
「卑屈」の使い方・例文
「卑屈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.毎年最下位だったチームに就任した新監督は選手たちの卑屈な根性を叩き直すことに成功した。
2.卑屈になることが日常茶飯事の彼女に対して、もはや慰めようとする者はいなかった。
1の例文は「卑屈な」という形容詞の形で使われています。選手たちは毎年最下位という結果に終わっているという現実に対して、自信を失うだけでなく「どうせ自分たちには実力がないんだからこんなもんだ」というような態度でいたのでしょう。このような挑戦をせず自分の限界を低いところに置く態度も「卑屈」と言っていいでしょう。
ここでは「卑屈な〜」という形容詞のかたちで使われていますが、このかたちで「卑屈な考え方」「卑屈な笑み」など様々な表現が可能です。
2の例文では、「卑屈になる」という動詞のかたちで「卑屈」が使われています。人間誰しも失敗したり自信を失った人に対して慰めてあげようと思う者ですが、あまりにも「卑屈」が度を過ぎるとそれが周りの人には不快に感じられることにもなりかねません。「卑屈」は自分自身を見下し、軽蔑することですが、それは実は誰かに慰めてもらいたい、他者に自分を承認もらいたいという気持ちの現れでもあると言えます。ですので、何かにつけていつも卑屈な態度を示す人は周りの人に「またいつものことだ」と思われてしまうことも多くあるのではないでしょうか。
その1「自嘲」
「自嘲(じちょう)」とは自らのこと、自分の欠点を軽蔑する、あざけるという意味です。「卑屈」の意味に非常に近く、類義語としてふさわしいですが若干意味合いには違いがあります。「自嘲」は自分で自分を客観的な視点から、少し距離を置いて、冷めた感じで「自分はだめな人間だなあ」などとあざけ笑うような態度を指すので、「卑屈」のように過剰に自分を責めるような態度とは違いがあると言っていいでしょう。
ちなみに「謙虚」が「卑屈」の類義語とよく勘違いされているようですが、「謙虚」は自分を控えめに評価する謙譲の態度を指し、「卑屈」のように自分を責める態度とは異なりますのでご注意ください。
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