
生産構造は、生態系や植生の遷移などを学ぶ場面で出てくることがある。少し複雑に見えるグラフが登場するため、苦手意識をもつやつも多い内容ですが、見方さえ分かってしまえば難しいことはないぞ。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。
- 生産構造とは?
- 生産構造図
- 広葉型とイネ科型
- 広葉型
- イネ科型
- 草原ではイネ科型が優性!
- 広葉型とイネ科型の”違い”に着目!
この記事の目次

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
生産構造とは?
生物学で登場する生産構造(せいさんこうぞう、英語:productive structure)とは、「植物群落を、同化器官と非同化器官の垂直分布に基づいて分析する考え方」です。群落構造などともよばれます。1950年代に日本人研究者によって提唱されました。
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では、もう少しかみ砕いてみましょう。
生産構造というのは、簡単な言葉で説明すれば「植物の集団(=植物群落)を縦方向にみて、光合成する部分(=同化器官)とそれ以外の部分(=非同化器官)がどれくらい存在しているかに注目する考え方」といえます。
”同化器官”は光合成に使われる器官ですので、主に葉のことを指すと思ってください。

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ポイントは、それぞれの植物のもつ葉や葉以外の単純な量ではないというところ。”縦方向(垂直方向)”ですので、地表からの高さがポイントになります。
地面から離れた高い場所に葉が多いのか、地面付近の低い位置に葉が多いのか…このような着目点で植物を分析するのが、生産構造という考え方です。
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