この記事では「根も葉もない」について解説する。

端的に言えば「根も葉もない」の意味は「根拠のないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「根も葉もない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍読破してきた生粋の文化系。読書量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。

「根も葉もない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「根も葉もない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「根も葉もない」の意味は?

「根も葉もない」には、次のような意味があります。

少しの根拠もない。でたらめである。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「根も葉もない」

「根も葉もない」の読み方は、「ねもはもない」です。「根も葉もない噂」という言葉は、生きている中で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また実際にそのような噂をたてられた、聞いてしまったという方もいるでしょう。

「根も葉もない」とは、根拠のないことや出まかせで物を言うときに用いられる言葉です。よって「根も葉もない噂」とは、事実とは異なる話や全く架空の作り話を指します。噂の元凶はほんの些細な嘘だったとしても、人伝いに広がるにつれて取り返しのつかないほど大きな嘘になってしまうということはよくある話です。根拠もないことや事実を知らないことを無責任に人に広めたり、確認もせずに自分で辻褄を合わせて話を進めてしまうと、図らずとも自分が「根も葉もない噂」の立役者に回ってしまうことがあるので注意しましょうね。

「根も葉もない」の語源は?

次に「根も葉もない」の語源を確認しておきましょう。

「根も葉もない」は、事実ではないことや根拠のないことを意味する言葉だということがわかりましたね。なぜ、「根」や「葉」のように植物で表現するのでしょうか。「根も葉もない」の語源は、この植物の構造を改めて思い出すと、意外と簡単な意味であることが分かりますよ。

植物の花や実の部分を、ここでは「真実」や「事実」と考えましょう。植物の花や実はいきなりその姿を現すわけではなく、土に根を張って、葉が生い茂って、つぼみをつけて初めてその姿を現しますね。つまり、根本となる根や葉がなければ花や実は育たないということです。この植物の当たり前ともいえる原理を比喩として用いて、世の中の「事実」や「真実」もそのもととなる根拠や形跡がなければ育つはずがないということを表現しています。したがって「根も葉もない」の「根」や「葉」は、物事の根拠や確証、形跡を意味しているということになるということがわかりますね。

\次のページで「「根も葉もない」の使い方・例文」を解説!/

「根も葉もない」の使い方・例文

「根も葉もない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.人気者は証拠もない真偽不明な報道で印象を判断されてしまいがちだが、その人の本当の姿は実際に関わってみないと分からないものなので、根も葉もない噂は立てないようにしよう。


2.誰でも投稿することができるサイト情報は根も葉もない内容が混ざっている可能性があるので、公式サイトの正確な情報と照らし合わせてから使う必要がある。


3.この温泉は根も葉もない噂が原因で売り上げの成長が伸び悩んでいましたが、あなたがテレビの仕事で紹介してくれたおかげで客足が戻り、解決しました。

「根も葉もない」とは根拠がなく、事実とは遠く離れたことを表現するということがわかりましたね。

語源の、根も葉もなければ花や実は育たないというように、証拠や確証がなければそれは事実とは限らないというのはとても面白い表現です。この語源からもわかるように、「根も葉もない」が用いられる場面は証拠も根拠もないでたらめな話ということになります。今回の例文で挙げたように、人気者で話題性のある芸能人や、インターネットの情報、施設のレビューなどは事実とは異なる情報が立ちやすいので「根も葉もない」という表現がよく用いらるので、よく耳にするのではないでしょうか。酷評されている人や場所、ものを自分で実際に目の当たりにしてみると、全く悪い印象がなかったということはよくあることですよね。このように、自分の目で実際に見るまでは根拠のない情報を広めることには細心の注意が必要です。

「根も葉もない」の類義語は?

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次に、「根も葉もない」の類義語を見ていきましょう。

「事実無根(じじつむこん)」

「根も葉もない」の類義語は、「事実無根(じじつむこん)」です。「事実無根」は、事実に基づいていないさまや根拠のないことを表現します。「事実」が「根拠」に基づいていないという漢字そのままの意味なので、こちらは「根も葉もない」よりもわかりやすい表現かもしれませんね。

すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、「事実無根」も、「根も葉もない」のように「根」という漢字が入っています。やはり植物の根源となる「根」は様々な物事の大きな基となる部分を表現しているということがわかりますね。

\次のページで「「根も葉もない」の対義語は?」を解説!/

「根も葉もない」の対義語は?

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次に、「根も葉もない」の対義語を見ていきましょう。

「証拠歴然(しょうこれきぜん)」

「根も葉もない」の対義語に当たる言葉は、「証拠歴然」です。「証拠歴然」は、事実であることを証明する証拠や根拠が完ぺきに揃っていて、明快であるさまを表現します。根拠や証拠が全くなく、事実とは言い難いことを示す「根も葉もない」とは正反対の意味であるということがわかりますね。

「証拠」はそのままの意味ですが、「歴然」はあまり聞かない言葉です。「歴然」は、まぎれもなくはっきりしているさまという意味の言葉。よって「証拠歴然」は、ものごとの証拠がはっきりと明快であることという意味であることが分かりますね。

「根も葉もない」を使いこなそう

この記事では「根も葉もない」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「根も葉もない」という言葉はよく耳にする言葉ですが、書き言葉として見る機会はあまりないので漢字の意味を改めて考えてみると面白いですね。「根」や「葉」がなければ花や実は育たないということを比喩として用いているのは、書き言葉として改めてよく見てみなければ気づかないことなので、この機会に覚えてみてください。

「根も葉もない」情報に踊らされないように、正しい言葉の意味を一つ一つ着実に覚えていくといいのではないでしょうか。

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国語言葉の意味

【慣用句】「根も葉もない」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「根も葉もない」について解説する。

端的に言えば「根も葉もない」の意味は「根拠のないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「根も葉もない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍読破してきた生粋の文化系。読書量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。

「根も葉もない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「根も葉もない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「根も葉もない」の意味は?

「根も葉もない」には、次のような意味があります。

少しの根拠もない。でたらめである。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「根も葉もない」

「根も葉もない」の読み方は、「ねもはもない」です。「根も葉もない噂」という言葉は、生きている中で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また実際にそのような噂をたてられた、聞いてしまったという方もいるでしょう。

「根も葉もない」とは、根拠のないことや出まかせで物を言うときに用いられる言葉です。よって「根も葉もない噂」とは、事実とは異なる話や全く架空の作り話を指します。噂の元凶はほんの些細な嘘だったとしても、人伝いに広がるにつれて取り返しのつかないほど大きな嘘になってしまうということはよくある話です。根拠もないことや事実を知らないことを無責任に人に広めたり、確認もせずに自分で辻褄を合わせて話を進めてしまうと、図らずとも自分が「根も葉もない噂」の立役者に回ってしまうことがあるので注意しましょうね。

「根も葉もない」の語源は?

次に「根も葉もない」の語源を確認しておきましょう。

「根も葉もない」は、事実ではないことや根拠のないことを意味する言葉だということがわかりましたね。なぜ、「根」や「葉」のように植物で表現するのでしょうか。「根も葉もない」の語源は、この植物の構造を改めて思い出すと、意外と簡単な意味であることが分かりますよ。

植物の花や実の部分を、ここでは「真実」や「事実」と考えましょう。植物の花や実はいきなりその姿を現すわけではなく、土に根を張って、葉が生い茂って、つぼみをつけて初めてその姿を現しますね。つまり、根本となる根や葉がなければ花や実は育たないということです。この植物の当たり前ともいえる原理を比喩として用いて、世の中の「事実」や「真実」もそのもととなる根拠や形跡がなければ育つはずがないということを表現しています。したがって「根も葉もない」の「根」や「葉」は、物事の根拠や確証、形跡を意味しているということになるということがわかりますね。

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