悲しくて「いたたまれない」
まずは悲しい気持ちを原因とする「いたたまれない」例を紹介します。
・事故で妻を失った友人の葬儀に参列した。友人はもちろん悲しみにくれていたが、妻の妹が大声で泣きじゃくっていて、いたたまれなかった。
・彼女の車なので慎重に運転していたつもりだったはずが、駐車場を出るとき隣の車に接触してしまった。助手席の彼女に責められて、いたたまれなかった。
悔しくて「いたたまれない」
次に、悔しい気持ちに伴う「いたたまれない」の例です。
・今月の営業成績も、販売員10人の中で最下位。先月の打ち上げでついつい「次は3位以内を目指す!」と豪語しただけに、成績発表の場ではいたたまれなかった。
・首位打者まであと一息だったのに、最終打席で敬遠され、いたたまれなかったよ。
恥ずかしくて「いたたまれない」
最後に、恥ずかしい思いによって「いたたまれない」例です。
・寝坊してしまって慌てていたので、Tシャツを裏返しに着て電車に乗っていたらしい。大学の教室に着いて初めて友人に指摘されたときは、いたたまれなかったな。
・つい居眠りしてしまい、名前を呼ばれて「おはようございます!」と言ってしまった。いたたまれない……。
「悲しい」「悔しい」「恥ずかしい」という三つの気持ちによって、それぞれ、その場にいられないような感情に陥った例文を紹介しました。当然ながら、この三つは完全に分離できるものではなく、「悲しいし、悔しい」「悔しくて、恥ずかしい」「悲しく、悔しく、恥ずかしい」のような複雑な感情に基づく「いたたまれない」もあるでしょう。
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