?

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「暫時」という意味の英単語はありません。「しばらく」という表現をしたいのであれば「for now」と「for the time being」という英語を使います。

\次のページで「「for the time being」」を解説!/

「for the time being」

「しばらく」は英語で「for the time being」と表現でき、「for」は「~の間」という意味、「for」と「time being(当面)の間」で「しばらくは」という意味となります。文頭、文末に置くことができ、文頭に使う場合はカンマ(,)で区切って使うのが一般的です。

1.I haven't been meeting him for the time being
(しばらく彼と会っていない)

2.Please wait for now
(しばらくお待ちください)

「暫時」を使いこなそう

この記事では「暫時」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「暫時」は、「しばらくの間」という意味であることが分かりましたね。類義語である「一寸」との使い方やニュアンスの違いをしっかりと理解して利用しましょう。

暫時は、あまり日常で使うことはないかもしれませんが、知っておくと語彙力が伸びるので学んでおいて損はないですね。

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国語言葉の意味

「暫時」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「暫時」の使い方・例文

「暫時」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今回の仕事が片付いたので、暫時休憩をいただきます

2.先生が怒った後、あなたは暫時教室は静かになった

3.私はランキングトップの人気のアーティストに会ってから、暫時動けなくなった

「暫時」を利用する際のポイントは「”しばらくの間”の捉え方」です。「しばらく」とは、短い時間を表すことも、少し長い時間を指すこともできます。その長さは、話者の意図によって異なり、飲食店で「しばらくお待ちください」と言われた場合は、それほど長い時間は想定しませんが、何年もあっていない親戚に「しばらく見ないうちに大きくなった」と言われた際の「しばらく」は何年かの年月を指してるので、大きな違いがあることが分かりますね。

上記のように、「しばらくの間」は状況により時間の長さには相当な揺れがありますが、何かの為の「それなりにまとまった長さの時間」と考えておきましょう。また、最もよく使われる「暫時休憩」は上司や目上の方に対しての場で使われるのが一般的です。

「暫時」の類義語は?違いは?

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「暫時」の類義語には「一寸」「鳥渡」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

「一寸」

「一寸」は「いっすん」「ちょっと」と読み、「ほんの少し」という意味を持ちます。一寸は“一尺”の十分の一、約3.03センチの長さのことを指し、その小ささから「ほんの少し」と比喩的な意味を持つようになりました。「ちょっと」は「鳥渡」と書くこともできます。同じ意味で同じ読み方ですが、こちらの漢字は読みの音から当てた当て字です。どちらも読めるようにしておくと良いでしょう。

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