この記事では「欣快」について解説する。

端的に言えば欣快の意味は「非常に喜ばしいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者でライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「欣快」の意味や例文、類語などを見ていきます。

「欣快」の意味や語源・使い方まとめ

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欣快」は、きんかいと読みます。ただそのまま読むだけであれば、誰でもそれほど難しくないでしょう。しかしながら、普段あまり頻繁に使われる日本語ではなく、小説など印刷物を読むと時々出てくる程度で、なじみが少ない人も多いはず。それでは早速「欣快」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「欣快」の意味は?

はじめに、「欣快」の正確な意味を、辞書・辞典からの引用で確かめてみましょう。「欣快」には、次のような意味があります。

[名・形動]非常にうれしいこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「きん-かい【欣快】」

欣快の意味は、非常にうれしいこと、または、非常にうれしい様子です。つまり、それぞれの人の内面だけでなく外見からも、とても喜ばしい結果、楽しいこと、幸せな物事などに遭遇した時に、その時の自分の思いや気持ち、感情などをストレートに表現、行動した際に使われる言葉といえます。

「欣快」の語源は?

次に「欣快」の語源を確認しておきましょう。

欣快の語源はわかっていません。言葉を紐解くと、まず、欣のへんである「斤」は、木材を伐採するのに使う斧の象形であり、つくりの「欠」は余分なものをかきとるという意味です。つまり、不要なものをすっきり削り取ってしまう、といった意味に通じます。

一方、快は、快い、気持ち良い、さわやかなどの意味を持つ単語です。

昔からよく使われてきた「欣快の至り」という言葉があります。至りは極み、頂点といった意味なので、もうこれ以上ない非常に喜ばしい気持ち、とてもうれしくてたまらない、といった感情も、この言葉からはっきりと垣間見られる表現です。

\次のページで「「欣快」の使い方・例文」を解説!/

「欣快」の使い方・例文

それでは、「欣快」の使い方を、実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.この場でお会いでき、お目にかかれたのは、欣快の至りだ。
2.本日はご機嫌うるわしく、欣快至極である。
3.何百人の中から選ばれたことは、欣快と思う次第だ。
4.予想をはるかに超える出来事が起き、欣快に堪えない。

例文1は、欣快で最もよく使われる言葉である「欣快の至り」が入った文章です。会いたい人に会えたことが、これ以上ない喜びという意味がよくわかるでしょう。

例文2も、例文1と同じ意味です。ただ、至りが至極となると、さらにもっと喜ばしいという気持ちがより伝わって来ます。

例文3は、至りや至極が付いていないものの、喜ばしい、うれしいという思いは同じです。

例文4の意味は、自分のうれしいという気持ちが抑え切れないほど、あふれ出てくることを指します。

「欣快」の類義語は?違いは?

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欣快の類義語としては「陶然たる」「狂喜」「有頂天」などがあります。

その1「陶然たる」

陶然たる、という用語は、最近あまり馴染みがないかもしれません。陶然とは、酒に酔ってよい気持ちになる、うっとり気分よい様子といった意味があります。

「美酒に陶然と酔いしれる」といった表現で使われるのが一般的です。大きな狂喜あるいは喜びを感じる時に使われます。

\次のページで「その2「狂喜」」を解説!/

その2「狂喜」

狂喜は、気が狂いそうなほど喜ぶ、激しく喜ぶといった意味です。「狂喜乱舞」といった言葉でよく知られています。

喜びが大きいのは、欣快と同じ意味ではあるものの、狂喜の異常なまでに喜ぶさまと比べると、上で紹介した「陶然たる」とは若干意味が異なることもあるので注意が必要です。

また、同じ読み方でも、狂気とは意味がまったく違いますので、タイプミスなどないよう、くれぐれも気を付けましょう。

その3「有頂天」

有頂天は、欣快とほぼ同義語です。大きな狂喜や喜び、意気揚々した至福の状態といった、非常にうれしい、喜ばしい様子を表現した言葉になります。

ちなみに、有頂天は仏教における世界観の1つで、天上界における最高の天であるという仏教用語でもあるのです。

「欣快」の対義語は?

欣快の対義語は「愁傷」で、しゅうしょうと読みます。欣快が非常にうれしい意味であるのに対し、愁傷は嘆き悲しむという意味です。愁傷の類義語として、傷心、憂き目、哀惜などがあり、これが欣快の対義語に当たると捉えることもできるでしょう。

「愁傷」

愁傷には、2つの意味があります。1つは、嘆き悲しむこと。もう1つが、相手を気の毒に思うことです。

特によく使われるのが「ご愁傷様です」との言葉でしょう。身内などを失った人に対するお悔やみの言葉としてお馴染みです。からかって「会社へ休日出勤、ご愁傷様」と使われる場合もあるものの、軽々しく使うのはあまりおすすめできません。

「欣快」の英訳は?

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欣快の英訳として「delight」「pleasant」などのほか、「ecstasy」「rapture」といった言葉も該当します。

その1「delight」

「delight」は、さまざまな喜びを総じて表現する意味を持つ英単語です。名詞、他動詞・自動詞どちらでも使います。ちょっとうれしいことから、大喜びすることまでいずれもdelightを使って表現することができるので、とても便利な単語です。「pleasant」も同義語に当たります。

それでは、例文を見てみましょう。

\次のページで「その2「ecstasy」」を解説!/

My son's growth is supreme delight for me.

我が息子の成長は、欣快の至り。

I can't contain my delight in front of great view.

私は素晴らしい眺めを前に、欣快に堪えられない。

その2「ecstasy」

「ecstasy」の意味は、欣快に加え、無我夢中、有頂天などです。複数形はecstasiesとなります。「rapture」もほぼ同義語で、歓喜や狂喜、有頂天になるといった意味です。

それでは、例文を見てみましょう。

When I met that actor, I trembled all over the ecstasy.

私はあの役者に会った時、欣快の至りで全身が震えた。

「欣快」を使いこなそう

この記事では「欣快」の意味・使い方・類語などを説明しました。普段よく使う用語ではないものの、意味を知り、使い方をマスターすることで、語彙力や国語力がアップします。なにより大変喜ばしい時に使う言葉です。ぜひ覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「欣快」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「欣快」について解説する。

端的に言えば欣快の意味は「非常に喜ばしいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者でライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「欣快」の意味や例文、類語などを見ていきます。

「欣快」の意味や語源・使い方まとめ

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欣快」は、きんかいと読みます。ただそのまま読むだけであれば、誰でもそれほど難しくないでしょう。しかしながら、普段あまり頻繁に使われる日本語ではなく、小説など印刷物を読むと時々出てくる程度で、なじみが少ない人も多いはず。それでは早速「欣快」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「欣快」の意味は?

はじめに、「欣快」の正確な意味を、辞書・辞典からの引用で確かめてみましょう。「欣快」には、次のような意味があります。

[名・形動]非常にうれしいこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「きん-かい【欣快】」

欣快の意味は、非常にうれしいこと、または、非常にうれしい様子です。つまり、それぞれの人の内面だけでなく外見からも、とても喜ばしい結果、楽しいこと、幸せな物事などに遭遇した時に、その時の自分の思いや気持ち、感情などをストレートに表現、行動した際に使われる言葉といえます。

「欣快」の語源は?

次に「欣快」の語源を確認しておきましょう。

欣快の語源はわかっていません。言葉を紐解くと、まず、欣のへんである「斤」は、木材を伐採するのに使う斧の象形であり、つくりの「欠」は余分なものをかきとるという意味です。つまり、不要なものをすっきり削り取ってしまう、といった意味に通じます。

一方、快は、快い、気持ち良い、さわやかなどの意味を持つ単語です。

昔からよく使われてきた「欣快の至り」という言葉があります。至りは極み、頂点といった意味なので、もうこれ以上ない非常に喜ばしい気持ち、とてもうれしくてたまらない、といった感情も、この言葉からはっきりと垣間見られる表現です。

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