
端的に言えば不遜の意味は「思い上がった態度」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「不遜」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「不遜」の意味や語源・使い方まとめ

「不遜」という漢字、読むことができるでしょうか。「ふそん」と読みます。そう聞けば耳にしたことがあるかもしれませんね。どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「不遜」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「不遜」の意味は?
まず初めに「不遜」の意味を辞書で確認してみましょう。「不遜」には、次のような意味があります。
へりくだる気持ちがないこと。思いあがっていること。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「不遜」
「不遜な態度だ!」などと言われてしまった、もしくは言ったことのある方もあるでしょうか。「不遜」とは、おごりたかぶって横柄な態度をとることを表す言葉です。言動や振る舞いに礼儀が足りていない場合や、相手を見下した態度をとるような場合に使われます。
相手を軽く見た態度をとった場合に使われる言葉ですが、自分より目下の人に対しては使われません。本来なら礼儀をわきまえなければならない相手に対して生意気な態度をとる、身の程知らずな態度をとる場合、つまり、目下の者が目上の者に対して無礼な態度をとるようなシーンで使われる言葉です。
「不遜」の語源は?
次に「不遜」の語源を確認しておきましょう。
「不」は「~しない、~でない」などと否定を表す漢字です。「遜」という漢字には、あまりなじみがないかもしれませんね。二点のしんにょうに「孫」という字を書きますのでこの機会に覚えておきましょう。この漢字は、「へりくだる」「ゆずる」「ひけをとる」といった意味を表します。「謙遜(けんそん)」「遜位(そんい)」「遜色(そんしょく)」などと使いますね。この二つの文字を合わせた「不遜」は、ゆずったりへりくだったりしないという意味の言葉となりました。
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