「気丈に頑張る」とは?
「気丈に頑張る」という言い回しもあります。文字どおり、「気丈な状態を努力で維持し続けて頑張る」という意味です。
「気丈に振る舞う」と同じと感じる人も居ますが、「気丈に振る舞う」は、内心気丈では居られないが外から見てそう見えるよう取り繕っているという意味になります。対して「気丈に頑張る」は、落ち込みそうになるがそんな場合ではないため、元気で居ようと頑張る様子です。外見だけそう見えるようにするのではなく、誰も見ていなくても気丈であろうとする努力の様子が「気丈に頑張る」になります。
「気丈に生きる」ってどういうこと?
「気丈に生きる」とは、性格というよりも人生観。生き方の話と捉えた方が良いでしょう。「気丈に生きる」というと、「気丈」に生きようとしている本人が目指している、あるいはそう心がけているという表現になります。一方で他人が他人に評価を行う場合は、「気丈に生きている」という言い方になるでしょう。些細な語尾の違いではありますが、これだけで文意が変化します。
意味は文字どおり、精神的にしっかりと生きていくという意味です。もちろん人生は上手くいかないこともあり、常に気丈にというのはなかなか難しいときもあります。しかし、「気丈であろう」と心がけることで、段々本当に「気丈」に生きられるようになるのです。
「気丈」の類義語は?
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「気丈」の類義語は「しっかりしている/タフ/精神が強靭(きょうじん)」などです。単に「強い」という言葉、あるいはそれに類する言葉を当てる場合もあります。しかしただ「強い」というだけでは、何が強いのかの説明が必要であり、「精神的に」というニュアンスを忘れず付け加えなければなりません。
「したたか」は「気丈」の類義語か?
「気丈」の類義語として「強い」という言葉を持ち出すことはしばしばあります。そしてそれにともない「強か(したたか)」という言葉が出てくることもありますが、漢字は同じといえど「強い」と「強か」は意味がかなり異なっているのです。それに伴い、「気丈」との違いも小さくないと言えます。
「強か(したたか)」とは「手ごわい/一筋縄ではいかない」という意味です。やりこめにくい頭のキレる人、という捉え方をイメージしてください。しかし、「気丈」とはかなり意味が異なることにも気づくと思います。「気丈」はあくまで「しっかりしている」という意味であり、「頭が良い/手ごわい」というニュアンスは入っていないため、類義語とみなすのはやや不適切です。
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「気丈」に生きることの大切さ
世の中には「明るい」「陽気な」「強気な」と言われる性格の人が居ますが、反面「気丈な」と呼ばれる人は実はあまり居ません。それは「気丈」かどうかは非常事態にしかわからないことであり、日常生活では推し量れないものであるためです。
人間、何でもないときに「気丈」でいるのは簡単なこと。しかし何か困難に遭遇した際に「気丈」でいることこそが実は難しく、難しいからこそそうあれる人は他の人からの信頼を集めます。最初はたとえ見せかけでも構いません。「気丈」であろうと努力するうちに、いつか本当に「気丈」になり、さまざまなことを乗り越える力が育っていくでしょう。