この記事では「きびきび」について解説する。
端的に言えば「きびきび」の意味は「無駄がなく速やかに行動するさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「きびきび」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「きびきび」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「きびきび」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「きびきび」の意味は?

「きびきび」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 態度、動作などがあいまいでなくはきはきしているさま、また、だらだらせず、生き生きとひきしまっていて気持がよいさまを表わす語。

出典:コトバンク

「きびきび」は態度や言動が積極的で俊敏である様子を表しています。また、態度や言動が自主的でむだがなく俊敏である様子について、見る者の快感の暗示がありますよ。ですが、言動の結果が的確であるかどうかまでは言及しません。「きびきび」は「てきぱき」に似ていますが、「てきぱき」は要領よく物事を処理する様子を表し、結果が的確である暗示があります。

「きびきび」の語源は?

次に「きびきび」の語源を確認しておきましょう。

「きびきび」の語源は「気味気味」です。それでは「気味」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「気」の古い字は「氣」です。「米」とゆげを表す「キ」とを合わせた字。お米を炊くときに立ち上るゆげのことから、「空気のようなもの」の意味に使われるようになりました。そして「味」は「口」とおいしい音の意味を示す「未」とを合わせた字です。口でうまいと感じることから「あじ」「あじわう」意味を表しますよ。その他の意味は辞典などで調べてみてください。

\次のページで「「きびきび」の使い方・例文」を解説!/

「きびきび」の使い方・例文

「きびきび」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.受付では客の質問にきびきびと応対してくれる。サービスの良いおすすめのホテルだと言える。

2.新入社員の彼女はきびきびとした物の言い方をする。バリバリ活躍してくれそうだ。

3.部員のきびきびした練習ぶりで成果が上がった。前回の試合で敗北を期した少年たちは心機一転、素直に先輩の指示に従ったからだろう。

例文1は「きびきび」が単独、または「と」がついて述語にかかる修飾語になっています。態度や言い方が小気味よい感じを与える「きびきび」となっていますね。そして例文2と例文3は、「(と)した」がついて、名詞にかかる修飾語になります。他にも「その子は動作がきびきびして気持ちがいい」「社員たちはきびきび立ち働いた」などの例文が考えられますよ。

「きびきび」の類義語は?違いは?

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「きびきび」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「てきぱき」

「てきぱき」は要領よく物事を処理する様子を表すプラスイメージの語です。「きびきび」との違いは「きびきび」は態度や言動が積極的で俊敏である様子を表し、物事の処理以外についても広く用いられるという点です。

\次のページで「その2「ぱっぱっ」」を解説!/

その2「ぱっぱっ」

「ぱっぱっ」は俊敏に行動する様子を表しています。その他にも瞬間的な光の変化が連続する様子を表しますよ。この場合「ぱっぱっ」の形に「と」がついて述語にかかる修飾語になります。比較的大きな光が断続的に点滅する場合について用いることが多いですね。客観的な表現で特定の感情を暗示しません。また水滴や粉末などを連続して振りまく様子をも表します。この場合の「ぱっぱっ」は勢いを加味した表現。威勢の良さ、勢い・意図の暗示があります。「きびきび」との違いは主体が一連の行動を俊敏に行う様子を表し、勢い・意図・決断の暗示があるという点でしょう。

その3「しゃきしゃき」

「しゃきしゃき」は言動が明快で的確である様子を表しています。その他にも内部の硬い繊維を連続して軽く切断する音や様子を表しています。また「きびきび」との違いは、「しゃきしゃき」は芯の強さ・小気味よさ・的確・速さ・緊張・快感の暗示があるという点でしょう。

その4「はきはき」

「はきはき」は物の言い方が明快である様子を表しています主体の物の言い方が明快である様子について見る者の方か・爽快の暗示があります。そのため、子供や目下の者について用いることが多いですよ。なお「きびきび」との違いは、「はきはき」は物の言い方が明快である様子について暗示しているという点でしょう。

「きびきび」の対義語は?

「きびきび」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「のろのろ」

「のろのろ」は動作が鈍くて速度が遅い様子を表す言葉です。「と」がつくと述語にかかる修飾語になりますし、「(と)した」が付くと名詞にかかる修飾語になりますよ。例えば「高速道路はひどい渋滞でのろのろとしか進まない」「日本のプロ野球ののろのろした投手交代に嫌気がさしているひとも多い」などのように表現します。例文のような「のろのろ」はやや客観的な表現で、読者の焦燥・不快の暗示はそれほど強くはありません。

その2「とろとろ」

「とろとろ」は動作や反応が鈍くて遅い様子を表します。ややマイナスイメージの語であり、単独で述語にかかる修飾語になりますよ。現代語用法で主に若い人たちがくだけた日常会話で用いることがあります。また主体の動作や反応が鈍くて話者の思うようにいかない様子を表し、話者の怒りと焦燥の暗示があるでしょう。

\次のページで「その3「ちんたらちんたら」」を解説!/

その3「ちんたらちんたら」

「ちんたらちんたら」は動作や進捗が遅くて焦燥を感じる様子を表しています。「する」が付くと述語になりますし、「ちんたらちんたら」だけですと述語にかかる修飾語になります。また、現代語用法のくだけた表現で主に若い人たちがくだけた日常会話で用いますよ。さらに主体の動作や物事の進捗が遅くて話者の思うようにならないことについて、話者が怒りや焦燥を感じているニュアンスで、侮蔑の暗示もありますよ。

その4「もたもた」

「もたもた」は動作が鈍くて思うように進行しないのに焦燥を感じる様子を表しています。「する(やる)」がつくと述語になり、「(と)した」が付くと名詞にかかる修飾語になります。「もたもた」は「のろのろ」に似ていますが、「のろのろ」は動作が鈍くて進行が遅い様子をやや客観的に表し、話者の焦燥・不快の暗示はそれほど強くはありませんよ。

「きびきび」の英訳は?

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「きびきび」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「きびきび」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「brisk」

「brisk」には「活発な、きびきびした、元気の良い、てきぱきした」という意味があります。「He went home at a brisk pace」で「彼はきびきびとした足取りで家に帰って行った」、「Her movements are brisk and pleasant」で「彼女の動きはきびきびとして気持ちがいい」となります。

「きびきび」を使いこなそう

この記事では「きびきび」の意味・使い方・類語などを説明しました。

表現力を身につけることはとても大切です。なぜなら自分を伸び伸びと表現し、毎日を楽しく過ごすことにつながるからです。また言いたいことを我慢しないためには表現力を養うことが必須です。表現力を鍛えれば仕事も人間関係もプライベートもきっと充実するでしょう。私たちは言葉を使って他人とコミュニケーションをとっていますね。力を合わせたり気持ちを通わせたりするのに言葉は必要不可欠。人生をより充実させるためにも表現力を身につけましょう

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国語言葉の意味

「きびきび」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「きびきび」について解説する。
端的に言えば「きびきび」の意味は「無駄がなく速やかに行動するさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「きびきび」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「きびきび」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「きびきび」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「きびきび」の意味は?

「きびきび」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 態度、動作などがあいまいでなくはきはきしているさま、また、だらだらせず、生き生きとひきしまっていて気持がよいさまを表わす語。

出典:コトバンク

「きびきび」は態度や言動が積極的で俊敏である様子を表しています。また、態度や言動が自主的でむだがなく俊敏である様子について、見る者の快感の暗示がありますよ。ですが、言動の結果が的確であるかどうかまでは言及しません。「きびきび」は「てきぱき」に似ていますが、「てきぱき」は要領よく物事を処理する様子を表し、結果が的確である暗示があります。

「きびきび」の語源は?

次に「きびきび」の語源を確認しておきましょう。

「きびきび」の語源は「気味気味」です。それでは「気味」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「気」の古い字は「氣」です。「米」とゆげを表す「キ」とを合わせた字。お米を炊くときに立ち上るゆげのことから、「空気のようなもの」の意味に使われるようになりました。そして「味」は「口」とおいしい音の意味を示す「未」とを合わせた字です。口でうまいと感じることから「あじ」「あじわう」意味を表しますよ。その他の意味は辞典などで調べてみてください。

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