
端的に言えば慈しむの意味は「愛情を注いで大切にする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「慈しむ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「慈しむ」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
「慈しむ」は「いつくしむ」と読みます。いざ書くとなると送りがなのつけ方に悩みがちな漢字です。「慈くしむ」や「慈む」のように間違えて書いてしまわないように、しっかり覚えてくださいね。
それでは、早速「慈しむ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「慈しむ」の意味は?
「慈しむ」には、次のような意味があります。
目下の者や弱い者に愛情を注ぐ。かわいがって大事にする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「慈しむ」
辞典の記載にある「目下の者や弱い者への愛情」について少し補足します。この愛情は、哀れみからくる愛情とは異なるものです。「慈しむ」のベースにあるのは無償の愛。母の愛のように見返りを求めることなく愛する気持ち、いわゆる「母性」です。大切にして守っていきたいと感じるのであれば、人間だけでなく子猫や草花、さらには記憶などに対しても使えます。
「慈しむ」の語源は?
次に「慈しむ」の語源を確認しておきましょう。
「慈しむ」の語源は「うつくしむ」。平安時代に「い」と「う」の音が混同され、中世末ごろに「いつくしむ」が生まれたと考えられています。さらに「神をあがめまつる」という意味の言葉「いつ(斎)く」も音の変形に影響しているようです。
\次のページで「「慈しむ」の使い方・例文」を解説!/