「もぬけの殻」と類義語を比較!違いは?
次に、「もぬけの殻」の意味を類義語と比較しながら見ていきましょう。例文と一緒に考えていきます。「もぬけの殻」の類義語は、「無人」「猫の子一匹いない」「人っ子一人いない」です。
「無人」人がいない
1つ目の類義語は「無人」です。字を見て分かる通り「人がいないこと」という意味の単語ですね。「もぬけの殻」も”人がいない状態”を示す語であるので、類義語と言えるでしょう。例文を利用して違いを見ていきましょう。
1.ようやく詐欺グループのアジトを突き止め現場に急行したが、我々が着いた時にはもぬけの殻で、大量の電話が残されていただけだった。
2.隣の家は、5年前におじいさんが死んで以来、誰も住んでおらずもぬけの殻だ。
3.A駅は開業以来ずっと無人駅だ。
4.隣の家は、5年前におじいさんが死んで以来、誰も住んでおらず無人だ。
「もぬけの殻」と「無人」の違いは、「もぬけの殻」には”以前まで人がいた”というニュアンスがあることです。例えば例文1番では、現場は詐欺グループのアジトであったため、以前は詐欺グループが滞在し、使用していたことが窺えます。例文2、4も、5年前まではおじいさんがいたことが分から読み取れますね。このような場合に「もぬけの殻」を使用します。(もちろん、「無人」も使用可能ですよ。)
一方、「もぬけの殻」が使用できないのは例文3のような場合です。例文3では、A駅が開業以来ずっと無人で管理されている駅、つまり無人駅だということを述べています。この場合、”以前まで人がいた”のではなく、”最初から人がいなかった”というニュアンスになるので、「もぬけの殻」は使用できません。
「猫の子一匹いない」人が全くいない
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「猫の子一匹いない」は「人が全くいない」という意味の慣用句です。”人間はおろか、猫の子までも一匹もいない”というニュアンスで、”誰もいない”(無人である)ことを強調しています。”人がいない状態”を示す語である「もぬけの殻」は、類義語と言えるでしょう。
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