
「六道輪廻」の対義語は?
「六道輪廻」の類義語について見ていきましょう。厳密な対義語とは言い難い面もありますが、対となる思想をいくつか挙げました。
その1「涅槃/解脱」
これらの語は仏教における究極の目標です。全ての煩悩を滅し、(六道)輪廻の輪から解放された状態のことを指します。カタカナ語の「ニルヴァーナ(निर्वाण:nirvāṇa)」を耳にしたことがある人もいるかもしれません。細かな定義は宗派によって異なりますが、上に述べた意味は共通しています。なお、釈迦の死(入滅)を指して(大般)涅槃の語が使われることもあるようです。
その2「四聖/悟界」
十界の内、迷いの世界である六道に対して、覚りの世界である声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界をまとめて「四聖」または「悟界」と呼びます。ただし、この四つは覚りまでの道筋という側面が強いです。声聞界は仏教を学ぶ状態
、縁覚界が内面が意識的に悟りになった状態、菩薩界は仏の使いとなった状態、仏界は悟りをそれぞれ表します。仏界以外はまだ迷いとしての要素があるため、正しく対義語なのは仏界のみともいえるでしょう。
「Reincarnation of the Six Realms」
「六道輪廻」に直接対応する定訳というものは存在しません。その上で「六道」「輪廻」に分けて考えると、まず「六道」は主に「Six Realms」と訳されます。「realm」は領域や範囲・部門などを意味する語です。また、「輪廻」には「reincarnation」「rebirth」「transmigration」「Samsara」などが対応します。これらを比較的自由に組み合わせることで、英訳が可能です。より単純に、「the six transmigration」などの形で表す場合もあります。
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