この記事では「ヘタレ」について解説する。

端的に言えばヘタレの意味は「臆病で弱い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ヘタレ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ヘタレ」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ヘタレ」の意味や語源・使い方まとめ

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「ヘタレ」と聞いて、何を思い浮かべますか?私は食後に居眠りをする子、夕方になると「足がいたぁい」と言っている新入社員などを見ると「ヘタレだなぁ」と思ってしまいます。もちろんごく一部で、ほとんどの子は頑張っているので余計にそう感じてしまいますね。そんな「ヘタレ」という言葉について解説をしていきたいと思います。

それでは早速「ヘタレ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ヘタレ」の意味は?

「ヘタレ」には、次のような意味があります。

1.臆病で情けない様子。
2.能力がなく、物事がまるでできない様子。またそうした人。
3.弱々しく気力に乏しいさま。またそのような人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ヘタレ」

「ヘタレ」とは、「臆病で情けない・能力がない・弱々しく気力に乏しい」ような人を指す言葉です。辞典に書いてある意味が思っていた以上に辛辣というか、厳しい内容に少し驚いているのは自分だけでしょうか。イメージとしては「甘ったれ・根性なし」と感じるような人に使う言葉と思っていたので修正をする必要がありそうですね。そしてもう一つ驚いたのが、デジタル大辞泉では「ヘタレ」を使う対象は「人のみ」という事です。もう少し違った角度から調べてみましょう。

「ヘタレ」の語源は?

次に「ヘタレ」の語源を確認しておきましょう。諸説あるのですが、「ヘタレ」という言葉は昭和時代に芸人の間での楽屋言葉が発祥の俗語と言われています。「小便垂れ」のように一人前ではない芸人を「屁垂れ(ヘタレ)」と言っていたのが語源とされていますよ。平成以降芸人がテレビなどでも言うようになり、それが若者の間でも「腰抜け・根性なし」の意味で、若者言葉としてカタカナ表記で浸透していったという経緯になりますよ。

もうひとつ語源があるので紹介しますね。「元気がなくなる」の意味の「へたる・へたれる」が名詞的用法「ヘタレ」として使われるようになったという説です。「疲れて座り込むさま」や「ナイフの角がへたった」など物の劣化などにも使われていますよ。物がへたるという使い方をする場合は関西の方言とも言われていますよ。

\次のページで「「ヘタレ」の使い方・例文」を解説!/

「ヘタレ」の使い方・例文

「ヘタレ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今年の新入社員はヘタレが多いね。
2.告白も出来ないなんてヘタレだね。
3.長年使ってきたお布団がいよいよへたってきた。

3つの例文を挙げてみました。例文1は会社で使われそうな内容ですね。筆者が冒頭で伝えた意味と似ていると思います。「根性がない・だらけてる」の意味が強いですね。例文2も同じく「根性がない・臆病」といった意味で用いられていますよ。例文3の「お布団がへたる」は「くたくたになってきた・劣化してきた」の意味ですね。言葉の意味を調べた時は「物」に対しては表現していませんでしたが、語源では「物や人の元気がなくなるさま」を表すとあったので例文を出してみました。

「ヘタレ」の類義語は?違いは?

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「ヘタレ」と同じ意味を持つ、どんな言葉があるでしょうか。

「ビビリ」

「ヘタレ」と同じ俗語に分類される言葉で「ビビリ」とあります。意味は「情けなく怯えること・そのような人」を指しますよ。この言葉は「ヘタレ」よりも歴史が古く、「ビビる」という言葉で平安時代から使われていたんですね。「怖じ気づく」の意味で江戸時代には、舞台袖で芸人の緊張しているさまを表す楽屋言葉として用いられるようになりました。1980年代に入ると「怖じ気づいてる人」を名詞形にして「ビビリ」と言うようにもなっていますよ。

ジェットコースターと聞いただけで恐怖で足が竦む筆者は、間違いなく「ビビリ」の部類に入ると自覚しています。

\次のページで「「ヘタレ」の対義語は?」を解説!/

「ヘタレ」の対義語は?

「ヘタレ」の反対の意味の言葉はあるのでしょうか?

「勇猛果敢」

四字熟語になりますが「勇猛果敢」を紹介します。「ゆうもうかかん」と読み、「勇ましくて勢いがあり、決断力に富んでいること・勇気があって力強い」の意。「臆病・弱々しい・情けない」の「ヘタレ」とは真逆の意味になるので、対義語としてふさわしいでしょう。

「ヘタレ」の英訳は?

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「ヘタレ」の英単語は存在するでしょうか。どんな英語表現になるか見てみましょう。

その1「chicken」

弱虫のことを「チキン野郎」という言い方がありますね。あれと同じ「chicken」「ヘタレ」の英語表現としてふさわしいでしょう。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも使われていたから有名ですね。日本語訳は「臆病者・弱虫」の意味になりますよ。

その2「loser」

もう少しキツい言い方だと「loser」があります。意味は「敗者・負け犬・意気地なし」といった強めの意味ですよ。「ヘタレ」のニュアンスとしては「chicken」の方がより近い意味になりますが、「loser」も覚えておくと使い勝手はいい単語ですよ。

「Don't be such a chicken.」(そんなにビクビクするな。)

「I'm good at chicken.」(ヘタレの相手は得意です。)

「He’s such a loser .」(彼は弱虫だ。)

\次のページで「「ヘタレ」を使いこなそう」を解説!/

「ヘタレ」を使いこなそう

この記事では「ヘタレ」の意味・使い方・類語などを説明しました。もう一度復習しましょう。「ヘタレ」とは「臆病で情けない・弱々しい」人を表す言葉でしたね。「物が古くなる・劣化するさま」という意味でも用いる事ができます。元は「半人前」を表す楽屋用語だったのが、若者言葉の造語として現在の意味に派生しましたよ。「ヘタレ」も「ビビリ」も性格の一部であり愛嬌かなとも思います。からかう意味で言うと相手を傷つける可能性があるので、使い方には充分注意しましょう。

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国語言葉の意味

「ヘタレ」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ヘタレ」について解説する。

端的に言えばヘタレの意味は「臆病で弱い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ヘタレ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ヘタレ」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ヘタレ」の意味や語源・使い方まとめ

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「ヘタレ」と聞いて、何を思い浮かべますか?私は食後に居眠りをする子、夕方になると「足がいたぁい」と言っている新入社員などを見ると「ヘタレだなぁ」と思ってしまいます。もちろんごく一部で、ほとんどの子は頑張っているので余計にそう感じてしまいますね。そんな「ヘタレ」という言葉について解説をしていきたいと思います。

それでは早速「ヘタレ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ヘタレ」の意味は?

「ヘタレ」には、次のような意味があります。

1.臆病で情けない様子。
2.能力がなく、物事がまるでできない様子。またそうした人。
3.弱々しく気力に乏しいさま。またそのような人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ヘタレ」

「ヘタレ」とは、「臆病で情けない・能力がない・弱々しく気力に乏しい」ような人を指す言葉です。辞典に書いてある意味が思っていた以上に辛辣というか、厳しい内容に少し驚いているのは自分だけでしょうか。イメージとしては「甘ったれ・根性なし」と感じるような人に使う言葉と思っていたので修正をする必要がありそうですね。そしてもう一つ驚いたのが、デジタル大辞泉では「ヘタレ」を使う対象は「人のみ」という事です。もう少し違った角度から調べてみましょう。

「ヘタレ」の語源は?

次に「ヘタレ」の語源を確認しておきましょう。諸説あるのですが、「ヘタレ」という言葉は昭和時代に芸人の間での楽屋言葉が発祥の俗語と言われています。「小便垂れ」のように一人前ではない芸人を「屁垂れ(ヘタレ)」と言っていたのが語源とされていますよ。平成以降芸人がテレビなどでも言うようになり、それが若者の間でも「腰抜け・根性なし」の意味で、若者言葉としてカタカナ表記で浸透していったという経緯になりますよ。

もうひとつ語源があるので紹介しますね。「元気がなくなる」の意味の「へたる・へたれる」が名詞的用法「ヘタレ」として使われるようになったという説です。「疲れて座り込むさま」や「ナイフの角がへたった」など物の劣化などにも使われていますよ。物がへたるという使い方をする場合は関西の方言とも言われていますよ。

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