この記事では「お詫び」について解説する。
端的に言えば「お詫び」の意味は「罪を謝すること、謝ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「お詫び」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「お詫び」の意味や語源・使い方まとめ

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「お詫び」の読み方は「おわび」です。それでは早速「お詫び」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「お詫び」の意味は?

「お詫び」には、次のような意味があります。

わびる人、また、その相手を敬っていう語。「お詫びのしるし」「お詫びを申し上げる」

出典:コトバンク

「お詫び」はあやまちや至らなさなどを詫びることです自分側から他人へのわびについて使うことが多く、その場合しばしば先方の謙譲の趣を含みますよ。一方、他人から自分側へのわびや、他人から他人へのわびについても使うので、すでに美化語になっているとも言えるでしょう。今日では「わびを入れる」という言い方を除けば、単に「わび」と言うことはむしろ稀で、たいてい「おわび」という形で用いられます。また「お詫び申し上げます」などと用いれば明確な謙譲表現になりますよ。

「お詫び」の語源は?

次に「お詫び」の語源を確認しておきましょう。

まずは「詫」の成り立ちについて説明しますね。「詫」は言葉を表す「言(ごんべん)」と、身を寄せる意味の音を示す「宅」とを合わせた字です。そこから「いぶかる」「おどろきあやしむ」という意味を表すようになりました。

また「お詫び申し上げます」という表現は、話し手側の動作であるが敬うべき人物に及ぶ動作を表す動詞連用形に謙譲の接頭語「お」が付いたもの。このように謙譲を意味する「お」は「お…する」「お…いたす」「お…もうす」「お…もうしあげる」などの形で用いられます。一般的には「誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」などと使われていますよ。

\次のページで「「お詫び」の使い方・例文」を解説!/

「お詫び」の使い方・例文

「お詫び」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.旦那様、ガラスを割った子供たちがお詫びに来ましたが、いかがいたしましょうか。

2.大変失礼なことをいたしまして、お詫び申しようもございません。

3.貴社に多大なご迷惑をおかけしましたことを、衷心よりお詫び申し上げます。

お詫びする事態が発生したり問題が発覚したりした場合は謝罪を早くするに限ります。そして誠意を持って対処することが肝心事実確認をしてすぐにメールや電話でお詫びすることと状況報告を済ませましょう。ここで下手な言い訳や嘘は、のちのち新たな信用問題に発展することがあるので絶対にやめましょう。また、メールにおいてはお詫びの表現とともに、今後は十分注意する旨の決意を述べておくことが大切ですよ。

「お詫び」の類義語は?違いは?

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「お詫び」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「申し訳ない」

「申し訳ない」は「弁解のしようがない、たいへんすまない」の意で、人に詫びる時の言葉です。これをさらに丁寧に言う場合は、「申し訳ありません」「申し訳ございません」としますよ。詫びの言葉としては他に「すみません」や「ごめんなさい」がありますが、「申し訳ない」はこれらよりも丁寧な語です。「お詫び」との違いは「申し訳ない」と比べると「お詫び」の方がより強い謝罪の表現だという点でしょう。

\次のページで「その2「すみません」」を解説!/

その2「すみません」

「すみません」は人に謝ったり依頼したり感謝したりする時に言うあいさつの言葉です。「すみません」は明治時代以降用いられていますよ。ただ今日では、切実な気持ちで用いることが次第に少なくなり、単なるあいさつ言葉として用いることも多いです。「お詫び」との違いは「すみません」の方が軽い謝罪の気持ちを表現している点だと言えるでしょう。

その3「御免なさい」

「御免なさい」は相手に許しを乞う意から、他家を訪問した時のあいさつとして用いられたり、あるいは詫びる場合などに用いられたりします。「お詫び」との違いは「御免なさい」は他人に詫びる時に言う言葉以外に、他家を訪問した時に言うあいさつの言葉でもある点。また「ごめんごめん」と「ごめん」を重ねて言うのは、相手に反省の色がないととられてしまう可能性がありますので使わないようにしましょう。

「お詫び」の対義語は?

「お詫び」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「ありがとうございます」

「ありがとうございます」は相手に感謝の気持ちを表すあいさつの言葉です。本来「ありがとうございます」は「滅多にない」の意で、神仏に対する感謝の意を表す言葉として用いられましたが、次第に一般的に用いられるようになりました。「ありがとうございます」の過去形「ありがとうございました」は商店などで客へのあいさつとして広く用いられている言葉ですね。またビジネスや取引においてもよく使われている言葉です。

その2「かたじけない」

「かたじけない」は高貴なものに対し自らのいやしいことに恐縮する意味相手からの過分な恩恵や好意を受け、ありがたい気持ちを表す語です。「かたじけない」は平安時代から用いられていますが、今日ではやや文語的で主に書き言葉として用いられますよ。ちなみに「かたじけのうする」という言い方もあります。時代劇などでよく登場するフレーズでもありますね。

「お詫び」の英訳は?

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「お詫び」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「お詫び」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

\次のページで「その1「apology」」を解説!/

その1「apology」

「apology」には「(人への・事に対す)詫び、謝罪」という意味があります。「My sincerest apologies」で「心からお詫び申し上げます」、「It is petty of him not to accept the apology」で「詫びを受け入れないとは彼は心の狭いやつだ」となりますよ。

その2「excuse」

「excuse」には「…に対するお詫び、謝罪、遺憾の意の表明」という意味があり、「apology」よりも口語的表現になります。「Please excuse me for my rudeness」で「非礼を深くお詫び申し上げます」、「I do not know what excuse to offer」で「お詫びの言葉もありません」と訳すことができます。

「お詫び」を使いこなそう

この記事では「お詫び」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「お詫び」の意味などについて理解できたところで、詫び状を書く場合の注意点について解説しておきましょう。大きな事故や会社の不祥事などは基本的には代表者の名義で行いますが、影響範囲が狭小の場合は関係各部署のつながりのある人に対して謝罪するだけで良い場合もあります

文面では、事故のお詫びと発生状況を詳しく説明し、深く反省の意を述べるとともに今後の対策についても簡潔に述べるようにしましょう。ちなみに「謹啓」は謹んでお知らせするという意味で、事故発生などのときに文の頭に使う語頭で、文末は「謹言」で結びますよ。

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国語言葉の意味

「お詫び」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「お詫び」について解説する。
端的に言えば「お詫び」の意味は「罪を謝すること、謝ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「お詫び」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「お詫び」の意味や語源・使い方まとめ

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「お詫び」の読み方は「おわび」です。それでは早速「お詫び」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「お詫び」の意味は?

「お詫び」には、次のような意味があります。

わびる人、また、その相手を敬っていう語。「お詫びのしるし」「お詫びを申し上げる」

出典:コトバンク

「お詫び」はあやまちや至らなさなどを詫びることです自分側から他人へのわびについて使うことが多く、その場合しばしば先方の謙譲の趣を含みますよ。一方、他人から自分側へのわびや、他人から他人へのわびについても使うので、すでに美化語になっているとも言えるでしょう。今日では「わびを入れる」という言い方を除けば、単に「わび」と言うことはむしろ稀で、たいてい「おわび」という形で用いられます。また「お詫び申し上げます」などと用いれば明確な謙譲表現になりますよ。

「お詫び」の語源は?

次に「お詫び」の語源を確認しておきましょう。

まずは「詫」の成り立ちについて説明しますね。「詫」は言葉を表す「言(ごんべん)」と、身を寄せる意味の音を示す「宅」とを合わせた字です。そこから「いぶかる」「おどろきあやしむ」という意味を表すようになりました。

また「お詫び申し上げます」という表現は、話し手側の動作であるが敬うべき人物に及ぶ動作を表す動詞連用形に謙譲の接頭語「お」が付いたもの。このように謙譲を意味する「お」は「お…する」「お…いたす」「お…もうす」「お…もうしあげる」などの形で用いられます。一般的には「誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」などと使われていますよ。

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