1.友人のやさしい声掛けに甘えて、これまで堪えていた仕事の悩みを吐露した。話せば話すほど、自分がどれだけ辛かったのかを痛感した。
2.この恋心は決して誰にも吐露するわけにいかない。彼女はその思いを生涯自分だけのものにしようと決めた。
3.自分の意見を吐露することによって、どんな目で見られるのかが不安だった。しかし、それは杞憂だったようだ。
「吐露」は「心の中を打ち明けること」という意味でしたね。例文から「吐露」する気持ちが、前向きなものではないことが想像できます。悩みや不安、秘密などを抱えてから「吐露」するまでには、しばらくの期間があるもの。その間、頭の中で何度も反すうすることになるので、あらたまって口にすることに緊張も伴うでしょう。そのため「吐露」できる相手も限られます。
例文1では、仲の良い友人が声掛けをしたことで、ようやく「吐露」するつもりになりました。例文2では、心を許せる相手がいないのか、もしくは表に出してはいけないような恋心だったのでしょうか。誰にも「吐露」しないことを選択していますね。反対に、例文3では不安を覚えながらも「吐露」し、周囲の人に受け入れてもらうことができました。
「吐露」の類義語は?違いも解説!
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「吐露」の「心の中を打ち明ける」と似た意味を持つ言葉をいくつかご紹介しましょう。また「吐露」との違いについても説明していきます。
「告白」:秘密を打ち明けること
「告白」とは心に秘めていたことや感情を打ち明けることです。またキリスト教においては、信仰を表明したり、自分の罪を神の前で打ち明け、許しを求めたりすることを意味します。
「吐露」と「告白」の違いは、その内容を打ち明けることに消極的か積極的かということ。「吐露」の言いたくないのに口に出てしまうというニュアンスに対し、告白は自ら打ち明けることを決意して口に出すという感じです。
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「暴露」:悪事や秘密を明るみにすること
「暴露」(ばくろ)とは、悪事や秘密、不正などを明らかにするという意味です。「曝露」とも書きます。
「吐露」との違いは、打ち明ける内容が悪事や不正などマイナス要素を含んだものであること。そして「暴露」するのは本人に限らず、他人が「暴露」する場合があるということです。暴いて(あばいて)露(あらわ)にするのですから、暴露した後は相手との関係性が大きく変わってしまうこともあるでしょう。
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