この記事では「できかねます」について解説する。「~できかねます」と聞いたとき「できるのか、できないのか」どっちなのか分からず混乱したことはないでしょうか?結論から言うと「できかねます」は「できない」という意味の言葉です。

「できかねます」の意味や使い方をしっかり覚えると、目上の人とのコミュニケーションが円滑になるなど、ビジネスの様々な場面で役立つぞ。

今回は法学部卒でWEBメディアのライターをしている野島を呼んです。一緒に「できかねます」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/野島レミ

WEBメディアのライターとして活動しており、要点を絞った分かりやすい解説が得意。楽しみながら、知識が身に付くような情報を発信する。

「できかねます」の意味や語源・使い方まとめ

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「できかねます」は、ビジネスシーンでよく耳にするフレーズですよね。社会人の方なら、仕事で使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

基本の表現だからこそ、改めて使い方を確認して、仕事に活かしたいもの。ぜひこの記事で使い方をマスターしましょう。それでは「できかねます」の意味や使い方を見ていきます。

「できかねます」の意味は?

「できかねます」は「~することできない」「~することが難しい」という意味の丁寧語になります。上司やお客様など、目上の人からの依頼や要望に対して、やんわりと「できない」と答えるときに使用する表現です。

「できかねます」という言葉は「できる」・「かねる」・「ます」と3つに分解することができます。「かねる」という言葉自体が「〜することができない」「~することが難しい」という意味を持っているので、「できかねます」という表現は、文法的に誤りだという考え方もあります

「できかねます」の具体的な使い方については詳しく後述しますが、「しかねます」や「いたしかねます」と使うのが適切だと考える人もいるでしょう。しかし「できかねます」は一般に広く使われているため、不自然だと感じる人はほとんどいません

「できかねます」の使い方・例文

次に「できかねます」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.「申し訳ございませんが、当日のキャンセルはできかねます」
2.「その件につきましては、山田の担当となるため、私では説明できかねます。」

1つめの例文は、レストランやサロンなどで、よく使われる言い回しです。お客様との電話対応で頻出の表現になります。

2つめの例文は、取引先とのやり取りでよく使われる表現です。自分では対応が難しい場合に、このように「できかねます」を使います

丁寧な表現とはいえ、「できかねます」はできないという否定の言葉であることに、変わりはありません。より角が立たない表現にしたいときは、「申し訳ありませんが」などのクッション言葉を入れたり「ご理解くださいますようお願いいたします」などお願いするような言葉を最後に入れたりすると良いでしょう。

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「できかねます」の類義語は?「できかねません」は間違った表現?

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「できかねます」には様々な類義語がありますが、今回は使いやすい「いたしかねます」「お受けできません」「お役に立てません」の3つを紹介します。この3つも例文と併せて見ていきましょう。

また、つい言ってしまいがちな「できかねません」という言葉について、一体どんな意味になるのか、表現として正しいのか、解説します。

類義語1「いたしかねます」

「いたしかねます」という言葉は、「することが難しい」「することが困難」という意味です。「する」の謙譲語「いたす」を使った謙譲表現となり、「できかねます」と同様に、ビジネスシーンで多用されています。

「できかねます」と比較すると、「いたしかねます」の方がよりやさしいニュアンスです。「いたしかねます」は婉曲的な表現であるので、「できるかもしれない」という意味で受け取られる可能性があります。そのため、できるかどうかを、はっきりさせないといけない場面では「できかねます」を使うようにしましょう

また文章で書く際、ひらがなで「いたしかねます」と表記する場合と、漢字で「致しかねます」と表記する場合の2パターンがあります。この使い分けに迷った方もいるのではないでしょうか。これは「いたしかねます」が動詞で使用されているのか、動詞の補助で使用されているのかで決まります。

「こちらでは致しかねます」のように「いたしかねます」がその文の動詞として使われている場合は漢字で表記し、「お答えいたしかねます」のように、「いたしかねます」が答えるという動詞の補助として使われる場合はひらがなで表記しましょう。

「その件に関しては、当店では対応致しかねますので、ご承知おきくださいますようお願いいたします」

「仕事の依頼以外のご連絡には返信致しかねますので、ご容赦いただきますよう何卒お願いいたします」

類義語2「お受けできません」

「できかねます」と同じように、断りを入れる表現として、よく使われるのが「お受けできません」です。「お受けできません」は「できかねます」よりも断定的なニュアンスを持ちます。しっかりと相手に不可能であることを伝えられる言葉です。

「申し訳ございませんが、他の案件が立て込んでおりますのでお受けできません」

「すみませんが、そのようなお申し出はお受けできません」

\次のページで「類義語3「お役に立てません」」を解説!/

類義語3「お役に立てません」

「できかねます」を「役に立てない」と言い換えて表現した言葉が「お役に立てません」です。自分の能力不足が原因でできない、と自分を下げることで、相手に対し強い否定を示すことなく、断ることができます

「大変申し訳ございませんが、お役に立てません」

「ご相談いただいた内容につきましては、分野が違うため私ではお役に立てません」

「できかねません」は間違った言い方?

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まれに「できかねる」を「できかねません」として使ってしまう方がいます。これは間違った表現ではないものの、混乱を生みやすいので、使わない方が無難です。

「~することできない」「~することが難しい」に否定が加わり、「できないことはない」「難しくはない」のような意味合いになります。つまり「できてしまうかも」といった推測の表現になるのです。

このように伝わりにくい言い方であることに加え、「やりかねません」や「なりかねません」のようにネガティブなニュアンスになるので、注意しましょう。

「できかねます」を使いこなそう

この記事では「できかねます」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「できかねます」を使いこなすうえで、押さえておきたいポイントは以下の4つです。

・「できかねます」は、相手の依頼や要望を断るときに使う表現
・「申し訳ありませんが」などのクッション言葉を入れたり、「ご理解くださいますようお願いいたします」などお願いするような言葉を最後に入れたりすると、より丁寧に断ることができる
・類義語には「いたしかねます」「お受けできません」「お役に立てません」などがある。
・「できかねません」は文法的には推測の意味を持つ言葉になるが、伝わりにくく、聞いた相手は混乱しやすい。ネガティブなニュアンスも含まれるので、避けた方が良い

ぜひ「できかねます」をマスターして、自分の意思をしっかり伝えられるようにしましょう

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国語言葉の意味

「できかねます」の意味や使い方は?例文や類語を法学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「できかねます」について解説する。「~できかねます」と聞いたとき「できるのか、できないのか」どっちなのか分からず混乱したことはないでしょうか?結論から言うと「できかねます」は「できない」という意味の言葉です。

「できかねます」の意味や使い方をしっかり覚えると、目上の人とのコミュニケーションが円滑になるなど、ビジネスの様々な場面で役立つぞ。

今回は法学部卒でWEBメディアのライターをしている野島を呼んです。一緒に「できかねます」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/野島レミ

WEBメディアのライターとして活動しており、要点を絞った分かりやすい解説が得意。楽しみながら、知識が身に付くような情報を発信する。

「できかねます」の意味や語源・使い方まとめ

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「できかねます」は、ビジネスシーンでよく耳にするフレーズですよね。社会人の方なら、仕事で使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

基本の表現だからこそ、改めて使い方を確認して、仕事に活かしたいもの。ぜひこの記事で使い方をマスターしましょう。それでは「できかねます」の意味や使い方を見ていきます。

「できかねます」の意味は?

「できかねます」は「~することできない」「~することが難しい」という意味の丁寧語になります。上司やお客様など、目上の人からの依頼や要望に対して、やんわりと「できない」と答えるときに使用する表現です。

「できかねます」という言葉は「できる」・「かねる」・「ます」と3つに分解することができます。「かねる」という言葉自体が「〜することができない」「~することが難しい」という意味を持っているので、「できかねます」という表現は、文法的に誤りだという考え方もあります

「できかねます」の具体的な使い方については詳しく後述しますが、「しかねます」や「いたしかねます」と使うのが適切だと考える人もいるでしょう。しかし「できかねます」は一般に広く使われているため、不自然だと感じる人はほとんどいません

「できかねます」の使い方・例文

次に「できかねます」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.「申し訳ございませんが、当日のキャンセルはできかねます」
2.「その件につきましては、山田の担当となるため、私では説明できかねます。」

1つめの例文は、レストランやサロンなどで、よく使われる言い回しです。お客様との電話対応で頻出の表現になります。

2つめの例文は、取引先とのやり取りでよく使われる表現です。自分では対応が難しい場合に、このように「できかねます」を使います

丁寧な表現とはいえ、「できかねます」はできないという否定の言葉であることに、変わりはありません。より角が立たない表現にしたいときは、「申し訳ありませんが」などのクッション言葉を入れたり「ご理解くださいますようお願いいたします」などお願いするような言葉を最後に入れたりすると良いでしょう。

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