この記事では「面の皮」について解説する。

端的に言えば面の皮の意味は「顔面の表皮」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「面の皮」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「若い頃よりも随分面の皮が厚くなった」と自覚するおばさんライターが面の皮について解説する。

「面の皮」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「面の皮」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「面の皮」の意味は?

「面の皮」には、次のような意味があります。

1.顔面の表皮。面皮。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「面の皮」

「面の皮」とは顔の表面の皮膚のことです。

「面の皮」はこの言葉だけで用いられることはありません。皮膚科を受診しても「ここの面の皮の湿疹は…」と言われることはありませんよね。「面の皮」という言葉は「面の皮」という単語だけでなく、他の単語と結び付いて日々の生活の中で使われます。

「面の皮」を使った慣用句

面の皮はどんな言葉と結び付いて、どんな用いられ方をするのでしょうか?

これから「面の皮」に関連する言葉をみていくことにしましょう。

\次のページで「1.「面の皮が厚い」」を解説!/

1.「面の皮が厚い」

「なんて面の皮が厚いんだろう」「随分面の皮が厚い人だね」

図々しい人間のことをこのように表現しますよね。

「面の皮」は「厚い」という形容詞と結びつけられ「面の皮が厚い」という慣用句として用いられます。「面の皮が厚い」は「恥知らず」「厚かましい」といった意味ですね。

2.「面の皮を剥ぐ」

「面の皮を剥ぐ」は「面の皮」と「剥ぐ」という動詞が結び付けられてできた言葉。

「面の皮」は顔の表面の皮のことでしたね。私たちが見ているのは他者の表面的な部分。その表面的な部分を剝がした時に見えてくるものはその人の本当の姿、正体、本性です。「面の皮が剝がれた」「面の皮を剝がされた」という形でも多く用いられます。

3.「面の皮が(の)千枚張り」

「面の皮が(の)千枚張り」とは「面の皮が千枚重ねられている」ということ、面の皮の厚さが人の千倍あるということです。「面の皮が厚い」といってもその厚さが人の千倍もあったなら…それは非常に厚かましくて、恥知らずということになりますね。

4.「いい面の皮」

「面の皮が厚い」「面の皮を剥ぐ」「面の皮が千枚張り」は他者に対して用いられる表現ですが、「いい面の皮」自分の状態を表す場合にも用いられる言葉です。割に合わないことに対して「迷惑だよ」と自嘲的に用いる言葉が「いい面の皮」なんですね。

他者に対して同情的な気持ちを表現したり、気に入らない相手をあざけったりする場合に用います。

「面の皮」の語源は?

次に「面の皮」の語源を確認しておきましょう。

「面の皮」の語源は不明ですが「面の皮が厚い」の語源は紀元前9~7世紀に記された中国最古の詩集「詩経」の中の「巧言くわうの如く、顔の厚きや」(言葉巧みに人をだますように、顔の皮の厚さで内面の悪さを隠す)。

日本の歴史の中で中国から伝来した「厚顔」という言葉が登場するのは平安時代です。その「厚顔」という言葉が後に「面の皮が厚い」という慣用句になるのですね。

「面の皮」の使い方・例文

「面の皮」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「面の皮」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.「あれだけ毎回先輩に説教されているのに、また遅刻するとは面の皮が厚い奴だよ」と同僚が彼の噂話をしているのを聞いた。

2.「部下の成果は横取りし、自分の失敗は部下に押し付ける。そんな上司の面の皮をいつか剝いでやる」とあなたは言った。

3.その新人芸人は知人に借金の相談を持ちかけたが、相談された相手は「この前に貸した分もまだ返してもらってないのにそんな金額を貸してくれとは…面の皮の千枚張りだね」と言って呆れ返った。

4.「あいつ…またわけがわからないほど酔っぱらってたから、その後の段取りは全部俺がやった…いい面の皮だよ」と彼は少し自嘲したように笑った。

「面の皮」という言葉だけを日常会話で用いることはありません。なので日常会話で用いられる「面の皮」という言葉を含んだ「面の皮が厚い」「面の皮を剝ぐ」「面の皮の千枚張り」「いい面の皮」を使った例文でみていきましょう。

例文1は「面の皮が厚い」、つまり「恥知らず」という意味を表したものです。「彼は遅刻をしては先輩に説教されているのにまた遅刻するとは恥知らずな人間だ」ということを「面の皮が厚い」という言葉で表しているのですね。

例文2は「いつかふてぶてしい上司の本性を暴いて、面目をつぶしてやる」という部下の怒りを「面の皮をいつか剥いでやる」と表現しています。

例文3の「面の皮の千枚張りだね」が表しているのは「非常に厚かましい」という意味。関西言葉でいうところの「ど厚かましい」ですね。

例文4は「迷惑だ」という意味を表現した「いい面の皮」です。「あいつは呑むだけ吞んで酔っ払い、その後の段取りは全て自分がつけたが、迷惑だった」という気持ちが表れていますね。

「面の皮」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

それでは次に「面の皮」の類異義語についてみていきましょう。

「上辺」

「面の皮」人間の表面的な部分を指します。その意味からすれば類義語「上辺(うわべ)」になりますね。

「面の皮」の対義語は?

続いて「面の皮」の対義語をみていきましょう。

\次のページで「「本性」」を解説!/

「本性」

「面の皮」は人間の表面的な部分を指します。表面的な部分「上辺」の対義語は「中身」。人間の中身とは本当の姿、つまり「本性」です。

「面の皮」の英訳は?

image by iStockphoto

「面の皮」は英語で表現するとどうなるのでしょうか。

「面の皮」をそのまま英語で表現すると「face skin」。「面の皮が厚い」をそのまま英語にすると「The skin on the face is thick.」。これでは日本語の「面の皮が厚い」の意味合いを表現することはできませんね。そこで「面の皮」を含んだ慣用句別に英語で表示していきます。

英文1.He is brazen enough to come to ask me for debt many times.

英文2.He exposed his true identity by her word.

英文3.We were amazed at the blatant lies he had.

英文4.Hearing what he had done, she said, "He has brought shame to our family altogether!"

英文1は「面の皮が厚い」を英語で表現したものです。brazen enough to be ~」は「~するほど厚かましい」という意味で、「私に何度も借金を頼みに来る、彼は面の皮が厚いな」と和訳できます。

英文2は面の皮を剥ぐ」の英語表現「expose」が「暴く」という意味。「彼は彼女の言葉で面の皮を剝がされた」という訳になりますね。

英文3は和訳すると「彼の噓は面の皮の千枚張りで、私たちは呆れてしまった」。 blatant lies」は「内容や態度によって明らかに分かる噓」です。面の皮の千枚張り」と表現することができますね。

英文4は「いい面の皮」という意味を表す英文です。brinng shame on one’s hamily」は「家名を汚す」という意味。気に入らない相手をあざける意味の「いい面の皮」を用いて「彼が行ったことをきいて『まったく、いい面の皮だよ!』と彼女は言った」と訳すことができますね。

「面の皮」を使いこなそう

この記事では「面の皮」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「面の皮」はこの言葉だけで用いられることはありませんが、「面の皮が厚い」等、他の言葉と結び付いて色んな意味をもつ言葉になっていることがわかりましたね。

「面の皮」を含んだ言葉は良い意味では用いられません。しかし今の社会ではあまり薄すぎる面の皮だと生きづらい場合もあります。薄すぎず…厚すぎず…適度な厚さの「面の皮」が必要になってきますね。

" /> 【慣用句】「面の皮」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「面の皮」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「面の皮」について解説する。

端的に言えば面の皮の意味は「顔面の表皮」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「面の皮」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「若い頃よりも随分面の皮が厚くなった」と自覚するおばさんライターが面の皮について解説する。

「面の皮」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「面の皮」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「面の皮」の意味は?

「面の皮」には、次のような意味があります。

1.顔面の表皮。面皮。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「面の皮」

「面の皮」とは顔の表面の皮膚のことです。

「面の皮」はこの言葉だけで用いられることはありません。皮膚科を受診しても「ここの面の皮の湿疹は…」と言われることはありませんよね。「面の皮」という言葉は「面の皮」という単語だけでなく、他の単語と結び付いて日々の生活の中で使われます。

「面の皮」を使った慣用句

面の皮はどんな言葉と結び付いて、どんな用いられ方をするのでしょうか?

これから「面の皮」に関連する言葉をみていくことにしましょう。

\次のページで「1.「面の皮が厚い」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: