端的に言えば笑門来福の意味は「いつも笑顔の人には幸福が訪れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
いつもくだらないことばかり言って福を呼びたい、読書家ライターの伊勢雄真を呼んです。一緒に「笑門来福」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/伊勢雄真
理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「笑門来福」の奥深い世界に誘おう。
「笑門来福」の意味は?
「笑門来福」は「笑う門には福来る」という意味のことわざと同じ意味の四字熟語です。ここでは、「笑う門には福来る」の意味を紹介します。
明るくにこにこしている人には、自然と幸福が訪れる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「笑う門には福来る」
「笑門来福」は「しょうもんらいふく」と読みます。いつでも笑っている人には自然と幸福がやってくるという意味です。
四字熟語を詳しく見ていきましょう。まず、笑門という熟語に着目します。ことわざの「わらうかど」にあたる部分です。「門」には3つの意味があります。次の引用をご覧ください。
1.家の外構えの出入り口。もん。
2.門の前。また、門の辺りの庭。
3.家。また、一族。一門。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「門」
「門」には上記三つの意味があります。1.は皆さんご存じだと思いますが、2.や3.の意味は知らないかたも多いのではないでしょうか。「笑門来福」では3.の「家」という意味で使われています。よって、本来の意味では笑っている家庭は自然と幸福がやってくるという意味です。
「笑門来福」の語源は?
次に笑門来福の語源を確認します。みなさんは、正月遊びで「福笑い」という遊びをしたことがありますか?福笑いとは、おたふくやおかめの輪郭が描かれた台紙に、厚紙で作った目や鼻などの顔のパーツを目隠しして並べる遊びです。目が見えない状態で並べるので、滑稽な出来上がりとなります。「福笑い」を正月から家族で和気あいあいと行うことで、笑いの絶えない家庭には福が来るという「笑門来福」の考え方に繋がっていったのです。
「笑門来福」の使い方・例文
「笑門来福」の使い方を例文で見ていきます。次の例文をご覧ください。
我が家の家訓は「笑門来福」である。
このように、「笑門来福」という四字熟語は座右の銘やスローガンのような用い方をします。
他にも賀詞という形で使われることも多いです。賀詞とは、お祝い事を表す言葉をさします。例えば、新年の挨拶での「新春」や「あけましておめでとうございます」などがこれにあたりますね。ただ、入院をされている方や被災された方に対して「おめでとう」という文言を使うのは避けたいところです。しかし、この「笑門来福」はそんな方に対しても使うことができます。寒中見舞いなど、年賀状とは時期をずらしてこの四字熟語を使い新年の挨拶をするのが良いでしょう。
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