
端的に言えば高嶺の花の意味は「手に届かないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
高嶺の花な相手に恋しては痛い目に合っている、読書好きライターの伊勢雄真を呼んです。一緒に「高嶺の花」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/伊勢雄真
理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「高嶺の花」の奥深い世界に誘ってくれる。
「高嶺の花」の意味は?
「高嶺の花」には、次のような意味があります。
遠くから見るだけで、手に入れることのできないもの、あこがれるだけで、自分にはほど遠いもののたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「高嶺の花」
「高嶺の花」は「たかねのはな」と読みます。意味は手が届かないほど自分から遠いが欲しいものという意味です。まず、慣用句を字面通りに解釈しましょう。高嶺は高い山やその頂という意味で、そこに咲く花となります。高い山のふもとからその頂に咲く花を摘むことはできるでしょうか?絶対に無理です。その様子から自分の欲しい事柄を高い山に咲く花になぞらえて、欲しくても手に入らないものという意味になりました。
嶺という難しい漢字がありますね。詳しく見てみましょう。やまかんむりに「領」という字が組み合わさっています。領は音読みで「リョウ」や「レイ」と読みますよね。これは嶺の音読みと同じです。このように、ある漢字(ここでは嶺)とその一部を構成する漢字(この場合は領)の音読みが等しいものを形声文字と呼びます。ほかの例は、学校の「校」や醤油の「醤」などです。漢字の読みに困ったときはこのテクニックを使うとよいでしょう。
また、意味の成り立ちから嶺という字を捉えることもできます。領は統べるという意味を表すので、嶺は多くの山々をしめくくる山の頂を示す漢字となったのです。
「高嶺の花」の使い方・例文
「高嶺の花」の使い方を例文で見ていきましょう。次の例文をご覧ください。
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