この記事では「ダークサイド」について解説する。

端的に言えばダークサイドの意味はそのまま日本語の「暗黒面」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語検定一級を持ち、文学部に所属する現役大学生ライターである文学少女を呼んです。一緒に「ダークサイド」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/文学少女

文学部で学んでいる読書好きの現役大学生。大学のみならず、日々の読書や日本語検定・漢字検定などで学んだ知識を活かして、種々の言葉を丁寧に解説する。

「ダークサイド」の意味や語源・使い方まとめ

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スターウォーズファンならば常識ともいえるこの語。それ以外でも漫画やアニメ・ネットスラングで聞き馴染みのある方も少なくないのではと思います。それでは早速「ダークサイド」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ダークサイド」の意味は?

皆さん御存知の通り、この語は数多くの固有名詞(キャラクター名、バンド名、企画名など)に使われています。ここではページの都合上それらすべてを紹介することは難しいため、ごく一般的なものについてのみ見ていくつもりです。「ダークサイド」には、次のような意味があります。

社会や人生の暗黒面。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ダークサイド」

人間や人間社会における醜悪な面を意味する語です。これは、はじめに語を見た時に掴んだイメージとかなり近いのではないかと思います。

また、映画「スター・ウォーズ」シリーズ用語としての意味も有名でしょう。これは、「フォース」というある種の力の内、憎しみや恐怖などの負の感情を基にして生み出されるものを指します。これは正義の騎士が自分自身の弱さに負けたが故の結果です。

現在ではこの語は様々な場に普及していますが、ほとんどはスター・ウォーズの方が元ネタとなっています。ただし、そちらについても俗語として意味が一般化していくにつれ、最初の辞書的な意味との区別が曖昧になってきているのが現状です。その意味では、広く負の面を表す語といってよいかもしれません。近年の作品ではこうした流れを踏まえ、多くのヴィラン(悪党)役にこの語が使われるようになっています。

「ダークサイド」の語源は?

次に「ダークサイド」の語源を確認しておきましょう。英語の「dark side」をそのままカタカナ語にした単語です。darkは「暗い」、sideは「側面」をそれぞれ意味します。

この語を使った有名な成句として「dark side of the moon」というものを知っておきましょう。これは「月の裏側」を意味する語です。もしかしたら映画「トランスフォーマー」のタイトルで耳にしたことがあるかもしれません。しかし、実際には月の裏側がずっと暗いわけではないということに注意が必要です。地球から見えないことが生まれる謎めいた感じが「dark」の語感に繋がったのかもしれませんね。なお、より正確に月の裏側を指す成句は「Far side of the Moon」です。

\次のページで「「ダークサイド」の使い方・例文」を解説!/

「ダークサイド」の使い方・例文

「ダークサイド」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.そのヒロインは残念ながらダークサイドに堕ちてしまい、宇宙を支配することを企むようになった。
2.お試しにと勧められた商品から、本人が気づかない内にダークサイドに足を踏み入れてしまい、事件に巻き込まれた。
3.あのキャストはヒーローや救世主役が多いが、今回はダークサイドが強調された知能犯を演じるためその新鮮味から注目が集まっている。

例文1のように「ダークサイドに堕ちる」の形で使われることが比較的多く、これは人間性が腐っていくことやひねくれてしまうこと、悪役になってしまうことを意味します。スター・ウォーズにおいて正義の騎士ジェダイが「堕」落してダークサイドの力を発揮することに由来するようです。「悪堕ち」などの言葉を想像すると分かりやすいかもしれません。例文2のダークサイドは「社会や組織の悪い部分」という意味で使われています。対して、例文3は「人間性の悪い部分」もしくは「人生の悪い部分や暗い過去」という意味です。どちらも対象が違うだけで、負の面を表しています。

「ダークサイド」の類義語は?違いは?

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次に、「ダークサイド」の類義語について見ていきましょう。

その1「ダークトライアド」

心理学の用語で、ナルシシズム・マキャヴェリズム・サイコパシーという負のパーソナリティの総称です。「ダーク」は、これらの特性が悪の気質としての側面が強いことを表しています。まずナルシシズムは自己愛が強く、誇大性・自尊心の高さや共感の欠如が特徴です。次のマキャヴェリズムは、人間関係の操作や搾取を積極的に行い、道徳を無視するなどの傾向があります。そして最後のサイコパシーは、「サイコパス」の語で有名かもしれません。反社会的行動を継続することや、衝動性や利己主義などが中心となる特性です。人間のダークサイド的な側面を説明する語の一つがダークトライアドだと覚えておきましょう。

\次のページで「その2「影(シャドー)」」を解説!/

その2「影(シャドー)」

ただの影ではありません。こちらも心理学の概念の一つです。特に、ユング心理学という分野の用語となっています。自分自身の認めがたい部分や、その人の人生において生きてこられなかった側面を表す語です。例えば「優しい人」はその対としての「厳しい人」として生きていません。深層心理学について研究していたユングは、そうした「生きられなかった私」が「無意識」の中に潜むと考えました。これが「影(シャドー)」です。

「ダークサイド」の対義語は?

「ダークサイド」の対義語についても見ていきます。

「ライトサイド」

光明面とも。「ダークサイド」と比べると格段に使用頻度は落ちます。こちらもスター・ウォーズの用語であり、正義の心で使われるフォースのことです。劇中の登場人物になぞらえるなら、ダークサイドの代表がダースベーダーであり、ライトサイドの代表がヨーダであると言えるでしょう。なお、こちらには「ダークサイド」のようにスター・ウォーズから離れた一般的な名詞としての意味はほぼありません。

「ダークサイド」の英訳は?

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「ダークサイド」の英訳は「dark side」 です。語源の欄で既に言及したため、ここで再度説明は繰り返しません。

「ダークサイド」を使いこなそう

この記事では「ダークサイド」の意味・使い方・類語などを説明しました。この語は、様々な場面で使われています。独自に意味に改変を加えているものも少なくありませんが、その場合でもこれまで紹介した核の意味を把握することで分かりやすくなるのではないでしょうか。創作物などでこの語が登場したら、この記事のことを思い出してみたください。

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国語言葉の意味

「ダークサイド」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生がわかりやすく解説!

この記事では「ダークサイド」について解説する。

端的に言えばダークサイドの意味はそのまま日本語の「暗黒面」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語検定一級を持ち、文学部に所属する現役大学生ライターである文学少女を呼んです。一緒に「ダークサイド」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/文学少女

文学部で学んでいる読書好きの現役大学生。大学のみならず、日々の読書や日本語検定・漢字検定などで学んだ知識を活かして、種々の言葉を丁寧に解説する。

「ダークサイド」の意味や語源・使い方まとめ

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スターウォーズファンならば常識ともいえるこの語。それ以外でも漫画やアニメ・ネットスラングで聞き馴染みのある方も少なくないのではと思います。それでは早速「ダークサイド」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ダークサイド」の意味は?

皆さん御存知の通り、この語は数多くの固有名詞(キャラクター名、バンド名、企画名など)に使われています。ここではページの都合上それらすべてを紹介することは難しいため、ごく一般的なものについてのみ見ていくつもりです。「ダークサイド」には、次のような意味があります。

社会や人生の暗黒面。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ダークサイド」

人間や人間社会における醜悪な面を意味する語です。これは、はじめに語を見た時に掴んだイメージとかなり近いのではないかと思います。

また、映画「スター・ウォーズ」シリーズ用語としての意味も有名でしょう。これは、「フォース」というある種の力の内、憎しみや恐怖などの負の感情を基にして生み出されるものを指します。これは正義の騎士が自分自身の弱さに負けたが故の結果です。

現在ではこの語は様々な場に普及していますが、ほとんどはスター・ウォーズの方が元ネタとなっています。ただし、そちらについても俗語として意味が一般化していくにつれ、最初の辞書的な意味との区別が曖昧になってきているのが現状です。その意味では、広く負の面を表す語といってよいかもしれません。近年の作品ではこうした流れを踏まえ、多くのヴィラン(悪党)役にこの語が使われるようになっています。

「ダークサイド」の語源は?

次に「ダークサイド」の語源を確認しておきましょう。英語の「dark side」をそのままカタカナ語にした単語です。darkは「暗い」、sideは「側面」をそれぞれ意味します。

この語を使った有名な成句として「dark side of the moon」というものを知っておきましょう。これは「月の裏側」を意味する語です。もしかしたら映画「トランスフォーマー」のタイトルで耳にしたことがあるかもしれません。しかし、実際には月の裏側がずっと暗いわけではないということに注意が必要です。地球から見えないことが生まれる謎めいた感じが「dark」の語感に繋がったのかもしれませんね。なお、より正確に月の裏側を指す成句は「Far side of the Moon」です。

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