この記事では「意趣返し」について解説する。

端的に言えば意趣返しの意味は「復讐」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを7年経験したgotanを呼んです。一緒に「意趣返し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/gotan

ライター歴7年のgotanが、ささいな言葉の意味について悩んだ経験から言葉にこだわるようになった。普段は合気道やヨガで心身と対話し、ライティングでは言葉と対話している。そんなgotanが「意趣返し」について解説する。

「意趣返し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「意趣返し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「意趣返し」の意味は?

「意趣返し」には、次のような意味があります。

恨み返すこと。仕返し。復讐。
出典:Goo辞書

「意趣返し」の意味は簡単に言えば、「仕返し」ですが、どうして「意趣返し」というのか分からない人も多いのではないでしょうか?しかも、一般的にはそれほど頻繁に使う言葉ではないことから、なんとなく分かっていても本格的に調べてみようと思わないのかもしれません。そんな「意趣返し」について詳しく解説していきます。

「意趣返し」の語源は?

次に「意趣返し」の語源を確認しておきましょう。

「意趣返し」は恨み返すといった意味ですが、「意趣」はもともと中国の言葉で、“恨む”の意味になったのは、日本に伝わってからの中世以降だといわれています。“復讐”や“報復する”という意味合いが強い言葉で、“仕返し”よりも強い恨みの気持ちを表す言葉です。

 

\次のページで「「意趣返し」の使い方・例文」を解説!/

「意趣返し」の使い方・例文

「意趣返し」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.テレビドラマでは意趣返しをするような内容に人気がある。
2.私は長年ライバルへの雪辱を晴らすように意趣返しすることができた。
3.人から恨まれて意趣返しされるのは、日頃から相手のことを思いやることができなかった報いだ。

例文1は、ドラマ「半沢直樹」のように、復讐することを面白がる視聴者がたくさんいるという意味。
例文2は、私は長い間ライバル相手から人気を奪われ、様々な苦渋を味わってきたが、とうとうリベンジすることができたという意味。
例文3は、その人が復讐されたのは、普段からすぐに感情的になって攻撃してくるから、今回も意趣晴らしされたのは当然だという意味。

「意趣返し」の類義語は?違いは?

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「意趣返し」の類義語にあたる言葉は「復讐」「報復」「仇討ち」といったものがありますが、それぞれについて以下に解説します。

その1「復讐」

「復讐」とは、仇討ちや仕返しを意味する言葉ですから、「意趣返し」と似た意味になります「復讐」を使った例文には、たとえば、「あれだけひどい目に遭わされたから、復讐する思いは年々強まるばかりだ」「彼は残りの人生を復讐することだけに費やしてきた」といった使い方があるでしょう。

\次のページで「その2「報復」」を解説!/

その2「報復」

「報復」とは復讐することであり、仕返しするという意味ですから、「意趣返し」と似た意味があります。「報復」を使った例文には、たとえば、「相手への報復を誓ったからには、まずそのために注意深く計画を立てよう」「彼女への報復をずっと考えてきたが、最近では被害者意識が薄れてきて馬鹿らしくなってしまった」といった使い方があるでしょう。

その3「仇討ち」

「仇討ち」とは、仕返しをして相手を殺すという意味で、江戸時代に武士階級で習慣として公認されていましたが、明治6年に廃止されました。今ではあまり使われない言葉ですが、「意趣返し」とよく似た言葉といえるでしょう。「仇討ち」を使った例文には、たとえば、「父の仇討ちはどうしても果たさなければならないことだ」「当時の仇討ちは、武士にとっては当然であり美徳とされていた」などといった使い方をします。

「意趣返し」の対義語は?

「意趣返し」の対義語は、恨みを忘れて許すといった意味になりますから、「水に流す」「容赦する」といった言葉があてはまるでしょう。それぞれについて以下に解説します。

その1「水に流す」

「水に流す」とは、それまでにあったいざこざや揉め事などを、全部なかったことにするという意味であり、長年の恨みを持つ意味の「意趣返し」とは逆の意味となります。「水に流す」を使った例文には、たとえば、「昨日の喧嘩のことは、全て水に長そう」「過去のことは水に流して共に頑張ろう」といった使い方があるでしょう。

その2「容赦する」

「容赦する」とは、大目に見るとか手加減するといった意味があります。また、「容」も「赦」も両方とも許すという意味がありますから、「意趣返し」とは逆の意味になるでしょう。「容赦する」を使った例文には、たとえば、「急なお願いですが、何卒ご容赦願います」や「行き違いがあってこんなことになりましたが、ご容赦頂きたいと思います」といった使い方があります。

「意趣返し」の英訳は?

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「意趣返し」を英語で訳すと「retaliation」(報復)や「revenge」(復讐)といった言葉が当てはまるでしょう。たとえば、「He has done this in revenge」(これは彼が意趣返しにしたこと)といった使い方があります。

\次のページで「「意趣返し」を使いこなそう」を解説!/

「意趣返し」を使いこなそう

この記事では、「意趣返し」の意味や使い方などを説明しました。意趣とはもともと中国語ですが、恨むという意味では使われておらず、「考え」「心ばせ」「理由」といった意味があり、意趣が恨むという意味に変化したのは日本の中世以降だといわれていて「平家物語」にも恨むという意味で書かれています。

また、意趣がどうして「恨み」の意味に変化したのかはよく分かっていませんが、「恨みを含む心の向かうところ」という意味があるようです。いずれにしても長年の恨みを果たすという意味がありますから、軽い気持ちでは使わない言葉として理解しておくべきでしょう。つまり、「仕返し」という意味と似てはいますが、報復するといった意味のほうが近いといえます。

ですから、仕返しはされても「意趣返し」はされないように、普段の言動から他の人から恨みを買わないようにしなければならないでしょう。

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国語言葉の意味

「意趣返し」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「意趣返し」について解説する。

端的に言えば意趣返しの意味は「復讐」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを7年経験したgotanを呼んです。一緒に「意趣返し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/gotan

ライター歴7年のgotanが、ささいな言葉の意味について悩んだ経験から言葉にこだわるようになった。普段は合気道やヨガで心身と対話し、ライティングでは言葉と対話している。そんなgotanが「意趣返し」について解説する。

「意趣返し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「意趣返し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「意趣返し」の意味は?

「意趣返し」には、次のような意味があります。

恨み返すこと。仕返し。復讐。
出典:Goo辞書

「意趣返し」の意味は簡単に言えば、「仕返し」ですが、どうして「意趣返し」というのか分からない人も多いのではないでしょうか?しかも、一般的にはそれほど頻繁に使う言葉ではないことから、なんとなく分かっていても本格的に調べてみようと思わないのかもしれません。そんな「意趣返し」について詳しく解説していきます。

「意趣返し」の語源は?

次に「意趣返し」の語源を確認しておきましょう。

「意趣返し」は恨み返すといった意味ですが、「意趣」はもともと中国の言葉で、“恨む”の意味になったのは、日本に伝わってからの中世以降だといわれています。“復讐”や“報復する”という意味合いが強い言葉で、“仕返し”よりも強い恨みの気持ちを表す言葉です。

 

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