この記事では「罷免」について解説する。

端的に言えば罷免の意味は「職を辞めること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「罷免」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしている。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。冬はコタツ、夏はクーラーの効いた部屋が大好きなインドア派。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「罷免」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「罷免」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。難しい言葉ですが、使えるようになると表現の幅が広がる言葉です。

「罷免」の意味は?

「罷免」には、次のような意味があります。

1.名](スル)職務をやめさせること。免職。「大臣を罷免する」

出典:goo国語辞書「罷免」

「罷免」は「ひめん」と読み、「職務を辞めさせること」という意味を持ちます。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。「罷免」は「職務を辞めさせること」という意味ですが、どんな仕事も辞める際に利用できる言葉ではありません。「罷免」は公務員に対してのみ使え、さらに自身が辞める気がなくても辞めさせる際に利用される言葉です。つまり、ただ「仕事を辞めさせる」という意味で使うのではなく「"自身の意思に関係なく"、"公務員が"仕事を辞めさせられる」場合に利用します。


実際には一般の公務員に対して利用されることは稀で、国会議員や大臣クラスの政治家や裁判官などに対して利用されることが多いです。また、不祥事などを起こした政府高官や裁判官をその責任を問い、罷免(免職)するかどうかなどを決めるための裁判を弾劾裁判と言います。

「罷免」の語源は?

次に「罷免」の語源を確認しておきましょう。「罷免」は「罷」と「免」の2つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「罷」には「しりぞける」「除く」「やめさせる」という意味があり、「免」は「官職を解く」「やめさせる」という意味を持つ言葉です。この二つの漢字を合わせて、「罷免」としたのが由来や語源とされています。

\次のページで「「罷免」の使い方・例文」を解説!/

「罷免」の使い方・例文

「罷免」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今回の不祥事の影響で、国民の多くは大臣の罷免を求めている
2.罷免制度の問題点を話し合う番組がやっていた
3.裁判官を罷免する弾劾裁判が行われた

「罷免」を利用する際のポイントは「"トップクラスの政治家を"辞めさせる際に利用する言葉」です。つまり、「ただ、仕事を辞めさせられること」では不適切な表現となってしまいます。「あの政治家は国民の総意によって罷免された。」のように利用するのが正しいでしょう。

「罷免」の類義語は?違いは?

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「罷免」の類義語には「辞職」「辞任」「免職」などがあります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

その1「辞職」

「辞職」は「じしょく」と読み、「勤めている職を自分からやめること」という意味を持ちます。「ことわりを言う」「やめる」という意味を持つ「辞」という漢字と、「生計のための仕事」「そのために身につけた技能」という意味を持つ「職」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。「罷免」との違いは、「罷免」が「自らの意思に関係なく辞めさせられること」なのに対し、「辞職」は「自ら職を辞めること」を指します。さらに「辞職」には"公務員"などの限定もありません。


 

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その2「免職」

「免職」は「めんしょく」と読み、「職をやめさせること。」という意味を持ちます。「官職を解く」「やめさせる」という意味を持つ「免」という漢字と、「生計のための仕事」「そのために身につけた技能」という意味を持つ「職」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。免職は「懲戒免職」という言葉としても使われます。懲戒免職は国家公務員法や地方公務員法に規定されている懲罰のことです。


罷免は公職にある人に対してクビを意味する表現で、一方、「懲戒免職」とは、不正などを行った人に対して「仕事を辞める」という罰を与えるという意味合いとなります。

1.私は、自分の夢を追うために高い役職についていた会社を辞職しました

2.あの大臣は不当に賄賂を受け取り、懲戒免職とされた

3.彼は度重なる寝坊で、免職された

「罷免」の対義語は?

「罷免」の対義語には「任命」があります。例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

「任命」

「任命」は「にんめい」と読み、「ある役目につくことの命令」という意味を持ちます。「物をになう」「役目をつとめる」「まかせる」という意味を持つ「任」という漢字と、「言いつける」「告げる」「言いつけ」という意味を持つ「命」という漢字から成り立っているので、そこからも意味が推測できますね。「罷免」が「職を辞めさせること」であることに対し、「任命」は「役目につくことの命令」を意味するので、対義語として数えられることが分かりますね。

1.彼はこれまでの成績を評価され、課長という地位に任命されました

2.あの人は選挙の結果、農林水産大臣に任命された

「罷免」の英訳は?

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「罷免」の英訳は「fire」という英語で「ファイヤー」と読みます。「fire」は「炎」や「辞職」を意味する英単語です。

\次のページで「「fire」」を解説!/

「fire」

「罷免」は公務員などの公的な職位についている人を本人の意思と関係なく辞職させることですが、それの意味を持つ英単語は実は存在しません。「辞職させられる」という表現をしたいのであれば「〇〇 be fired」と利用することができます。下記の例文を見て、使い方を学びましょう。

1.Japan's national soccer team coach was fired because his relationship with the players went downhill. 
(日本代表のサッカーチームのコーチは選手との信頼をなくして解雇された)

「罷免」を使いこなそう

この記事では「罷免」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「罷免」は、「公務員を自身の意思と関係なく辞めさせること」という意味であることが分かりましたね。類義語である「懲戒免職」との使い方やニュアンスの違いをしっかりと理解して利用しましょう。

罷免はあまり聞くことが無い言葉ですが、使えるようになればより一層表現の幅が広がりますね。

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国語言葉の意味

「罷免」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「罷免」について解説する。

端的に言えば罷免の意味は「職を辞めること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「罷免」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしている。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。冬はコタツ、夏はクーラーの効いた部屋が大好きなインドア派。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「罷免」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「罷免」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。難しい言葉ですが、使えるようになると表現の幅が広がる言葉です。

「罷免」の意味は?

「罷免」には、次のような意味があります。

1.名](スル)職務をやめさせること。免職。「大臣を罷免する」

出典:goo国語辞書「罷免」

「罷免」は「ひめん」と読み、「職務を辞めさせること」という意味を持ちます。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。「罷免」は「職務を辞めさせること」という意味ですが、どんな仕事も辞める際に利用できる言葉ではありません。「罷免」は公務員に対してのみ使え、さらに自身が辞める気がなくても辞めさせる際に利用される言葉です。つまり、ただ「仕事を辞めさせる」という意味で使うのではなく「”自身の意思に関係なく”、”公務員が”仕事を辞めさせられる」場合に利用します。


実際には一般の公務員に対して利用されることは稀で、国会議員や大臣クラスの政治家や裁判官などに対して利用されることが多いです。また、不祥事などを起こした政府高官や裁判官をその責任を問い、罷免(免職)するかどうかなどを決めるための裁判を弾劾裁判と言います。

「罷免」の語源は?

次に「罷免」の語源を確認しておきましょう。「罷免」は「罷」と「免」の2つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「罷」には「しりぞける」「除く」「やめさせる」という意味があり、「免」は「官職を解く」「やめさせる」という意味を持つ言葉です。この二つの漢字を合わせて、「罷免」としたのが由来や語源とされています。

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