
「六道輪廻」の使い方・例文
「六道輪廻」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は仏教の専門用語であるため、意味の幅はほとんどありません。「六道」「輪廻」それぞれは日常的に使われることもありますが、「六道輪廻」の形では宗教的な文脈に限られるでしょう。
1.この絵画は六道輪廻をテーマとしている。
2.六道輪廻の間にはともなう人もなかりけり
どちらの例文も、これまで紹介した通りの意味で使われています。1の六道輪廻をテーマとした絵画として、「六道輪廻図」というものが有名です。これは円形の中に六道それぞれが描かれ、さらにその外環には十二縁起、内環には三毒が描かれています。十二縁起とは人間の苦しみの原因を表し、三毒とは克服すべき三つの煩悩を表したものです。上部に掲載している画像はまさにこれですので、確認してみて下さい。
また、2は一遍という鎌倉時代の僧侶の言葉です。日本史を学んだ人であれば、時宗の開祖として知っているかもしれません。この言葉は、いくら現世で多くの財宝を持ち人に囲まれて暮らしても、死後は絶対的に孤独であることを示しています,一遍は、そうした絶対的な孤独に直面して初めて救いの道を見出すことができると説きました。
「輪廻転生/流転輪廻」
どちらも仏教で使われた場合には、基本的に「六道輪廻」と同様の意味を持ちます。しかし、これらの語は六道に限らず輪廻思想を指す語であるため、必ずしも仏教に限りません。バラモン教やヒンドゥー教、ジャイナ教などでも輪廻の概念自体は共有されています。これらの教義では輪廻における主体として永遠不滅の我(アートマン)が想定されるのに対し、仏教ではそれを否定する(無我)点が大きな違いです。
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