その2「頂戴する」
「頂戴する」は「ちょうだいする」と読み、もらって食べたり飲んだりするという意味。「頂」も「戴」も訓で読むと「いただく」です。そのため「頂戴する」で「いただく」の漢語表現となりますよ。元来は「頭上にささげもつ」意ですが、目上からもらった際にうやうやしさを表すため、それを頭上にささげもつ習慣があったことから「もらう」意の謙譲語としての用法が派生しました。また「賜る」との違いは、「賜る」は男女ともに使うのに対して「頂戴する」はどちらかというと女性より男性の方が多く使うという点です。
「賜る」の対義語は?
「賜る」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
「差し上げる」
「差し上げる」は「やる」の謙譲語です。「さし」は接頭語で、室町時代頃から目上に物を差し出す意で用いられました。さらに、物品を与える場合に限らず、先方にとって恩恵となるような行為をすることの謙譲表現として「…てさしあげる」という用法も派生しました。ちなみに両用法とも今日に至っています。また、いずれも「AがBに何々をさしあげる」のBを高め、Aを相対的に低める点は共通していますね。
その1「confer」
「confer」には「(恩恵・贈物など)を与える」「(資格・称号など)を(人に)贈る」という意味があります。「confer posthumous honors on a person」で「人に死後の名誉を授ける」という表現になりますよ。また「Thank you very much for the continuous business with us」で「平素は格別のお引立てを賜り厚くお礼申し上げます」となります。
その2「bestow」
「bestow」は「(名誉・賞など)を(人に)授ける」という意味。「bestow an honor on a person」で「人に名誉を授ける」、「of a superior, to bestow something on a person of a lower position」で「上司から部下へ物を授ける」となります。
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