この記事では「感嘆」について解説する。

端的に言えば感嘆の意味は「感心してほめたたえること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「感嘆」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「感嘆」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「感嘆」という言葉をご存じでしょうか?「感嘆のため息が漏れる」「感嘆の声をあげた」などと耳にしたことがあると思います。初めて耳にした場合でも、なんとなく意味をイメージする事は出来るかもしれませんが、正しい意味を理解する事は大切です。「感嘆」は間違った使い方をしてしまうと、相手に誤解を招くこともあります。それでは早速「感嘆」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「感嘆」の意味は?

「感嘆」には、次のような意味があります。

1.感心してほめたたえること。
2.感じ入ること。 
「―の声をあげる」「熱意と努力に―する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「感嘆」

「感嘆」とは、「かんたん」と読み「感心してほめたたえること」という意味です。感心、感激のあまりにため息や声を漏らす様子、褒め称える様を表します。多くの場合、上記の意味で「感嘆」が使われますが、一方で「嘆き悲しむ」という意味もあるのです。「感嘆」の「嘆」は、「なげく」とも読み、「ため息をつく、感動すること」という意味。しかし、一般的には前者の意味で使われる事が多いため、後者の「嘆き悲しむ」という意味で使われる事は稀です。

「感嘆」の語源は?

次に「感嘆」の語源を確認しておきましょう。「感嘆」の「感」には、「外部の物に触れ、心が動く」という意味があります。「嘆」は前述でも紹介した通り、「ため息をつく、感動すること」という意味です。この2つが組み合わさる事で、「感心してほめたたえること」「嘆き悲しむ」の意味を持つ「感嘆」という言葉になります。

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「感嘆」の使い方・例文

「感嘆」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.謎の暗号を容易く解いた男性に、周りの人々が思わず感嘆の声をあげる。
2.毎日のように勉強しても全く成績が上がらないことに感嘆のため息がもれる。
3.必死に取り組んできたプロジェクトが突如として打ち切りになり、感嘆のため息がもれた

それぞれの例文について、詳しく見ていきましょう。例文1の「感嘆」は、「感心してほめたたえること」という意味での使い方です。「感嘆の声」とは、人が驚いたり感心したりした時の歓声を表しています。「周りの人が感嘆の声をあげる」となると、周りの人々が感心したり驚いたりして、ついつい大きな声で叫んでしまう様子を表しているのです。

例文2の場合、「なげき悲しむこと」という意味での使い方になります。「ため息」とは、失望や気苦労からくる吐息の事です。「感嘆のため息が漏れる」とすると、悲しみなどから思わず吐息が出てしまう事を意味しています。例文2の場合では、勉強しても成績が変わらない事から、「感嘆のため息」が漏れた事が分かりますね。例文3の場合には、必死に取り組んできたプロジェクトが打ち切りになった事から、感嘆のため息が漏れた事が分かるでしょう。

「感嘆」の類義語は?違いは?

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「感心してほめたたえること」「嘆き悲しむ」という意味がある「感嘆の類義語は何があるのでしょうか。

その1「感銘」

「感銘」は「かんめい」と読み、「深く感動して忘れないこと」という意味です。人生に大きく影響し、生涯忘れる事はできないような感動を表します。大きく感動し、感動した度合いを伝えたいときに効果的に使いましょう。

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その2「敬服」

「敬服」は「けいふく」と読み、「うやまって従うこと。感心しうやまうこと」という意味です。「社長の判断には、敬服いたします」といったように、自分と同等またはそれ以上の相手に使う事が出来ます。似た意味を持つ「感服」の使い方に自信がない方は、この「敬服」を使うと良いでしょう。

その3「感服」

「敬服」と同様に、目上の方に対する言い換え表現として使える言葉で「感服」があります。「感服」とは「かんぷく」と読み、「感心して敬服すること」という意味。目上の人だけではなく、目下の人にも使えるため、幅広い使い方が出来ます。目上の人には特に「感服いたしました」のようにすると、丁寧でしょう。

その4「驚嘆」

「驚嘆」と書いて「きょうたん」と読み、「ひどく感心すること。思いがけない出来事に会って驚くこと」という意味です。思いがけなかった驚くほどの素晴らしい事が起きて感動する、といったことを表現する際に用いられます。

「感嘆」の対義語は?

「感心してほめたたえること」という意味を持つ「感嘆」の対義語には、「嘲笑」「罵倒」が挙げられます。

その1「嘲笑」

「嘲笑」は「ちょうしょう」と読み、「あざけって笑いものにすること」という意味です。例えば「友人の失敗を嘲笑する」といった風に使います。「感心してほめたたえること」という意味を持つ「感嘆」の対義語と言えるでしょう。

その2「罵倒」

「罵倒」とは、「激しくののしること」という意味です。「ほめる」といったニュアンスを持つ「感嘆」の対義語と言えます。「罵倒」は他人に対して行う行為で、「相手を罵倒する」「罵倒される」といった言い回しで使われる事が多いです。

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「感嘆」の英訳は?

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「感嘆」は英語だとどういった表現になるのでしょうか。

「admiration」

「感嘆」を英語で表現する場合には、「admiration」を使います動詞の「感嘆する」の場合は「admire」を用いましょう。名詞の「admiration」には、「感嘆」だけではなく「感心」や「称賛」、「憧れ」などの意味も含まれています。では実際に例文も見ていきましょう。

I was filled with admiration for her talent.(彼女の才能に感嘆した)

I feel admiration for his work.(彼の作品に感嘆した)

I have great admiration for your achievement.(あなたの功績に感嘆しています)

「感嘆」を使いこなそう

この記事では「感嘆」の意味・使い方・類語などを説明しました。「感嘆」は「かんたん」と読み、「感心してほめたたえること」「嘆き悲しむ」という意味。「ほめる」というニュアンスが強いため、目上の人に使う場合には注意が必要です。上司や、先輩といった目上の相手に対しては、「感銘」や「敬服」といった言葉を使いましょう。

日常生活やビジネスシーンは、「感心してほめたたえること」という意味で使われる事が多いです。「感嘆」の正しい意味と使い方を理解し、使いこなしていきましょう

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国語言葉の意味

「感嘆」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

その2「敬服」

「敬服」は「けいふく」と読み、「うやまって従うこと。感心しうやまうこと」という意味です。「社長の判断には、敬服いたします」といったように、自分と同等またはそれ以上の相手に使う事が出来ます。似た意味を持つ「感服」の使い方に自信がない方は、この「敬服」を使うと良いでしょう。

その3「感服」

「敬服」と同様に、目上の方に対する言い換え表現として使える言葉で「感服」があります。「感服」とは「かんぷく」と読み、「感心して敬服すること」という意味。目上の人だけではなく、目下の人にも使えるため、幅広い使い方が出来ます。目上の人には特に「感服いたしました」のようにすると、丁寧でしょう。

その4「驚嘆」

「驚嘆」と書いて「きょうたん」と読み、「ひどく感心すること。思いがけない出来事に会って驚くこと」という意味です。思いがけなかった驚くほどの素晴らしい事が起きて感動する、といったことを表現する際に用いられます。

「感嘆」の対義語は?

「感心してほめたたえること」という意味を持つ「感嘆」の対義語には、「嘲笑」「罵倒」が挙げられます。

その1「嘲笑」

「嘲笑」は「ちょうしょう」と読み、「あざけって笑いものにすること」という意味です。例えば「友人の失敗を嘲笑する」といった風に使います。「感心してほめたたえること」という意味を持つ「感嘆」の対義語と言えるでしょう。

その2「罵倒」

「罵倒」とは、「激しくののしること」という意味です。「ほめる」といったニュアンスを持つ「感嘆」の対義語と言えます。「罵倒」は他人に対して行う行為で、「相手を罵倒する」「罵倒される」といった言い回しで使われる事が多いです。

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