「慈しむ」の使い方・例文
「慈しむ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.他人を慈しむ心の育成には、子供のころの体験や環境が大きく影響する。
2.血のつながりのない自分のことを、養母はわが子のように慈しんで育ててくれた。
3.当時の思い出を慈しむような目をして、母は父とのなれそめを語った。
どの文章もわかりやすいですね。例文1と例文2では「慈しむ」対象が人ですが、例文3は「思い出」を対象にしています。大切に守りたい気持ちが強ければ「慈しむ」という言葉は命や形あるもの以外にも使えるのです。
とはいえ、日常的な会話の中で「いつくしむ」を使用している人は少ないのではないでしょうか。口に出す場面として思い浮かぶのは、むしろ賛美歌のメロディ。挙式で使われる有名な賛美歌「いつくしみ深き」の歌詞を、誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「慈しむ」の類義語は?違いは?
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それでは「慈しむ」の類義語を見ていきましょう。「愛情を注いで大切にする」と同じような意味を持つ言葉を、いくつか紹介していきます。
その1「かわいがる」
「かわいがる」には小さいものや弱いものを「かわいい」と思って優しく扱ったり、特別に目をかけるという意味があります。ここには立場や身分のパワーバランスが存在していることがわかりますね。「慈しむ」と同義というよりは、慈しむの意味の一部と解釈するべきでしょう。
ちなみに、相撲用語から生まれた「かわいがり」という言葉も見ておきましょう。これは親方や兄弟子が厳しい稽古をつけるという意味ですが「いじめ」や「しごき」の婉曲的な表現としても使われています。
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