この記事では「釣果」について解説する。

端的に言えば釣果の意味は「魚釣りの成果」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「釣果」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「釣果」の意味や語源・使い方まとめ

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「釣果」は「ちょうか」と読みます。「釣」という漢字が使われていることからもわかるように、魚釣りに関係がある言葉です。魚釣りが好きな知人が「今日の釣果はまずますだった」などと使っているのを耳にしたことがあるかもしれません。どんな意味で、どのような使い方をされることばなのでしょうか。

早速「釣果」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「釣果」の意味は?

「釣果」には、次のような意味があります。

魚釣りの成果。釣れた魚の量。また、その獲物。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「釣果」

「釣果」とは魚釣りの成果、釣れた魚の量を意味する言葉です。また釣れた魚そのものを指すこともあります。実際に使う場面では「釣果を競う」「釣果を上げる」となりますね。

ちなみに読み方は「ちょうか」であることに注意しましょう。「釣る」の訓読みが「つる」であるために、「釣果」を「つりか」「つるか」と読みたくなってしまうかもしれませんが、それは誤った読み方ですよ。

「釣果」を上げるためには、魚がいるポイントを見つけ、適切な餌をつけ、掛かるまでじっと待ち、タイミングを見極めて釣り上げるという一連の流れが上手く進むことが大切です。この魚釣りの流れがビジネスにも通じるため、ビジネスを魚釣りに喩える人もいます。ビジネスを魚釣りに喩えるならば、さしずめ「釣果」は「仕事の成果・結果」ということになりますね。

「釣果」の語源は?

次に「釣果」の語源を確認しておきましょう。

「釣」は魚釣りを意味しますね。この漢字は「金属で作られた物をすくいあげるひしゃく」の象形から、魚をつり上げる金属性の「つりばり」を意味するようになったといわれています。

また「果」は「成果・結果」の「果」であり、実りを表す「果実」の「果」ですね。「果」は「木の上にいくつも実がなっている」ことを表して生まれた字です。1つではなく複数の実りを表すために「口」ではなく「田」が当てられているのですね。

この2つの文字が組み合わさり、「魚釣りの成果」を意味する「釣果」になりました。

\次のページで「「釣果」の使い方・例文」を解説!/

「釣果」の使い方・例文

「釣果」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.10回連続で釣果がゼロということもあった。
2.今日は3人で釣果を競います。
3.あそこは波は荒いが、釣果のよい釣り場として知られている。

例文1は「釣りに10回行ったが、10回とも全く釣れなかった」という意味です。「釣果がゼロ」とは、魚釣りの成果が全くなかったという意味をあらわします。魚釣りは天候や魚の様子など様々な条件が絡み合って成果が出るもの。釣れない時もありますが、さすがに10回連続は堪えそうですね。

例文2は釣り人の会話ですね。これから魚釣りに行く、その前に「今日は3人でどれくらい釣れるか競い合う」という話をしている場面です。一人で釣るのが好きな人もいれば、大勢でワイワイ釣るのを好む人もいますね。

例文3は「あそこは波が荒いが、とてもよく魚が釣れる場所だ」という意味です。水の流れや岩場の条件などが合致して、魚が集まりやすいのでしょうか。あまり人が来ないから穴場だ、というニュアンスも感じられますね。

「釣果」の類義語は?違いは?

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「釣果」という言葉自体に類義語はありません。ここでは「釣果」を使った関連表現の類語を紹介します。

「ボウズ」

「ボウズ」は「釣果がない」、つまり全く魚が釣れないという意味の類義語になります。

お坊さんを「ボウズ」と言いますよね。お坊さんはツルツル頭で、毛が1本もありません。この「1つもない」という点から、魚が1匹も釣れないことを「ボウズ」というようになったという説があります。

また「魚が1匹も釣れない」ということは、1匹も殺生しないということですよね。お坊さんは殺生を禁じられていますから、「殺生しない」という共通点で「魚が釣れない」ことを「ボウズ」というようになったという説もあります。

\次のページで「「釣果」の対義語は?」を解説!/

「釣果」の対義語は?

「釣果」自体に対義語はありません。「釣果」の意味である「魚釣りの成果」の反対を考えてみようとしても思いつきませんよね。

「釣果が上がる(魚がたくさん釣れる)」の対義表現は「釣果がない(魚が全く釣れない)」です。このように「釣果がある/ない」という対義での使い分けをすることになります。

「釣果」の英訳は?

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「釣果」の英語表現を見てみましょう。釣りは世界中で昔から行われていますから、英語でも「釣果」に相当する表現はあるはずですね。いったいどのように言うのでしょうか。

その1「catch」

catch」自体は「捕まえる」という意味ですが、「魚を捕まえる」という意味で使われます。「catch」単独で「魚を捕まえる」という意味かどうか判断するのは難しいので、文脈を見て魚の話をしているのかどうか見極めましょう。

Today's catch was eight gobies.
「今日の釣果はバゼが8匹だった」

その2「success of fishing」

「catch」よりさらに直接的に「釣果」を表現できるのが「success of fishing」です。「success」は「成功、成果」、「fishing」は「釣り」という意味ですから、直訳すると「釣りの成功」となりますね。

I'm expecting a success of fishing, so please try your best for us.
「釣果を期待しているから、頑張ってきてね」

\次のページで「その3「fishing results」」を解説!/

その3「fishing results」

fishing results」も「釣果」と同じ意味で使える英語表現です。「results」は「結果、成果」という意味ですから、「fishing results」は「釣りの結果」となりますね。ただし「fishing results」そのものには結果が良かった/良くなかったというニュアンスはなく、客観的に結果を示す時に使われるということを押さえておきましょう。

「釣果」を使いこなそう

この記事では「釣果」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「釣果」は魚釣り用語ですが、「釣り」の考え方はビジネスに活かせると注目されています。魚がいる場所を探すというのは、すなわちお客様が沢山いるマーケットを探すということに相当しますし、適切な餌と釣り方を見極めるというのは、お客様が欲している商品やサービスを提供するということに通じるからです。「お客様を釣る」という表現は直接的でよろしくありませんが、ぜひ釣りの考え方を仕事に活かしていってみてください。

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国語言葉の意味

「釣果」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校校舎長がわかりやすく解説!

この記事では「釣果」について解説する。

端的に言えば釣果の意味は「魚釣りの成果」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「釣果」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「釣果」の意味や語源・使い方まとめ

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「釣果」は「ちょうか」と読みます。「釣」という漢字が使われていることからもわかるように、魚釣りに関係がある言葉です。魚釣りが好きな知人が「今日の釣果はまずますだった」などと使っているのを耳にしたことがあるかもしれません。どんな意味で、どのような使い方をされることばなのでしょうか。

早速「釣果」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「釣果」の意味は?

「釣果」には、次のような意味があります。

魚釣りの成果。釣れた魚の量。また、その獲物。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「釣果」

「釣果」とは魚釣りの成果、釣れた魚の量を意味する言葉です。また釣れた魚そのものを指すこともあります。実際に使う場面では「釣果を競う」「釣果を上げる」となりますね。

ちなみに読み方は「ちょうか」であることに注意しましょう。「釣る」の訓読みが「つる」であるために、「釣果」を「つりか」「つるか」と読みたくなってしまうかもしれませんが、それは誤った読み方ですよ。

「釣果」を上げるためには、魚がいるポイントを見つけ、適切な餌をつけ、掛かるまでじっと待ち、タイミングを見極めて釣り上げるという一連の流れが上手く進むことが大切です。この魚釣りの流れがビジネスにも通じるため、ビジネスを魚釣りに喩える人もいます。ビジネスを魚釣りに喩えるならば、さしずめ「釣果」は「仕事の成果・結果」ということになりますね。

「釣果」の語源は?

次に「釣果」の語源を確認しておきましょう。

「釣」は魚釣りを意味しますね。この漢字は「金属で作られた物をすくいあげるひしゃく」の象形から、魚をつり上げる金属性の「つりばり」を意味するようになったといわれています。

また「果」は「成果・結果」の「果」であり、実りを表す「果実」の「果」ですね。「果」は「木の上にいくつも実がなっている」ことを表して生まれた字です。1つではなく複数の実りを表すために「口」ではなく「田」が当てられているのですね。

この2つの文字が組み合わさり、「魚釣りの成果」を意味する「釣果」になりました。

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