
その2「憚りながら」
「憚りながら」は「はばかりながら」と読みます。「出過ぎた真似かもしれませんが」「遠慮すべきことかもしれませんが」「生意気かもしれませんが」といった意味で、目上の相手に対し意見を述べる時に使用される表現です。
「微力ながら」とは使用する場面が違いますが、どちらの表現も「~ながら」で終わり、「遠慮じみたニュアンス」があるということで類義語扱いになっています。
「憚りながら私の意見をお聞きください」は、「出過ぎた真似かもしれませんが、私の意見をお聞きください」という意味です。
その3「僭越ながら」
「僭越ながら」は「せんえつながら」と読みます。「自分の立場を越えて、出過ぎたことをいたしますが」という意味です。何か行動を始める前や意見を述べる前に「申し訳ありませんが」というニュアンスで使用します。
「僭越ながら」は必ず立場や身分が上の相手に対して使用する表現です。「微力ながら」とは使用する場面が違いますが、どちらの表現も「~ながら」で終わり、「遠慮じみたニュアンス」があるということで類義語扱いになっています。
「僭越ながらスピーチをさせていただきます」は「私のような身分で恐縮ですが、スピーチをさせていただきます」という意味になりますね。
「微力ながら」の対義語は?
「微力ながら」の対義語はありません。「微力」の対義語は「強力」ですが、「強力ながら」という表現はなく、「私は十分な力があるので…」という意味の表現もありません。
「微力ながら」の英訳は?

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「微力ながら」にそのまま該当する英語表現はありません。
ただ、「I will put the most efforts」「I don’t know how much I can do, but」は「微力ながら」にやや近いニュアンスを表現できます。場面ごとに適する表現が変わるので注意してください。
それでは一緒に見ていきましょう。
その1「I will put the most efforts」
「I will put the most efforts」は「最大限努力します」という意味の表現です。
ビジネス場面の英語では「自分に能力がない」という意味の表現を使うと、言葉の意味をそのまま解釈される恐れがあります。つまり、「わずかな力しかありませんが」といった意味の表現を使うと、「こいつは仕事ができないんだな」と思われてしまうということです。
そこで、ポジティブな言い方を探した場合、「微力ながら」のニュアンスに比較的近いのが「I will put the most efforts」となります。
例文を見てみましょう。
I will put the most efforts for the success of your project.
あなたのプロジェクトの成功に最大限の努力をします。
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