
端的に言えば弁慶の立ち往生の意味は「進退きわまってどうにもならないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役予備校講師で7年目の黒騎士を呼んです。一緒に「弁慶の立ち往生」の意味や例文、類語などを見ていきます。
- 「弁慶の立ち往生」の意味や語源・使い方まとめ
- 「弁慶の立ち往生」の意味は?
- 「弁慶の立ち往生」の語源は?
- 「弁慶の立ち往生」の使い方・例文
- 「弁慶の立ち往生」の類義語は?違いは?
- その1「途方に暮れる」
- その2「のっぴきならない」
- 「弁慶の立ち往生」の対義語は?
- その1「首尾良く運ぶ」
- その2「スムーズに進行する」
- 「弁慶の立ち往生」の英訳は?
- その1「the legend of Musashibo Benkei’s Standing Death in the Battle of Koromogawa」
- その2「situation in which one can move neither forward nor backward; Benkei’s last stand」
- 「弁慶の立ち往生」を使いこなそう
この記事の目次

ライター/黒騎士
2015年から予備校講師として働いて現在に至る。講義以外にも参考書や模擬試験作成が得意。学生から社会人まで幅広く学習に関する情報を発信する。
「弁慶の立ち往生」の意味や語源・使い方まとめ

「弁慶の立ち往生」という言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。弁慶とは何者なのか、立ち往生って何だろうという疑問を解消すべく、意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「弁慶の立ち往生」の意味は?
「弁慶の立ち往生」には、次のような意味があります。
進退きわまってどうにもならないことのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「弁慶の立ち往生」
「弁慶の立ち往生」とは、進むことも退くこともできずどうにもならないことを表します。「弁慶」とは、平安時代末期の僧兵である武蔵坊弁慶のことです。「往生」とは死ぬことであるため、「立ち往生」とは立ったまま死ぬことになります。転じて途中から前にも後にも動けなくなる状況を「立ち往生」と意味するようになりました。
「弁慶の立ち往生」は弁慶が前にも後にも動けなくなったと捉えることができますが、弁慶に関する歴史を学ぶことでこの言葉への理解がより深まります。それでは歴史を紐解きながら語源を確認していきましょう。
「弁慶の立ち往生」の語源は?
弁慶は武士と決闘を繰り返し、1000本の刀を奪おうと企てます。1000本目に出会ったのが、後に壇ノ浦の戦いで平氏を滅ぼす源義経でした。弁慶は義経に闘いを挑みますが、返り討ちにあい降参します。以降、義経と主従関係を結び忠臣として活躍し、平家討伐の功績を立てました。
その後義経は、鎌倉幕府の初代征夷大将軍として有名な源頼朝との間に確執が深まります。対立し逃避行する中でも弁慶の忠誠心は堅く、義経に同行しました。義経一行は奥州平泉へ身を隠しますが、頼朝の指示により襲われます。これを衣川の合戦と言いますが、弁慶は義経を守るため薙刀を振るい1人奮闘するも多勢に無勢。堂の入り口で袋の鼠となり、雨あられのように降り注ぐ矢を全身に受け、立ったまま絶命しました。その死に様が由来となり、「弁慶の立ち往生」として伝説となり後世へ語り継がれます。
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