その2「丸く収める」
これは「禍根を絶つ」の類義語になります。「禍根を絶つ」は将来のトラブルの火種を消しておくという意味ですから、状況をすっきりさせる、当事者を納得させるという意味で「丸く収める」は類義語と言って良いでしょう。
また、ここに挙げた類義語以外にも「しこりが残る」「火種が残る」などが「禍根を残す」の類義語、「火種を消しておく」は「禍根を絶つ」の類義語と言っていいと思います。
「禍根」は英語で「source of trouble」
「source」には源(みなもと)、出どころといった意味があります。ですので「水源」は英語で「source of water」、「情報源、情報の出どころ」は「source of information」ということが可能です。「禍根」はわざわいの原因、みなもとを意味しますので、「source of trouble」が英語での表現としてふさわしいでしょう。
We spent so much time to discuss the contract during the negotiation so we won’t leave any source of trouble with our client.
お客さんとの間で禍根を残さないために、交渉の場では契約書の内容について長時間かけて議論を行った。
この例文で使われている「won’t leave source of trouble」という表現に注目しましょう。「leave」はそのままにしておく、放っておくという意味を表す動詞です。ですので、この部分は「のちのち問題の原因になりそうな箇所をそのままにしておかない、放っておかない」と訳せます。ですので「禍根を残す」とほぼ同じ意味になるのがわかるでしょうか?
逆に「禍根を絶つ」は「eliminate source of trouble」や「remove source of trouble」と言った表現が適当でしょう。「eliminate」は根絶する、「remove」には取り除くという意味がある動詞です。
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