国語言葉の意味

「ろくでもない」の「ろく」とは何?意味や使い方・類義語などを語学系主婦ライターが解説

よぉ、桜木建二だ。この記事では「ろくでもない」という言葉を解説する。
「ろくでもない」とは「何の値打ちもない」ことだ、問題行動ばかりの人を指した悪口また不良品を表して使われる。「ろく」とは何のことか、漢字ではどう書くのか知っているか? より詳しい意味や使い方も押さえて「ろくでもない」を使いこなせるようになろう。
今回は語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んだ。一緒に「ろくでもない」を説明していく。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/小島 ヨウ

言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。

「ろくでもない」の意味や使い方

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金遣いがあらく、飲んだくれ、次々に恋人を替える……など素行不良の人を「ろくでもない」と表現します。また「ろくなものじゃない」「ろくでなし」との言い方もしますね。ほかにも「病気でろくなものしか食べていない」「忙しくてろくに寝ていない」など否定をともなって様々に使われる「ろく」。いったい何のことでしょう。

「ろくでもない」の意味

それではまず「ろくでもない」を辞書で調べてみましょう。

〘形口〙 (「碌」はあて字) 無意味で、なんのねうちもない。つまらない。

出典:精選版 日本国語大辞典「陸でもない・碌でもない(ろくーでもーな・い)」より

価値がない・くだらないことを「ろくでもない」と表現、漢字では「陸」、また当て字ですが「碌」の字を使います。「陸」をどうして「ろく」と読み、「陸」がないことがつまらない意味になるのでしょう。さらなる疑問、語源を調べてみます。

「ろく」とはなんだろう?

「陸地」「陸上」など普段は「りく」と読む「陸」の漢字を「ろく」と読む場合の意味を再度辞書で調べます。

[名・形動]
1.(あとに打消しの語を伴って用いる)正常なこと。まともなこと。満足できる状態であること。また、そのさま。まとも。
2.(陸)土地や物の面の平らなこと。また、そのさま。平坦。
3.気分の平らかなこと。安らかなこと。また、そのさま。
[補説]「碌」はあて字

出典:デジタル大辞泉(小学館)(「陸・碌」ろく)より

「陸」を「りく」と読むのは漢音。より前に中国から伝わった呉音では「ろく」と発音します。この場合の意味は、まともであること・十分なこと・地面や気分が平らなこと。これを否定・打ち消す表現が「ろくでもない」なので、まともじゃない・十分にない・たいしたものではないといった意味になるのです。

ちなみに「碌(ろく)」はごろごろと小石が多い様・役に立たないの意味。すでに役に立たないの意味があるのでこれを打ち消すと「まとも」に戻ってしまいますね、なので当て字なのでしょう。高齢となって身体能力・記憶力の低下を表す「耄碌(もうろく)」、役に立たない様「碌々」と使われます。

「ろくでもない」の使い方・例文

使った方が分かりやすいかもしれません、例文をみてみましょう。

1.一目惚れした彼はギャンブル好きのろくでもない男で、姉はすぐ別れた。
2.友人からまだ使えるともらった掃除機は、吸い込みが悪くホコリ臭いろくでもないものだった。
3.一人部屋が欲しいと親に頼んだが、ろくに掃除しない子はダメと言われた。

1.は人に対して真面目じゃない、2.は物に対して役に立たない意味で使われた例文です。3.は十分にしない意味の「ろくに」を使って、掃除しないことを嫌味のように表しています。

「ろく」はまともなことですが「彼はろくである」とは使いません。「ろくでない」「ろくにしない」など常に否定をともなったネガティブな表現で用いられます。

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「ろくでもない」の「ろく」は数字の「6」ではないことが分かったな。また「禄(ろく)」が語源という説もあるぞ。「禄」とは昔の給料のことで、俸禄を十分にもらえない武士や役人は「甲斐性がない・くだらない人」=「ろくでもない」になったというものだ。いずれにせよ「ろくでもない」は通常ひらがなで使われる。

「ろくでもない」の類義語は何?

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まともじゃない・価値のない「ろくでもない」と同様の意味の言葉をいくつかご紹介しましょう。

「くだらない」:価値のない

「くだらない」は漢字で「下らない」と書き、価値がない・取るに足らない・程度が低くてばからしい、など否定的な意味です。高いところから低いところに達する・下回る・劣るなどの意味がある「下る」を「ない」と打ち消したら、良い意味になりそうですが、どうしてネガティブなのでしょう。上質なものは江戸に「下る」けれど、質の悪いものは現地で消費され「下らない」。よって、たいしたことないものを「くだらない」といった、など語源は諸説あります。

使い方は「学生時代、友人たちとくだらない話ばかりしていたが楽しかった」「カリスマ投資家の講演は自慢話のあげく勧誘で、くだらなかった」などです。

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