
端的に言えばあやかるの意味は「感化される」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元高校国語科教員のminを呼んです。一緒に「あやかる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min
高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターを目指して勉強中。
「あやかる」の意味は?
「あやかる」には、次のような意味があります。
[動ラ五(四)]
1 影響を受けて同様の状態になる。感化されてそれと同じようになる。ふつう、よい状態になりたい意に用いられる。
2 影響を受けて変化する。動揺する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「あやかる」は、自分以外の誰か、何かに影響を受けて変化することを指した表現です。一般的には、「良いもの」に影響を受けて、良い方向に変わっていく場合に用いられ、悪い影響を受けた、という場合には使われません。
「あやかる」の語源は?
「あやかる」は漢字で「肖る」という表記ができ、この「肖」という漢字は元々「似る」「かたどる」「小さい」という意味を持っています。「あやかる」はその中の「似る」の意味が基礎となり、「感化されて同じようになる(=似る)」という意味を持ったのです。
ちなみに、この「肖」という漢字の成り立ちを見てみましょう。「月」は「にくづき」と呼ばれるように、肉体や体を表した表現です。「小」はそのまま「小さい」の意を持っているので、「肖」は「肉体の小さい部分」「切られて小さくなった肉」を表現しています。
そこから「小さい」という意味や、小さな一部から元の大きさのものを「かたどる」、小さな一部であっても元のものに「似る」などの意味が派生して生まれたと言われているので、覚えておきましょう。
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