この記事では「コンピレーション」について解説する。

端的に言えばコンピレーションの意味は「編集したもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「コンピレーション」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「コンピレーション」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「コンピレーション」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「コンピレーション」の意味は?

「コンピレーション」には、次のような意味があります。

1.編集。編集したもの。
2.「コンピレーションアルバム」の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「コンピレーション」

私たちが日常で「コンピレーション」という言葉を聞くのは、CDやデジタル音源の「コンピレーションアルバム」にまつわる場合が多いのではないでしょうか。その証拠とでもいいますか、上の辞書の2の意味にあるとおり「コンピレーション」だけで「コンピレーションアルバム」をさします。

「コンピレーション」のもともとの意味は「編集」です。コンピレーションアルバムとは、ある意図をもって編集した音楽CDやデジタル音源のこと。聞くだけで元気が出るような曲、ジャズの名曲、今年のヒット曲など、それぞれのテーマで集めてアルバムにまとめたものを「コンピレーションアルバム」といいます。

あるアーティストのそれまでのヒット曲を集めた「ベストアルバム」も、コンピレーションアルバムの仲間ですよ。「ヒットした有名曲」のみを収録するというコンセプトのもと、作られたアルバムということですね。

「コンピレーション」の語源は?

次に「コンピレーション」の語源を確認しておきましょう。「コンピレーション」の語源は英語の「compilation」。意味は「編集」「編集物」です。日本語の意味と同じですね。

「compilation」の動詞形は「compile」で、「集める」「編集する」という意味があります。「compile」は、ラテン語の「com-(一緒に)」と「pilo(毛を抜く)」に由来するそう。「毛を抜いて一緒にする」という意味から「集める」へつながったと考えられています。

\次のページで「「コンピレーション」の使い方・例文」を解説!/

「コンピレーション」の使い方・例文

「コンピレーション」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.最近人気の海外ロックが聞けるコンピレーションアルバムを購入したら、初めて知ったガールズバンドのサウンドがすごく良くて、関連のライブ動画も見まくってしまった。
2.ハウス中心の80年代のコンピレーションアルバムがまた発売されたけど、今回はセレクトのセンスが良いというか、ネットのレビューの評判も高いよ。
3.「ブルーハーツが聴こえる」っていう映画、6人の監督がそれぞれ一つの楽曲をモチーフにして作品を作ったんだってね、またコンピレーション聞きたくなってきたわ。

例文1に出てくるのは、最近人気がある洋楽ロックバンドの楽曲を集めた「コンピレーションアルバム」です。例文2はハウスミュージック中心の80年代の音楽の「コンピレーションアルバム」。さまざまなコンピレーションアルバムがありますが、CDショップの店頭に並んでいたり音楽配信サービスで表示されていたりするのを見たことがあるでしょうか。

例文3では、コンピレーションアルバムを略して「コンピレーション」と使っています。長らく人気を誇るアーティストは、ヒット曲を集めた「ベスト盤」以外にもしっとり落ち着いた曲を集めた「バラード盤」、B面曲(メインでない曲)のみで作った「裏ベスト盤」など、さまざまなコンピレーションアルバムを出している場合もありますよ。

「コンピレーション」の類義語は?違いは?

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「コンピレーション」の類義語には「オムニバス」や「アンソロジー」があります。

その1「オムニバス」

「オムニバス」は、日本語においては「コンピレーション」とほぼ同じ意味です。共通の雰囲気や目的を持っている作品を、一つにまとめたもののことですね。

英語の「オムニバス(omnibus)」は「総集編」「廉価版」というような意味合いです。あるコンセプトのもとに編集した音楽アルバムのことは、英語では「オムニバス」は使わず「コンピレーションアルバム(compilation album)」とのみよびます。

日本語で使う場合にも、「コンピレーション」の方が「ある意図のもとに作った」という感じが伝わる気がしますね。

\次のページで「その2「アンソロジー」」を解説!/

その2「アンソロジー」

「アンソロジー」は「作品集」と考えると分かりやすいです。テーマに沿ったものを集める点は「コンピレーション」と似ています

例えば「万葉集」や「小倉百人一首」、はたまた卒業のときに作る「卒業文集」も「アンソロジー」に分類されるのですよ。ビートルズ解散後に作られた「ザ・ビートルズ・アンソロジー」は、アルバム・ドキュメンタリービデオ・ドキュメンタリーブックからなる作品集です。

「コンピレーション」とのニュアンスの違いを感じられたでしょうか。「コンセプトをもって編集した」という意味を表すには、「コンピレーション」の方がしっくりくるようですね。

「コンピレーション」の対義語は?

「コンピレーション」を「コンピレーションアルバム」の略語と考えると、対義語には「スタジオアルバム」があげられます。

「スタジオアルバム」

「スタジオアルバム」とは、スタジオで新しく録音した曲をまとめたアルバムのことです。「オリジナルアルバム」ともいいます。

「コンピレーションアルバム」は、すでにある曲をあるテーマに沿って集めたものです。対になっているといえそうですね。

ただし、「スタジオアルバム」の対義語には「ライブアルバム」もあげられます。観点により対義語が変わるので注意しましょう。

「コンピレーション」の英訳は?

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「コンピレーション」の英訳は「compilation」です。

「compilation」

「compilation」の意味は「編集」「編集物」。日本語の「コンピレーション」と同じ意味ですね。よって日本語の「コンピレーション」は、そのまま「compilation」と英訳して使うことができます

ただし、「コンピレーションアルバム」の略語として使う「コンピレーション」の英訳は「compilation album」ですよ。英語の「compilation」は「編集したもの」を表すのにとどまります。「compilation」だけで「コンピレーションアルバム」という意味は表しません

また、カタカナ言葉が日本独自のニュアンスを持つように、英語にも独特のニュアンスがあるものです。例えば以下に示す文章は「編集」では訳せないかもしれません。「編集」の意味を広げてうまく意訳できるとよいですね。

This is my compilation.(これが私の集大成です。)

\次のページで「「コンピレーション」を使いこなそう」を解説!/

「コンピレーション」を使いこなそう

この記事では「コンピレーション」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「コンピレーション」には「編集」という意味があり、ある意図をもって編集された音楽アルバムのことを「コンピレーションアルバム」といいます。

好きなアーティストの曲を聴きこむのも良いですが、コンピレーションアルバムを流して、雰囲気ある空間を楽しむのも素敵ですね。

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国語言葉の意味

「コンピレーション」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「コンピレーション」について解説する。

端的に言えばコンピレーションの意味は「編集したもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「コンピレーション」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「コンピレーション」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「コンピレーション」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「コンピレーション」の意味は?

「コンピレーション」には、次のような意味があります。

1.編集。編集したもの。
2.「コンピレーションアルバム」の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「コンピレーション」

私たちが日常で「コンピレーション」という言葉を聞くのは、CDやデジタル音源の「コンピレーションアルバム」にまつわる場合が多いのではないでしょうか。その証拠とでもいいますか、上の辞書の2の意味にあるとおり「コンピレーション」だけで「コンピレーションアルバム」をさします。

「コンピレーション」のもともとの意味は「編集」です。コンピレーションアルバムとは、ある意図をもって編集した音楽CDやデジタル音源のこと。聞くだけで元気が出るような曲、ジャズの名曲、今年のヒット曲など、それぞれのテーマで集めてアルバムにまとめたものを「コンピレーションアルバム」といいます。

あるアーティストのそれまでのヒット曲を集めた「ベストアルバム」も、コンピレーションアルバムの仲間ですよ。「ヒットした有名曲」のみを収録するというコンセプトのもと、作られたアルバムということですね。

「コンピレーション」の語源は?

次に「コンピレーション」の語源を確認しておきましょう。「コンピレーション」の語源は英語の「compilation」。意味は「編集」「編集物」です。日本語の意味と同じですね。

「compilation」の動詞形は「compile」で、「集める」「編集する」という意味があります。「compile」は、ラテン語の「com-(一緒に)」と「pilo(毛を抜く)」に由来するそう。「毛を抜いて一緒にする」という意味から「集める」へつながったと考えられています。

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