この記事では「該当」について解説する。

端的に言えば該当の意味は「ある条件に当てはまること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「該当」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「該当」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

「該当」という言葉を耳にしたことはありますか?話し言葉ではあまり使いませんが、資料やアンケート調査などで使われることが多い言葉です。「該当」の意味を正しく理解しましょう。それでは早速「該当」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「該当」の意味は?

「該当」には、次のような意味があります。

がい‐とう〔‐タウ〕【該当】
[名](スル)ある条件・資格などに、当てはまること。「―する箇所に丸をつける」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「該当」

「該当」とは、ある条件に当てはまることを指します。アンケート調査やビジネスのシーンで相手の情報を聞くときに使う言葉です。

「該当」の使い方・例文

「該当」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.該当する項目に印をつけて提出してください。

2.ロンブロオゾオやショオペンハウエルの天才論を呼んで、ひそかにその天才に該当するような人間を捜しあるいたものであったが、なかなか見つからないのである。(太宰府「彼は昔の彼にあらず」)

例文1では、ビジネスシーンやアンケートなどで使われる「該当」の使い方です。資料作成者側が聞きたい情報をあらかじめピックアップし、回答者が自分にあったものを印をつけるという方法となっています。また、例文2は太宰治の著書「彼は昔の彼にあらず」の1節です。他にも小説では、寺田寅彦「空想日録」や宮本百合子「石をなぐるもの」など多くの作品で使われています。

「該当」は、条件に当てはまるという意味なので「はい」もしくは「いいえ」の2択の質問として相手に聞く場合と自分に問いかける場合に使う言葉です。複数の答え方のある質問には使うことは少ない言葉なので、注意して使いましょう。

「該当」と「当該」の違い

「該当」の2文字を反対にした「当該」という言葉があります。

「当該」

「当該」には、次のような意味があります。

とう‐がい〔タウ‐〕【当該】
いま話題になっている事柄に直接関係すること。まさに、そのもの。また、その担当であること。「―事件」「―庁」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「当該」

「該当」と「当該」の違いを紹介します。1つ目は、使い方です。「該当」は、名詞、状態動詞を組み合わせて使うことや、「該当する」というようにするをつけることにより動詞として使います。「当該」は名詞とのみ組み合わせて使い、「当該する」というように使うことはありません。

2つ目は、「今まさに」行っていることなのか「以前」行っていてもよいのかという時系列の違いです。「該当」は、以前行っていたことに対して使いますが、「当該」が今まさに行っていることに対して使います。

同じ「該」「当」の漢字の組み合わせですが、順番が異なることにより、使い方やニュアンスが変わるので正しく理解しましょう。

「該当」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「該当」の類義語には「適合」「一致」「ぴったり」があります。

\次のページで「「適合」「一致」「ぴったり」」を解説!/

「適合」「一致」「ぴったり」

「適合」「一致」「ぴったり」には、次のような意味があります。

てき‐ごう〔‐ガフ〕【適合】
[名](スル)ある条件や事情にぴったり当てはまること。「環境に―する」「時代に―した教育」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「適合」

いっ‐ち【一致】
[名](スル)

1 二つ以上のものがぴったり一つになること。くいちがいなく同じであること。合致。「意見の―をみる」「指紋が―する」「満場―」

2 ごく普通の道理。

「気遣ひいたすも―なれば」〈浮・禁短気・四〉
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一致」

ぴったり
[副](スル)

1 「ぴたり1」に同じ。「窓を―(と)閉める」「横に―(と)寄り添う」

2 「ぴたり3」に同じ。「タバコを―(と)やめる」

3 少しの狂いもなく適合するさま。また、よく合って、いかにもふさわしいさま。「―(と)八時に着く」「―する言葉が出てこない」[形動]3に同じ。「足に―な靴」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ぴったり」

「該当」と「適合」、「一致」の意味1、「ぴったり」の意味3が類義語になります。

それぞれの違いは、まず品詞は「該当」、「適合」、「一致」は名詞、「ぴったり」は副詞もしくは形容動詞です。「ぴったり」だけは、品詞が異なるので、他の言葉と差別化されていますが、名詞である「該当」、「適合」、「一致」は意味においてほとんど違いがありません。しかし、使われやすい場面がそれぞれ異なります。

「該当」は先述した通り、アンケート調査などであらかじめピックアップした内容に当てはまるのかどうか聞くときによく使う言葉です。「適合」は、人の体質に関係したときに当てはまるかどうかでつかわれます。例えば、「この土地の環境に適合している」や「ドナーの中から、あなたと適合するものがありました」のような使い方です。「一致」は、今まさに確認して当てはまることが分かったときに使います。例えば刑事ドラマで「容疑者の指紋が一致しました」のように使う言葉です。

「該当」の対義語は?

「該当」の対義語は、「非該当」「該当しない」です。否定の意味の「非」「-ない」がつくことにより、当てはまらないという意味になります。また、「該当」の意味から「曖昧」や「矛盾」も対義語になりえるのではないでしょうか。

「曖昧」や「矛盾」の意味は、次のようになります。

あい‐まい【曖昧】
[名・形動]

1 態度や物事がはっきりしないこと。また、そのさま。あやふや。「―な答え」

2 怪しくて疑わしいこと。いかがわしいこと。また、そのさま。「―宿(やど)」

[派生]あいまいさ[名]

[用法]あいまい・あやふや――「あいまいな(あやふやな)態度」「あいまいな(あやふやな)返事」の場合は、相通じて用いられる。◇「あいまい」は「責任をあいまいにする」「あいまいな説明でごまかす」のように、意識的に物事をはっきりさせないでおく場合にも用いる。これを「あやふや」で置き換えると不自然である。◇「あやふや」は「あやふやな気持ち」「あやふやな答弁」のように、本人自身が言葉や態度をはっきりさせられずにいる場合に用いることが多い。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「曖昧」

\次のページで「「該当」の英訳は?」を解説!/

む‐じゅん【矛盾/矛×楯】
[名](スル)

1 ほことたて。

2 《昔、中国の楚の国で、矛(ほこ)と盾(たて)とを売っていた者が、「この矛はどんなかたい盾をも突き通すことができ、この盾はどんな矛でも突き通すことができない」と誇ったが、「それではお前の矛でお前の盾を突けばどうなるか」と尋ねられて答えることができなかったという「韓非子」難一の故事から》二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。自家撞着(じかどうちゃく)。「発言の―を突かれる」「二人の話が―する」

3 論理学用語。

㋐伝統的論理学で、二つの概念または命題が一定の事象を同一の観点から同時に、一方が肯定し他方が否定する場合の両者の関係。

㋑命題論理学で、複合命題からなる論理式の各要素命題にいかなる真理値を与えても必ず偽となる式。

4 ヘーゲル弁証法で、概念の発展に必要不可欠な契機。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「矛盾」

「該当」の英訳は?

image by iStockphoto

「該当」の英訳は、「come (fall)under」「be applicable《to》」「correspond」「fulfill」の4つが当てはまります。

「come (fall)under」「be applicable《to》」「correspond」「fulfill」

「come (fall)under」は、「…の分類に入る」という意味です。to come under a category(ある種類のに分類する )というように使います。

「be applicable《to》」は、「当てはまる」という意味です。Section 28 shall be applicable mutatis mutandis(第28条を準用する)というように使います。

「correspond」は、「一致する・該当する」という意味です。I will not correspond with this(私はこれに該当しない)というように使います。

「fulfill」は「満たす」という意味です。to fulfill the required conditions of something(条件や基準を満たす)というように使います。

「該当」を使いこなそう

この記事では「該当」の意味・使い方・類語などを説明しました。該当の意味は「条件や項目に当てはまる」という意味があります。類義語には「適合」「一致」「ぴったり」という言葉があり、それぞれの使い方のニュアンスの違いを意識しましょう。「該当」の英語訳も多く自分が伝えたい内容によって使い分けをしてください。

" /> 「該当」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「該当」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「該当」について解説する。

端的に言えば該当の意味は「ある条件に当てはまること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「該当」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「該当」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

「該当」という言葉を耳にしたことはありますか?話し言葉ではあまり使いませんが、資料やアンケート調査などで使われることが多い言葉です。「該当」の意味を正しく理解しましょう。それでは早速「該当」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「該当」の意味は?

「該当」には、次のような意味があります。

がい‐とう〔‐タウ〕【該当】
[名](スル)ある条件・資格などに、当てはまること。「―する箇所に丸をつける」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「該当」

「該当」とは、ある条件に当てはまることを指します。アンケート調査やビジネスのシーンで相手の情報を聞くときに使う言葉です。

「該当」の使い方・例文

「該当」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.該当する項目に印をつけて提出してください。

2.ロンブロオゾオやショオペンハウエルの天才論を呼んで、ひそかにその天才に該当するような人間を捜しあるいたものであったが、なかなか見つからないのである。(太宰府「彼は昔の彼にあらず」)

例文1では、ビジネスシーンやアンケートなどで使われる「該当」の使い方です。資料作成者側が聞きたい情報をあらかじめピックアップし、回答者が自分にあったものを印をつけるという方法となっています。また、例文2は太宰治の著書「彼は昔の彼にあらず」の1節です。他にも小説では、寺田寅彦「空想日録」や宮本百合子「石をなぐるもの」など多くの作品で使われています。

「該当」は、条件に当てはまるという意味なので「はい」もしくは「いいえ」の2択の質問として相手に聞く場合と自分に問いかける場合に使う言葉です。複数の答え方のある質問には使うことは少ない言葉なので、注意して使いましょう。

「該当」と「当該」の違い

「該当」の2文字を反対にした「当該」という言葉があります。

「当該」

「当該」には、次のような意味があります。

とう‐がい〔タウ‐〕【当該】
いま話題になっている事柄に直接関係すること。まさに、そのもの。また、その担当であること。「―事件」「―庁」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「当該」

「該当」と「当該」の違いを紹介します。1つ目は、使い方です。「該当」は、名詞、状態動詞を組み合わせて使うことや、「該当する」というようにするをつけることにより動詞として使います。「当該」は名詞とのみ組み合わせて使い、「当該する」というように使うことはありません。

2つ目は、「今まさに」行っていることなのか「以前」行っていてもよいのかという時系列の違いです。「該当」は、以前行っていたことに対して使いますが、「当該」が今まさに行っていることに対して使います。

同じ「該」「当」の漢字の組み合わせですが、順番が異なることにより、使い方やニュアンスが変わるので正しく理解しましょう。

「該当」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「該当」の類義語には「適合」「一致」「ぴったり」があります。

\次のページで「「適合」「一致」「ぴったり」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: