この記事では「猛省」について解説する。

端的に言えば猛省の意味は「厳しく反省すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「猛省」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「猛省」の意味や語源・使い方まとめ

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日常生活やビジネスシーンでもよく使われる言葉「猛省」。本記事ではその「猛省」について、詳しく解説していきます。

それでは早速「猛省」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「猛省」の意味は?

まず初めに辞書で「猛省」の意味を確認してみましょう。「猛省」には、次のような意味があります。

きびしく反省すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「猛省」

「猛省」は「もうせい」と読みます。文字通り、深く反省することです。「反省」とは、自分の行動を振り返ってそれでよいのかどうか考えること、自分のよくなかった点を認めて改めようと考えることを表します。その「反省」を「厳しく」するということになりますから、二度と繰り返すことが許されないような過ちを犯してしまったような時に、厳しい態度で自己の過ちを悔いることであると言えますね。

「猛省」の語源は?

次に「猛省」の語源を確認しておきましょう。

」という字には、「勢いが激しい、がむしゃらで強い、程度がひどい」といった意味があります。現代では他の名詞と組み合わせて用いられることが多く、「猛犬」「猛暑」「猛威」などを目にしたことがあるのではないでしょうか。非常に激しく荒々しいさまを表す漢字です。

」という字には、「自己の内心をよくみる、かえりみる、注意してみる」という意味があります。

この二つの文字を合わせて「猛省」。厳しく、強く、深く自分を省みるという意味の言葉となりました。

\次のページで「「猛省」の使い方・例文」を解説!/

「猛省」の使い方・例文

「猛省」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は、過去に犯したミスを猛省し、生まれ変わったように仕事をしている。
2.自身の犯した過ちについて、猛省しております。
3.顧客に対して無責任な行動をとったことに対し、猛省を促す。

「猛省」という言葉を使うシーンの一つとして、自分が深く反省している気持ちを相手にどうしても伝えなくてはならない時があると思います。つまり心からの謝罪の気持ちを伝えなければならない場面です。そういう場合には特に、間違いのないよう丁寧に伝えるようにしましょう。「猛省しております」「猛省いたしております」といったように使うのが適切です。「猛省中です」と言うこともできますね。

もうひとつ、相手に強い反省を求める場合もあります。そんな場合には、「猛省を促す」「猛省を求める」「猛省を願う」などと表現するのがよいでしょう。

「猛省」の類義語は?違いは?

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「猛省」の類義語を見てみましょう。

その1「内省」

「内省」は「ないせい」と読みます。「 自分の考えや行動などを深くかえりみること」の意です。自分自身と向き合い、自分の心に素直になって自分の考えや言動を振り返り、気づくことを意味します。自分のよくなかったところを認めて改めようとする「反省」とは違い、自分を違った角度から見ることで本質を見極めるという意味を持っているのですね。ただ悪かったと懺悔するだけでなく、どのようにしたらよいのかと考える力につながっていくのが「内省」です。

\次のページで「その2「自省」」を解説!/

その2「自省」

「自省」は「じせい」と読みます。文字通り「自分の言動を反省すること」を表す言葉です。自分のした行為の是非善悪をかえりみることを表しますから、「反省」とさほどの違いはありません。

その3「自責」

「自責」は「じせき」と読みます。「自分で自分の過ちをとがめること」の意です。自分に責任があると考えることを表します。自分の責任について自分で考えることを言うので、相手にそれを求める場合には使いません。「猛省」は「猛省を促す」と言えますが、「自責」は「自責を促す」とは使えないので注意が必要です。間違いやすい表現として「自制を促す」と言うことがありますが、こちらは「我慢するようにと言い含めること」という意味になります。

「猛省」の対義語は?

「猛省」と反対の意味をもつ言葉について見ていきましょう。

その1「平然」

「平然」は「へいぜん」と読みます。「何事もなかったように落ち着きはらっているさま」を表す言葉です。「うそをつきながら平然としている」などと言いますね。厳しく反省している「猛省」とは反対の様子を表していますね。

その2「慢心」

「慢心」は「まんしん」と読みます。「いい気になること、おごり高ぶること」を表す言葉です。自分を振り返り直視することもなく、根拠もなく、ただ漫然と思い込んでしまうことを「慢心」と言います。この言葉はよい意味で使われることはまずないと思っていていいでしょう。自分への戒めとして使われる場合が多く、他人に対して使うと悪口になってしまいます。

「猛省」の英訳は?

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「猛省」を英語訳すると、どのように表現できるか見ていきましょう。

\次のページで「その1「serious reflection」」を解説!/

その1「serious reflection」

serious」は「まじめな、本気の、真剣で、重大な」といった意味があります。「reflection」は「反射、反響」という意味で覚えているかもしれませんが、「熟考、内省、反省」という意味も持つ言葉です。

「猛省する」と言いたい場合には、「reflect on something seriously」となり、「猛省を促す」と言いたい場合には、「urge somebody to reflect seriously」と表現します。

「reflection」の代わりに「reconsideration(再考)」を用い、「serious reconsideration」と表現することもできますよ。

その2「 penitence」

penitence」は「後悔、ざんげ」という意味です。少し形式ばった表現かもしれませんが、過去の後悔に対する自責や、悔い改めといった意味を持っています。

I feel serious reflection for contributing to such a terrible failure.(とんでもない失敗をしてしまい、猛省しております。)

I am sure of his penitence.(私は、彼の猛省を確信しています。)

「猛省」を使いこなそう

この記事では「猛省」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「猛省」とは、「厳しく反省する」という意味の言葉でしたね。「反省」と口にすることはあっても、「猛省」はよほど重大なミスを犯した場合でないと使われることは少ないでしょう。それ故に、「猛省」と表さなければならない場合には、真心を込めて深く反省し、次の行動につなげられるようにしたいものですね。

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国語言葉の意味

「猛省」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

その2「自省」

「自省」は「じせい」と読みます。文字通り「自分の言動を反省すること」を表す言葉です。自分のした行為の是非善悪をかえりみることを表しますから、「反省」とさほどの違いはありません。

その3「自責」

「自責」は「じせき」と読みます。「自分で自分の過ちをとがめること」の意です。自分に責任があると考えることを表します。自分の責任について自分で考えることを言うので、相手にそれを求める場合には使いません。「猛省」は「猛省を促す」と言えますが、「自責」は「自責を促す」とは使えないので注意が必要です。間違いやすい表現として「自制を促す」と言うことがありますが、こちらは「我慢するようにと言い含めること」という意味になります。

「猛省」の対義語は?

「猛省」と反対の意味をもつ言葉について見ていきましょう。

その1「平然」

「平然」は「へいぜん」と読みます。「何事もなかったように落ち着きはらっているさま」を表す言葉です。「うそをつきながら平然としている」などと言いますね。厳しく反省している「猛省」とは反対の様子を表していますね。

その2「慢心」

「慢心」は「まんしん」と読みます。「いい気になること、おごり高ぶること」を表す言葉です。自分を振り返り直視することもなく、根拠もなく、ただ漫然と思い込んでしまうことを「慢心」と言います。この言葉はよい意味で使われることはまずないと思っていていいでしょう。自分への戒めとして使われる場合が多く、他人に対して使うと悪口になってしまいます。

「猛省」の英訳は?

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「猛省」を英語訳すると、どのように表現できるか見ていきましょう。

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