
その2「自虐」
「自虐(じぎゃく)」は自分を傷つける、自分をひどく扱うという意味なので、「卑屈」の類義語と言っていいでしょう。ただ、この2つの言葉には少しニュアンスの違いがあります。「卑屈」は自分を必要以上に見下すことで、失敗の原因や物事がうまく運ばない現状に納得しようとしたり、他者に慰めの言葉を期待する態度ですが、「自虐」にはそういった打算的な意図は本来含まれず、単純に自分で自分の能力や欠点などを責める、いじめるという意味だと覚えておいてください。
最近では「自虐」を人に見てもらい笑いをとる「自虐ネタ」などという言葉が使われていますが、他者を意識した「自虐」というのは本来の意味からすると少しづれているような気がしないでもありません。
「卑屈」の対義語は?
次に「卑屈」の対義語を見ていきましょう。
その1「横柄」
「横柄(おうへい)」は「いばっている、偉そうな態度」のことを言います。自分を見下す態度を意味する「卑屈」の対義語としてはぴったりです。「横柄」は自分が特別であると相手に見せつけようとする態度であると同時に、相手をとるにたらないものとして軽んじたり、小馬鹿にしたりする態度を指します。
その2「傲慢」
「傲慢(ごうまん)」は自分を過剰に評価し、相手を見下す態度を意味します。「横柄」とほとんど意味は同じですが、「傲慢」にはおごり高ぶった態度を指す言葉として、「横柄」に比べよりわがままな態度を指すことが多いです。
「卑屈」を使いこなそう
この記事では「卑屈」の意味・使い方・類語などを説明しました。普段何気なく使っていたり、日常生活でときどき耳にしても実は正確な意味を理解していない言葉は意外に多いです。そう言った言葉も実は詳しく調べていくと、実は微妙なニュアンスを含んでいたりします。特に「卑屈」のように人間の心理を表す言葉は、正しい使い方を知っていないとなかなか自分では使えません。
今回学んだように、人間の心理を表す言葉は多様にあり、使えるようになると言語表現がより豊かになります。今後興味を持って勉強していってください。卑屈にならずに、ぜひ謙虚の気持ちで。